〔2023.06.20更新〕今年も花が咲き始めました。梅雨の晴れ間の広がる日でした♫ 昼前に開き始めて夕方には閉じてしまいます。完全に開いている時間は1時間前後です。梅雨の中休み、心も晴れるほんのひと時です。
咲いてる時間が短くて、おまけに閉鎖花で種子をつくることもできるので、花をちゃんと観察できるのって案外難しいアナカンプセロス属の桜吹雪。花の開花から種ができるまでをご紹介します。
アナカンプセロス属 ‘桜吹雪’とは?
南アフリカ原産の耐寒性・耐暑性に優れた丈夫な多肉植物です。年中ピンクが残り、ピンクの葉と新芽の緑が初々しく可愛らしいですよね。ふわふわとした白い毛が生えるのも特徴です。
増やし方
葉刺しは難しいですが、株分けや種子で増やすことができます。
花…開放花と閉鎖花
開花は、梅雨時期です。桜吹雪は、お天気がよいと開花しますが、雨天では開花しないといわれています。とういわけで、梅雨時期と開花時期が重なる桜吹雪は、開花した状態を見るのが稀になってしまうということのようです。普段見る開いた花を『開放花』と呼びます。
桜吹雪は、開花して受粉することも、完全に開かないまま、中で自家受粉することもできます。開花しない、完全に開かない状態で自家受粉する花を『閉鎖花』といいます。
桜吹雪は、開放花と閉鎖花のどちらも付けます。
今回、開放花と閉鎖花と両方観察しました。
開花から種子ができるまで
今年は、一本の茎に2つ蕾をつけました。2つの蕾の様子が若干違います。上に出ている蕾は全体に緑で、下の蕾はきれいなピンクを帯びています。
開放花の受粉
開花したのは、曇天の風の強い日でした。今日はないと思っていたのに不意をつかれ、上の蕾が開き始めました。上の蕾は、ちょっと首を傾げた状態です。朝はしっかり閉じていたのに唐突に始まったのでびっくり。見落とすところでした。
完全に開きました。色はきれいなピンクで、横に広い花ですね。開いていたのは1時間前後だと思います。
閉じ始めました。
閉じてからは、お行儀よく萼(がく)のなかに納まりました。開花は半日で終わりました。
上の花は、頭を傾げたままです。下の蕾がそろそろ開花するかなと思いきや…
閉鎖花の受粉
晴天の日です。下のきれいなピンクの蕾がわずかに開きました。わずかな隙間に、ピンクの花冠(?)が見えます。これきり開くことはありませんでした。どうやら閉鎖花のようです。
しばらくは何事も起こらず…
突然まっすぐ立ちました。そして、さらに一週間後…
種子
笠のようなものが剥がれました。また、その下の薄皮のようなものも剥がれそうです。
開花から27日目にして、種を落としそうです。種が透けて見えています。落ちそうと思いながらも、もう一日様子を見ようと思ったのが間違いでした。
夜のうちに飛んでいったのか、早朝には空になっていました。
今度は、下のピンクの笠が剥がれてきました。閉鎖花の自家受粉から24日目です。今度はちゃんと種を取ります。
3枚剥がすと真っ白の薄皮がまた出てきました。薄皮も3枚で出来ています。
一枚剥いて中をみるとこんな感じです。
種の表面は、ハニカム構造になっていてスカスカな様子です。いままで見たことがない形態でした。
軽く振ってみると、種が落ちました。合計5つあります。種の下の方にも種になれなかったモノらしきモノがありますね。効率よく受粉できれば、もうちょっと数が多かったかもしれません。
表面はスポンジのようですね。中が透けています。触った感じも柔らかいです。大きさ1mm前後の大きさです。ちっこい水餃子のような…
晴天には開放花、雨の日には閉鎖花は、我が家の桜吹雪には当てはまりませんでした。お天気ではなくて温度や湿度でしょうか? また、開放花は蕾が緑で、閉鎖花は蕾がピンクでした。ひょっとしたら、一番目は開放花、二番目は閉鎖花なのかも…。いずれにしても今回は、どんな条件で開放花か閉鎖花を決めるのかはわかりませんでした。謎だらけで興味深いですね。それにしても、開放花で他家受粉も可能ですし、うまくいかなくても閉鎖花で自家受粉するなんて、とても逞しく優れたシステムですね。感心しました。
種まき
さっそく、種を蒔きました。我が家では、エクサゴノの無菌・無肥料・焼成の細粒タイプを使いました。エクサゴノは、サボテンや多肉植物・コーデックス用の培養土です。粒の大きさや肥料の有無を選べます。桜吹雪の種は小さいので、多肉植物用の土でも粒が小さめのものがいいですね。
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発芽
実は、種まきからしばらく水をやるのを失念しておりました?。水やりを再開したら2日で発芽しました。水やりは、霧吹きで充分湿らすようにしました。土の表面から1㎝下までは湿らすイメージですね。様子を見て頻度は調節しますが、朝夕2回くらいです。
もうじき梅雨明けして猛暑がやってくるので、発芽したての赤ちゃんには過酷な環境になるかもしれません。
〔2022.06.26〕更新
昨年の赤ちゃん苗を単独で育てるのが面倒になり、親の鉢へ移植して適当に育てておりました?。ずいぶん存在を忘れていたのですが、生き残っています。水やりが辛かったからか、まだちっこいですね。でも、ちょっと感動です。これからは少し気にかけて育てます。
2022年の開花の様子
5月に入ると蕾が次々あがってきました。
5月下旬に1つ開花。でも開ききりませんでした。この日は風が強く、風がおさまる瞬間を狙って撮影しました。
その後、蕾はたくさんあがってきますが、まったく咲く気配なし。今年は閉鎖花ばかりなのでしょうか。
6月下旬、16時頃咲いているのに気づきました。昼頃は、まったく気づかなかったので、夕方近くになって開いたのかも。この日も風が強かったです。
花弁が重なっていて、きれいに開いていません。でも一応開花。
今年は、やはり閉鎖花が多いようです。くちばしを開けるようにちょっとだけ開いている状態は、何度が見かけました。ですが、うまく受粉出来なかったのか、種をつけずに枯れていくのが多いです。
開放花・閉鎖花を決める要因はやっぱりわからないのですが、開放花は風が強い日が多いような…。タイミングもあるかと思いますが。
4月~6月中旬まで、例年より気温低めで曇天も多かったのに、3日ほど前から突然猛暑に…。真夏並みに暑く、しかも風が強く、ベランダに熱風が吹き荒れています。今からこんな状態ですから今年は猛暑が長そうです。多肉の夏越しを思うと今から頭が痛い…。
2023年の開花の様子
梅雨時で毎日雨が続いていたのですが、朝からよく晴れた、心地よい風の吹く日に開花しました。開花して閉じるまでほんのひと時ですが、我が家の季節折々の趣の一つです。
コメント
検索から失礼します。
この初夏初めて花をつけた我が家の桜吹雪。数日家を開けている間に咲いたのか咲かなかったのか、蕾のままのような形で種子だけができてとても不思議だったのですが、すべて謎が解けました。
綺麗なお写真とともに、状況などを詳しく書いてくださっていて、とても参考になりました!
ありがとうございます☆
開花に関してとてもデリケートな一面があるのですね…
因みに最近になって二輪だけ咲いた花を見ることが出来ました。喜びもひとしおでした!
ねこのスケさま、
コメントありがとうございます。
謎が解けてよかったです。我が家も初め謎でした~。
桜吹雪は、8月の今でも結構たくさんの花茎があがっています。
時折花が開いているのを見かけるのですが、閉鎖花も多いです。
よく見かける植物でも、育ててみたり、じっくり観察すると、ほんとに個性的で不思議ですよね。
コノフィツムさま
お返事いただき、ありがとうございます(^o^)
長らく書き逃げ状態で失礼いたしました。
今年も我が家の桜吹雪は沢山花をつけ、そして昨年の状況が嘘だったみたいに、びっくりするほど開いたお花に出会えています。
開花時間は本当に短いですね。
昨年は知識不足もあって、大方タイミングが合わなかっただけなのかも知れないと思わされました。
こちらのページに出会えたお陰で、今年はやきもきせずに美しいお花を楽しんでおります♪
ありがとうございます。
本当、植物には育ててみて初めて気付ける個性や不思議がたくさんありますね( *´艸`)
次は種から育てたいと思っております♪
ねこのスケ様
今年も桜吹雪の花の季節がやってきましたね。
その後の様子をお知らせくださり、ありがとうございます。
とても嬉しいです。
ねこのスケ様の桜吹雪が大株に育ち、たくさんの花が咲いている様子が目に浮かびます。
暑さが厳しい季節がやってきますが、お互い身体に気を付けてガーデニングを楽しみましょう♪