〔2022.05.04更新〕新芽がぎっしり! 状態はいい感じなのですが、まだ花芽が付いていません💦。実は思い当たる節があります。詳しくはこちらをご覧ください。

2021年4月にブルーワンダーとホワイトワンダーを寄せ植えしました。ブルーワンダーは、原産がヨーロッパの高山なので、高温多湿な環境が苦手です。そのため、日本では夏越しはとても難しいのですが、育てる環境やその年の気候によっては、工夫によって夏越しできることもあります。2021年は無事夏越しし、2022年の冬越しも難なく終わりました。

実は2020年にもブールとホワイトの寄せ植えの夏越しにチャレンジしたのですが、寄せ植えならではの欠点やコナカイガラムシの被害によって壊滅させてしまいました。2021年は、いままでの経験を生かして、さらなる工夫を加え、長期戦に備えて生育環境を整え再度チャレンジした次第です。
我が家は、首都圏のマンションの南向きのベランダで植物を育てています。なので、夏は湿式サウナ並みの高温多湿環境となります。高原や夏も過ごしやすい地域では、案外夏越しも容易なのではないかと思います。
夏越しなんて考えず、季節の花として短期間観賞すればいいのに、と思いますよね💦ですが、とても可憐な花なのにあまりに花期が短いので、ついつい夏越し考えてしまうんです。ライフワークみたいなものでしょうか。うまく夏越しできれば嬉しいし、うまくいかなければ残念くらいの感覚でやってます。
ということで、失敗と成功の経験から、我が家なりの視点で、夏越しの工夫と育ちの経過をご紹介します。
なお、過去にもブルーワンダーの夏越しを成功させたことがあります。成功事例と、その後1年育てて翌年開花させるまでの記事がこちらにありますので、よろしければご覧ください。
夏越しのポイント
植え替えのタイミングは、購入後すぐ
植物にとっては一般的には花後がいいタイミングなのですが、花が終わるのを待っていたら、いつの間にか暑くなり期を逃してしまうので、穏やかな気温のうちに植え替えます。となると、購入後すぐがいいのではないかと思います。
鉢も土も環境も通気性と水はけを配慮
高温多湿に弱く、根や株回りの通気性がとても大切ですので、我が家では、蔦の籠に麻布を張り、吊り鉢に仕立てました。吊り鉢は、同じく高温多湿の夏に弱い多肉植物の夏越しにも最適です。

寄せ植えの工夫
寄せ植えの場合、わずかな日当たりの違いや生育の差によって、優劣ができてしまい生存競争が起こります。株の生育に一番大事なのは根なのでそれぞれの株がテリトリーを持てるように中で仕切ることにしました。
簡単な方法として、プチトマトの容器を加工して仕切りにしました。


鉢の大きさ
植え替えの時、よく一回り大きい鉢にといいますが、ブルーワンダーの夏越しの場合は、株ぴったりくらいの鉢にします。というのも水やりの際、土の体積が大きければ、それだけ乾きにくくなるからです。また、高温多湿は苦手ですが、日当たりは必要なので、土の部分にダイレクトに陽が当たれば、土の温度が上がり、根が高温多湿状態になってしまいます。夏場は、生長期でもなく、どうしても弱る時期ですので、多湿に気を付けるには、葉に覆われた状態でピッタリの鉢が、管理しやすいです。
植え付け
ポットを抜いて十字に根を切って植え付けてます。水はけのよい土に植え替えるので、根を必要以上に傷めない範囲で土を除去します。



用土
我が家では、サボテン・多肉用の土を使います。以前ブルーワンダーの夏越しに成功したときもサボテン・多肉用の土でした。栄養分さえ、固形肥料や液肥で補えば、水はけ・通気性ともに最適な土だと思います。我が家は、今回はエクサゴノの微小粒を植え替えに使ってみました。

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カイガラムシなどの病害虫対策
梅雨時から晩夏にかけて、コナカイガラムシなどの被害にあいやすいです。葉や茎が細かい草なので、コナカイガラムシが蔓延るとなかなか駆除が難しいです。なので、いつも観察して予防が第一です。また、植え付けのときにオルトランを撒き、その後定期的にオルトランを撒きます。また、それでもコナカイガラムシが付くことがあるので、できるだけ初期の段階でベニカXファインスプレーなどを使い駆除します。ベニカXファインスプレーは病気の予防・対策にも有効ですよ。

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花期は日当たりの良い場所に置く
気温が穏やかな5月あたりまでは、日当たりの良い場所に置きます。6月に入ると気温が上がり、小さな蕾は、乾燥しすぎて開花しないまま枯れてしまうようになります。朝夕霧吹きしてあげれば蕾が開くこともありますが、季節的に合わなくなるのでしかたがないですね。

暑さや蒸れは、苦手ですが、日当たりは好みます。気温が穏やかな時期はできるだけ日に当てます。また、どの株にも陽が当たるように時々向きを変えてあげるといいですね。
ハンギングスタイルは、床からの照り返しの影響も受けにくいし、風通しもいいので、日差しを浴びても熱がこもらず、効果的に思います。
5月の下旬になると直射日光が強くなるので、吊るす場所を直射日光を避けた軒下に移しました。
葉の陰で、脇芽・新芽を増やす
花後は、枯れた花だけ摘み取り、茎や葉は残したままにします。というのも、日差しが強い季節になっていきますので、小さな新芽に直接陽が当たれば弱ってしまいます。新芽がある程度の大きさに生長するまで、古い葉に日よけになってもらいます。葉の陰なら温度も和らぎ生長しやすくなります。

今年は梅雨時期、割と過ごしやすい気温だったので、脇芽がしっかりとした大きさまで育ってきています。いまのところいい感じです。

籠の隙間から新芽がのぞき可愛らしいです。しかし、防御してもらえるものもなく、新芽むき出し状態です。夏の猛暑の間、萎びず頑張れるか難しいところです。

2021年8月の管理
脇芽がずいぶん出てきました。籠の隙間からたくさん芽を出した姿が可愛らしいです。匍匐性でランナーで増えるものは籠で育てるとこんな感じになりますね。我が家では、カンパニュラ・ベルフラワーも育てていますが、ベルフラワーも籠で育てているのでこんな風に籠の側面の隙間からも芽を出して開花します。徒長はしてしまいますが、やはり直射日光は避けて育てます。

コナカイガラムシの付きやすい季節ですので、月に1度定期的にオルトランをまいています。それでも付く時があるので、こまめにチェックして、被害が小さいうちにベニカXファインスプレーを散布しました。苗の購入から8月終わりまで、2回程度ベニカを使いました。おかげ様で、今夏はコナカイガラムシの被害はほぼ無かったです。
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水やりは、夕方や早朝の気温が穏やかな日に、土にかけて下から流れ出るくらいに水やりします。指をで土を触り、表面から少し下まで乾いている状態で、葉の様子を見ながら水やりします。だいたい2~3日に1度程度でした。


今年の夏は、例年より猛暑が少なかった気がします。夏越し出来たのは、それも大きいと思うのですが、やはりポイントは、
- まめな観察と殺虫殺菌剤で、コナカイガラムシやカビなどの予防を徹底すること
- 籠仕立てのハンギングで、通気性を高めて熱を逃がす。
この2点だと思います。
9月もまだしばらく湿度が高いので、気を抜かずに育てます。
2021年10月の様子

コナカイガラムシなどの虫も予防でき、完全に夏越し成功しました。湿度も比較的低く、気温も穏やかになったので、管理もしやすくなります。9月は、液肥も再開して定期的にあげています。

ブルーワンダーもホワイトワンダーも見分けがつきませんが、4株すべて元気です。土の中にパーテーションを設けて、分けて植えたのが功を奏したと思います。
2022年1月の様子

秋に虫が付かず無事過ごせれば、ブルーワンダーの冬越しはとても簡単です。枯れてはいきますが1月になり新芽がたくさん出てきました。

根元から脇芽もたくさん出てきていますし、葉が枯れた茎の先端からも芽が出てきています。

根元からでた新芽を残し、剪定しました。

経験からですが、我が家のある関東では自然に育てると開花時期が5月になります。それではすぐに暑くなってしまい花を長く楽しめません。ブルーワンダーは、とても暑さに弱いのです。そこで、開花時期を前倒しするために1月中旬から長日処理を始めました。長日処理の前に十分な寒さに当たる必要があるので、冷え込みが続いた後、寒さが一時緩んだ時に長日処理をスタートさせました。
長日処理は、夕方からは室内に取り込み、部屋の照明の下で管理します。太陽光なみに明るくなくて、室内灯程度の光でOKです。花咲く肥料も追肥しました。朝から日没までは日当たりの良い場所に吊るしています。太くしっかりした茎に育ってほしいなあ。3月には蕾がつくよう願っています。
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過去経験で、開花のタイミングとその後について、詳しい記事がこちらにあります。よろしければご覧ください。
土の再生材と追肥
剪定後、新芽が生長するために土の改良と追肥をしました。土は、多肉植物用の粒状の土をつかっていますので、栄養が足りません。しかし、植え替えするには細かな新芽が多いため、まくだけで甦る土のリサイクル材を使用します。芽のないところに割りばしで穴をあけ、その中に入れていきます。何か所か穴を空けリサイクル材を入れ込み、土の表面全体にも芽が埋まらない程度に撒きました。その上に、花咲く肥料をぱらぱらと撒きました。
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あとは、週に一度程度、適量に薄めた液肥をあげています。
2022年3月の様子
びっしりと芽が育っています。


籠の隙間からもたくさん芽が出てきました。
2022年の2月は例年より寒かったので、葉が小さく、思ったより伸びてません。ですが、最近春めいて気温が上がってきたのでこれからの伸びに期待したいと思います。日中長い時間、陽が当たる場所に吊るし、週一度の液肥を続けています。3月末には花芽が付いてほしいな…。
2022年5月の様子
今年は徒長もせず、がっしりと緑も濃く仕上がっています。物干しにハンギングして風通しも日照も今の季節は申し分ないくらいだと思っているのですが、期待通りにいかず、まだ花芽が付いていません。というか、思い当たることが、しっかりとあります。
3月くらいから長日処理が適当になってしまったことです。日中陽に当てているのですが、ついついそのまま部屋に取り入れるの忘れてしまう日が増え、3月末には、もう日も長いから大丈夫だろうと、一日中ベランダ管理になっていたことです。ブルーワンダーは、日照15時間以上で花芽がつくことを失念していました。以前の記事にもしっかり書いているのに、自分で忘れるなんて…。歳のせいにはしたくないですが💦


長日処理、今夜から再スタートさせます。
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