ビカクシダ・ウィリンキー・ジェイドガールの胞子培養株〔P.willinckii ‘Jade Girl’ sporeling〕を育ててます 

〔2022.11.26更新〕ウィリンキー・ジェイドガール( P.willinckii ‘Jade Girl’ )の胞子培養株を購入して育てています。栽培の様子をご紹介します。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
P.willinckii ‘Jade Girl’ sporeling 2022.11.26
P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
P.willinckii ‘Jade Girl’ sporeling 2022.11.26

ウィリンキーの魅力

ウィリンキーは、インドネシアの熱帯雨林原産のビカクシダです。胞子葉は下に分岐しながら垂れ下がります。また、葉は星状毛によってシルバーグリーンに見え、とても美しい種です。乾燥にも強く丈夫です。しかしながら、栽培は簡単ですが、大型化するため一般の家庭ではなかなか育てにくいともいえます。

ジェイドガールの魅力

ジェイドガールは小型種なので、とても扱いやすくリビングやベランダといった都会の住宅事情にも合うビカクシダなんですよね。

ウィリンキーは亜種や変異が多いですが、ジェイドガールもその一つで、オリジナルは、インドネシア・ジャワ島で採取された野生由来の矮性ビカクシダだそうです。オリジナルのポップ〔オリジナルクローン〕は手がでないほど高価で貴重ですが、胞子から育てた株は、わりと出回っていて、がんばったら購入できる額です(それでも高額ですけどね?)。 ジェイドガールの魅力は、コンパクトかつ細葉で個性的な胞子葉でしょうか。尚、胞子培養株なので、オリジナルの特徴そのまま育つかどうかはわかりません。そこが納得できて、どう育つかはお楽しみと思えるのなら、ジェイドガールの胞子培養株は、とても楽しみなビカクシダですね。我が家も期待をこめて、かっこいい株に育てたいと思っています。

我が家の購入時の選び方

どう育つか楽しむといいながら、我が家では、おそらく間違いなく特徴的に育つだろうと予測がつくくらいの大きさの株を購入しました。ジェイドガールの特徴である、不規則な分岐の胞子葉がでているかをポイントにしました。

発生からしばらくの間に出る胞子葉は、特徴がなくどう育つか予測できませんが、ある程度育つと、だんだん特徴が出てきます。数枚特徴的な葉がでると、ある程度予測が付きます。そのくらいのものを選ぶと、『全然違う』というような失敗はないのではないでしょうか。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
購入当初

育て方のポイント

銀白色の葉の魅力…よく日に当てるとふわふわ白銀に!

ウィリンキーの特徴の一つ、白銀に光る葉ですが、これは葉の上に星状毛といわれる放射状に伸びた毛が生えているからです。植物の葉や茎などにみられる毛状組織はトリコーム(トライコーム)と呼ばれ、星状毛はその一つです。星状毛の役割は、強い日光〔紫外線〕・乾燥・害虫からの防御と考えられています。

この星状毛が濃いほど胞子葉は白く見えるわけです。ですので、より白く育てるには、日焼けしない程度に日光によく当てるといいですね。

我が家では、同じく トリコーム の多いウスネオイデスも数年育てていますが、日光に当てず部屋の中でしばらく育てていると、 トリコーム が薄くなり緑色になってきます。日差しによく当てて育てるとふわふわの銀白色に育ちます。ウスネオイデスを育てている記事はこちらにあります。よろしかったら見てください。

ビカクシダも同じで、うつくしい銀白色のふわふわ葉に育てるには、日焼けしない程度に日光によく当てます。また、剥げやすいので注意ですね! 剥げたらもとに戻らないので…。

板付けのタイミング

我が家は、子株を鉢植えで購入しました。貯水葉はありませんでしたが、すでに特徴的な胞子葉が出ている状態で生長も活発だったため、1月でしたがすぐに板付けしました。本来なら板付けのタイミングとして、ビカクシダにとって快適な生長期の初夏や晩夏・初秋などがいいですね。ですが、温度管理をしていて活発に成長しているなら、それほど季節は問題にならないとも思います。ケースバイケースですね。ビカクシダは、鉢植えよりも板に着生させたほうが、水はけがよく根腐れなどのトラブルもおきにくいので、管理が楽だと思います。板付けも簡単です。

我が家の板付けの方法について、こちらに記事がありますのでご興味がある方はご覧ください。

貯水葉がきれいに展開するための工夫

貯水葉が横に広がらず、ミズゴケにめり込んでしまう場合があります。ミズゴケの盛りが柔らかかったり、芽の部分の高さと段差があると貯水葉がきれいに広がらないんですね。また、ミズゴケの先などが少し出っ張っていると、それが障害で貯水葉がうまく乗り越えられず貯水葉の端が切れて変形してしまうこともあります。

こういう場合は、貯水葉が小さいうちに、必要な部分だけミズゴケを成形し直すといいです。

下の写真は、前回の貯水葉がうまく展開せず丸まってしまったため、次に生えてきた貯水葉とミズゴケとの間に隙間ができてしまっています。貯水葉は、内側に接するものに沿うように展開するので、次もミズゴケにめり込む方向に進み、突き当たったところで丸まってしまうでしょう。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株

この状態から、きれいに展開させるために、網を使って成形します。網は長方形で、貯水葉の出ている半面だけ覆うサイズで充分です。この網は見ての通り、スーパーなどで野菜が入っている網の袋を使っています。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株

貯水葉の内側に網を差し込み、その内側にミズゴケを盛り付けます。網を差し込む際は、貯水葉を傷つけないように注意します。網の内側にミズゴケを入れるには先の丸いへら状のものなどを使うといいです。ミズゴケがなだらかになるように入れ込んだら、網の端をホッチキスで留めます。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株

貯水葉が展開したら、ホッチキスを外し、そっと網を抜きます。向かって右側に展開している貯水葉も同じようにして成形しました。

片方ずつなので部分的に修正でき簡単です。

冬の管理環境・育て方のポイント

  • 陽によく当てること 
  • 15℃以上の気温で管理すること
  • 風通しを良くすること
  • 適度な湿度を保つこと

出来るだけ陽に当てています。冬は晴天の日が多いので、我が家のベランダの陽が直接当たる部分は、かなり暖かくなります。冷たい風が吹かない晴天の日、温度計を見ながら、朝15℃を超える頃にはベランダのよく日が当たる部分に吊るし、陽が傾く16時には室内に入れています。

また、加湿にならないように、一日で水苔が乾くくらいの風通しと水やりを心掛けています。ミズゴケを湿らせ根に水をあげるのではなく、根茎の先端(成長点)付近にあげることをイメージして水やりしています。ミズゴケの湿り気は、根茎を乾かさない程度に湿っていればいいのではと思います。

肥料は、貯水葉に直接あたらないように緩効性肥料をミズゴケの上の方に浅く埋めてます。成長点付近の根茎に栄養成分が溶けた水がいくような場所ですね。冬、成長が停止している場合は、肥料をあげるのはよくありませんが、冬でも生長している場合は、緩効性肥料を使っています。ビカクシダは、肥料食いとよく言われますが、その通りで、適度に肥料を与えると活発に生長しますね。

使ってなかなかいい感じなのが、葉から吸収させるタイプの肥料や活力剤です。感覚的なものではありますがコンディションがいいように思います。新芽が出るときや株分けした子株などにも使っています。


育て方は、環境によってそれぞれだと思いますが、我が家の育て方はこんな感じです。我が家にやってきたのは12月初旬で約1か月ですが、我が家に来てから新しい胞子葉が2枚出てきました。とても丈夫で活発です。

春の管理環境・育て方のポイント

日中は、屋外の陽の当たる風通しのいい場所で管理します。

春になると徐々に日照時間も長くなっていきますね。気温を見ながらベランダ管理の時間を長くしていきます。やはり15℃以上が管理の基本です。4月に入ると、最低気温が15℃を超える日が出てきます。そうすると夜もベランダに出しっぱなしになり、5月中旬頃には、毎年ほぼベランダに出しっぱなし管理になっています。ジェイドガール胞子培養株も一般的なビカクと同じ管理方法で問題ないですね。

水やりは、ミズゴケの表面の乾燥具合を見てあげます。

ミズゴケは、乾燥しすぎるとパリパリになって水をはじいてしまい吸水しにくいので、乾燥しきる前に水やりするといいです。水苔を触った時に、乾いているけれども中に水気を含み柔軟さが残っている状態がベストです。じょうろで全体に水をかけています。ミズゴケが乾きすぎた場合は、バケツに水を溜めてビカクシダを浸け、ミズゴケに十分吸水させています。

肥料は、観葉植物用の緩効性肥料を与えています。以前は、錠剤を上部のミズゴケに置いていたのですが、貯水葉が小さい子株では、水やり時や移動の際に肥料が転げ落ちてしまうので、最近では粒状の肥料を蓋つき肥料容器に入れて、上部のミズゴケに挿すようにしました。簡単に落ちないしとても便利です。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
上部に肥料容器


夏の管理環境・育て方のポイント

最低気温15℃を超えると終日ベランダ管理に切り替えます。初夏から秋にかけては生長期なので、生育が活発になります。管理のポイントは次の通りです。

  • 直射日光を避け、明るめの日陰で管理すること 
  • 風通しを良くすること
  • 適度な湿度を保つこと

我が家では直射日光の当たらない明るめの日陰で管理しています。遮光ネットなどを使って、明るく穏やかな光で育ててあげるとベストなのですが、軒下などの明るめの陰の場所でも、変わりなく育ってくれていました。わりと耐陰性があるのかもしれませんね。ただし、陰で育てるとやはり星状毛は薄くなります。

徐々に暑くなってくると水やりも朝と、ミズゴケの乾き具合によっては夕方の2回になってきます。水やりの時間は気温の穏やかな時間を選びます。

秋の管理環境・育て方のポイント

太陽高度が低くなってくると、陽当たの良い場所で、十分に陽を当ててやります。そして夕方肌寒くなり、気温が15℃を切る頃には、夕方に室内に取り込みます。朝晴天で12~13℃くらいあるようであれば、またベランダの陽当たりの良い場所に出してやっています。

水やりは、やはり、ミズゴケの表面の乾きをみて、あげています。

生長の様子

2022年1月

鉢植えで購入した後、新しい胞子葉も生長中。元気なので板付けしました。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 

しばらくしてもっとも頂芽〔先端の成長点の大きい芽〕の他、脇芽が2つ出てきました。下の写真の○が最も大きい生長点、矢印が脇芽です。しばらく様子をみることにしました。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 脇芽
株の向かって右側
P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 脇芽
株の向かって左側

2022年3月

株の向かって右側の脇芽の貯水葉が出る前に、頂芽の貯水葉が展開したので、そのまま脇芽に覆いかぶさりました。

向かって右側の貯水葉が展開すると次は左側ですね。頂芽の貯水葉が左側に展開する頃には、脇芽の貯水葉も育ってしまい、頂芽と脇芽の貯水葉がぶつかって拮抗状態になりました。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 脇芽
株の向かって左側 

かたちが崩れてしまうので、脇芽の貯水葉を切り取って、頂芽の生長を優先させました。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 脇芽

頂芽の貯水葉はこのまま展開して、脇芽に覆いかぶさりました。脇芽は摘芯はしていないので、そのうち思わぬところから出てくるか、このまま衰えるかですね。

2022年5月

春先から貯水葉のターンで、現在向かって左側に4枚目の貯水葉展開中です。前回はミズゴケに引っかかり丸まってきれいに展開しなかったのでミズゴケを網を使って盛り直しました。〔詳細は上記の貯水葉がきれいに展開するための工夫の項を参照〕

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株

2022年のGWはちょっと肌寒く朝夕の気温も低めです。5月中旬になれば、例年通りの気候になるでしょうか。これから生長期に突入で楽しみです。

2022年6月

貯水葉左右揃いました。まだベビーですね。かわいいです。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.06.02

そして、新しい胞子葉が生えてきました。今度の葉は不定形ではなく、胞子葉らしいかたちです。ちょっと大人になりましたね。なかなかいい感じです。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.06.02

6月下旬になって、急激に気温上昇。真夏なみになってきました。貯水葉が揃った後は、胞子葉のターンです。ウィリンキーは、やはり蒸し暑い気候になると調子が出てくるのか、活発に胞子葉を出しています。星状毛が密でふかふかの白い胞子葉です。思ったより形が端正です。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株 
2022.06.22

2022年9月

夏の間も何枚か胞子葉が育ちました。風通しのよい所に置いているので、胞子葉が風でそよぎ、こすり合って星状毛があちこち剥げています?。屋外で育てると仕方ありませんね~。

ですが、生長は順調です。胞子葉が出るごとに分岐が多くなり、なかなかの姿になってきました。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.09.25

白の格子のマス目が5㎝なので、とてもコンパクトです。このサイズは、お手入れしやすく育てやすいですね。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.09.25

また、夏の間は、直射日光に当たらないようにしていたので、星状毛があまり育たず緑っぽいのですが、太陽高度が低くなって陽の当たりが変わってきたせいか、新しい胞子葉は、けっこう白く美しいです。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.09.25 胞子葉前端の分岐

暑さも和らぎ、ビカクシダの育つ季節になってきましたね。これからの生長が楽しみです。

2022年11月

11月に入ってから、夜間室内管理することが増えました。造形的にも美しいので、室内のちょっとしたスペースを彩ってくれています。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.11.26

胞子葉は、分岐から長く伸びるようになり、どんどんしゅっとした大人になっていきますね。ななめから見ても胞子葉がの重なりがなかなか立体的できれいです。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.11.26

11月下旬になるとほぼ夜間は室内で管理し、朝になり屋外の気温が12~13℃で晴天の場合は、ベランダの陽当たりよい所に吊るしています。春や秋は日照をたっぷりと与えてあげたいですね。

P.willinckii 'Jade Girl' sporeling ビカクシダ ウィリンキ― ジェイドガール 胞子培養株
2022.11.26

やっと貯水葉が出てきました。


我が家では、ジェイドガール胞子培養株の他にも数種類のビカクシダを育てています。育て方などの記事も書いているのでよかったら見てください。

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