ビカクシダ・コロナリウム・フィリピネス・ドワーフ〔Platycerium coronarium Philippiness Dwarf〕の育て方・育ちの記録

コロナリウム フィリピネス ドワーフ Platycerium coronarium Philippiness Dwarf
Platycerium coronarium Philippiness Dwarf

2021年の9月からコロナリウム フィリピネス ドワーフを育てています。子株を鉢植えで購入し、その後板付けし、現在にいたります。素人栽培ですが、我が家では、数年前から現在8種のビカクシダを育てています。その経験も織り交ぜて、育ちの様子や我が家の育て方のポイントについてご紹介したいと思います。

コロナリウム フィリピネス ドワーフ 〔Platycerium coronarium Philippiness Dwarf〕 って?

特徴

コロナリウムは、東南アジアに分布するビカクシダです。広く分布するので、育った環境による変種も多くなります。フィリピネス ドワーフは、フィリピン産の矮小種です。コロナリウムの胞子葉は、細かく分岐しながら垂れ下がり、とても魅力的で美しいのですが、如何せん巨大化し、なかなか手を出しにくい種でした。フィリピネス ドワーフは、胞子葉が回転するように優美にカールするフィリピンの特徴も持ちながら、非常に小型なので、普通ご家庭の環境でも育てやすいコロナリウムです。

ドワーフって?

ドワーフとは、矮性のものを指し、通常の大きさより小さいまま成熟します。突然変異やホルモン異常・環境によるものもありますが、人為的な品種改良などでも作り出されます。野生の矮性種のものも人為的なものもドワーフと呼ばれているため、フィリピネス ドワーフが誕生した経緯は、素人の我が家にはわかりませんでした。品種改良とまでは行かなくても、胞子蒔きの選抜でもドワーフ種は生まれています。ビカクシダの栽培は、最近とても人気で、その為たくさんの交配種や変種が出回っていて、それらの出どころはわからないものも多数です。

OC(オリジナルクローン)かTC(組織培養)か

まあ出自はわからなくても、小型で美しいコロナリウムはとても魅力的です。ちなみに我が家のフィリピネスドワーフは、メリクロン株です。メルクロン株とは、成長点を取り出し培養する技術(TC)を使い、オリジナルと全く同じものを人為的に作り出したものです。なので、我が家のフィリピネス ドワーフは、ほぼ園芸種といっていいものだと思っています。メリクロン株によって、種の低価格化が進み、希少性は失われますが、そのおかげで我が家でも入手出来ているんですよね。オリジナルクローン(POP)とメリクロンの区別について、最近よく話題になるようですが、我が家では、価格と価値観は計りにかけて、柔軟に考えています。どちらも遺伝子は同一です。

コロナリウム フィリピネス ドワーフcoronarium Philippiness Dwarf メリクロン苗
ビカクシダの森さんから購入した当初

板付けのタイミング

我が家は、2021年9月に子株を鉢植えで購入しました。貯水葉も胞子葉が出ている状態で生長も活発だったため、すぐに板付けしました。板付けのタイミングとしても問題ない季節です。ビカクシダにとって快適な生長期の初夏や晩夏・初秋などがいいですね。ですが、温度管理をしていて活発に成長しているなら、それほど季節は問題にならないとも思います。ケースバイケースですね。ビカクシダは、鉢植えよりも板に着生させたほうが、水はけがよく根腐れなどのトラブルもおきにくいので、管理が楽だと思います。板付けも簡単です。

我が家の板付けの方法について、こちらに記事がありますのでご興味がある方はご覧ください。

コロナリウム フィリピネス ドワーフの栽培ポイント

購入した子株は、次々と貯水葉と胞子葉がでて活発に育っています。ビカクシダって、春から夏が生長期ですが、秋から初冬などは、安定してコンディションがよいように思います。

通年の栽培条件は、次の4点です。

  • 夏場は直射日光を避けて、通年穏やかで明るい日照で管理すること 
  • 15℃以上の気温で管理すること
  • 風通しを良くすること
  • 適度な湿度を保つこと

秋から冬の環境

秋から冬は、出来るだけ陽に当てています。冬は晴天の日が多いので、我が家のベランダの陽が直接当たる部分は、かなり暖かくなります。冷たい風が吹かない晴天の日、温度計を見ながら、朝15℃を超える頃にはベランダのよく日が当たる部分に吊るし、陽が傾く16時には室内に入れています。夏の終わりころから徐々に直射日光に慣らします。陽によくあてると株がしまって胞子葉も短くなりがちですが、その辺は今後成長過程でちょうどよい日当たりを試行錯誤したいと思っています。

また、加湿にならないように、一日で水苔が乾くくらいの風通しと水やりを心掛けています。ミズゴケを湿らせ根に水をあげるのではなく、根茎の先端(成長点)付近にあげることをイメージして水やりしています。ミズゴケの湿り気は、根茎を乾かさない程度に湿っていればいいのではと思います。特にコロナリウムは、水やりが多いと貯水葉が早く枯れてしまうので、湿った状態が続かないように気を付けています。かといって根茎が完全にかわいてしまうと枯れてしまうので、ご自宅の環境にあった水やり加減を得るといいですね。空中湿度は高めを好むので、乾燥しやすい冬場は、霧吹きで成長点と胞子葉全体に葉水して補ってあげると生き生きとします。

肥料は、貯水葉に直接あたらないように緩効性肥料をミズゴケの上の方に浅く埋めてます。成長点付近の根茎に栄養成分が溶けた水がいくような場所ですね。貯水葉が大きくなり重なると、葉の間に入れています。

春の管理環境・育て方のポイント

3~4月は屋外の穏やかな陽の当たる場所で管理し、直射日光が強くなると明るい日陰に移行。

春になると徐々に日照時間も長くなっていきますね。気温を見ながらベランダ管理の時間を長くしていきます。やはり15℃以上が管理の基本です。4月に入ると、最低気温が15℃を超える日が出てきます。そうすると夜もベランダに出しっぱなしになり、5月中旬頃には、毎年ほぼベランダに出しっぱなし管理になっています。コロナリウムも一般的なビカクと同じ管理方法で問題ないですね。4月下旬くらいから暑くなり直射日光も強くなりますので、直射日光をさけた明るめの日陰管理に移行していきます。風通しよくは、通年の必須条件です。

水やりは、ミズゴケの表面の乾燥具合を見てあげます。

毎日水やりして、一日のうちにミズゴケが乾燥する状態を心掛けますが、ミズゴケは、乾燥しすぎるとパリパリになって水をはじいてしまい吸水しにくいので、乾燥しきる前に水やりするといいです。水苔を触った時に、乾いているけれども中に水気を含み柔軟さが残っている状態がベストです。じょうろで全体に水をかけています。ミズゴケが乾きすぎた場合は、バケツに水を溜めてビカクシダを浸け、ミズゴケに十分吸水させています。ただし、コロナリウムは水のやりすぎは注意ですので、貯水葉がすぐに枯れてしまわないように適度を心掛けます。

肥料は、観葉植物用の緩効性肥料を与えています。以前は、錠剤を上部のミズゴケに置いていたのですが、貯水葉が小さい子株では、水やり時や移動の際に肥料が転げ落ちてしまうので、最近では粒状の肥料を蓋つき肥料容器に入れて、上部のミズゴケに挿すようにしました。簡単に落ちないしとても便利です。

コロナリウム フィリピネス ドワーフ Platycerium coronarium Philippiness Dwarf
上部に肥料容器


育ちの様子

2021年11月

胞子葉が活発に出て、ビジュアル的にかっこいい雰囲気です。ですが、株の向かって左上にも脇芽があることに気づきました。購入時はわからなかったんですけどね。胞子葉の出方に何となく違和感はありました。よく見れば、2つの生長点から胞子葉が出ているんですよね。

コロナリウム フィリピネス ドワーフcoronarium Philippiness Dwarf 成長点が複数 分頭
2021.11 成長点辺りに違和感…ひょっとして成長点2つ?

分頭と子株の違い

ビカクシダは、他のシダ類と同じく、這う様に伸びる茎(根茎)から直接貯水葉と胞子葉が出ます。根も茎から出ています。生長点が動くと言いますが、茎少し伸びて次の葉が出るので生長点が動くように見えます。

茎は一本の場合は、成長点は一つですが、枝分かれすると複数の生長点ができます。根の先端に子株(POP)ができるのと異なり、枝分かれで複数になるのを分頭と呼んでいると思います。要するに脇芽ですね。コロナリウムは、わりと分頭するビカクシダのようですね。枝分かれなので成長点が近接してます。当然ながら遺伝子は分頭も子株も同一です。

分頭した場合どうする?

片方潰してしまうか、このまま育てるかですね。生長期でない時期の株分けは両方の芽を弱らせる可能性があります。また近接しすぎている場合は、切り分けるのも難しいですよね。どちらかが小さく片方の貯水葉に飲み込まれそうな場合は、育ちが悪い方を潰してしまう方法があります。

2021年12月

コロナリウム フィリピネス ドワーフcoronarium Philippiness Dwarf 成長点が複数 分頭
2021.12 2つの貯水葉が背中合わせで生長始めた
コロナリウム フィリピネス ドワーフcoronarium Philippiness Dwarf 成長点が複数 分頭
下の大きい芽の貯水葉のほうがわずかに後で出たため小さい。

我が家のは、2つとも貯水葉が背中合わせになってせめぎ合っている状態でしたが、今は、上の芽の貯水葉が下の貯水葉を包み込んだ状態で、更にもう1枚貯水葉が出てきました。これからどうするのか興味深々で見ています。なのでこのまま育てて様子をみます。そのうちそれぞれ茎が伸び、成長点か離れていって、それぞれの根もしっかり出たら分けたいなと思っています。

2022年1月

コロナリウム フィリピネス ドワーフcoronarium Philippiness Dwarf 成長点が複数 分頭
2022.01下の貯水葉を上から包み込み、まるでクラゲのような形に

その後、下の芽から新しい貯水葉が出てきて、下の芽の方が形も整っていることから、下の株を優先させることにしました。それで上の株の羽交い絞めを解いてやりました。

2022年5月

解き放たれた下の株は、それから何枚か左右に貯水葉が展開し、下の写真のように見た目整いつつあります。

コロナリウム フィリピネス ドワーフ Platycerium coronarium Philippiness Dwarf

上の芽はどうなったかというと…

コロナリウム フィリピネス ドワーフ Platycerium coronarium Philippiness Dwarf 成長点が複数 分頭

その後も同じ方向に2枚貯水葉を展開し勢力挽回しようと頑張ったのですが、押しやられしまいました。でも胞子葉だしてます。虎視眈々と機会を狙っているようですね。

分頭している場合、片方を潰してしまったほうが、もう片方の生長にはいいと思います。どんな植物でも、脇芽が多いとその分エネルギーも分散されので、頂芽一本に集中させたほうが効率がいいですから。

まあ、このまま上の芽は枯れてしまうか、どこかで思わぬ展開があるのか、もうしばらく観察したいと思います。


我が家では、 フィリピネス ドワーフの他にも7種類のビカクシダを育てています。育て方などの記事も書いているのでよかったら見てください。

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