〔2022.05.04〕今年もベルフラワーが咲き始めました。例年通り蕾もたくさん付き、満開が楽しみです。


5月はベルフラワーが咲き乱れる季節です。ベルフラワーを育てて10年目です。もともとはポット苗て購入したものですが、現在のようにツタのカゴにヤシマットを敷いて植え替えました。するとみるみる増えて現在に至ります。育てやすいのでベランダガーデニングにお勧めですよ。ほぼ放置なのに毎年鉢いっぱいに花を咲かせます。愛らしい青い花がこんもりと咲く姿は見応えがあります。

我が家の育て方をご紹介します。
ベルフラワーの育て方
ベルフラワーは過湿を嫌います。育てる環境と水やり・肥料をまとめてみました。

用土
植木鉢に植え付ける場合は、市販されている草花用培養土で問題なく育ちます。水はけと水持ちを兼ね備えた土で、酸性土壌をきらうので、地植えする場合は苦土石灰でPH調整した後に植え付けます。
植木鉢
なんでも育ちますが、夏の高温多湿がもっとも苦手な植物です。土が蒸れたり風通しが悪くならない様な素材の方が適していると思います。素焼きや自然素材の植木鉢などがいいですね。
我が家では、ツタのカゴにヤシマットを敷いて植え付けていますが、9年元気に育っています。ツタカゴにヤシマットは普通の植木鉢に比べてだいぶ乾燥しやすいのですが、水はけがとても良いので、湿気や根腐れを気にすることはないです。ベルフラワーのように夏の過湿を嫌う植物にはかえって利点になっていると思います。また、ベルフラワーは地下茎で増えるので、ヤシマットの隙間など横から花をだす姿は、ナチュラルな雰囲気でとても愛らしいですよ。

置き場所
ベルフラワーは、置き場所さえ適切だったら、本当に手間がかからず毎年花を咲かせます。直射日光の当たらない明るい軒先で、風通しの良い場所で育てます。強い日差しには弱いですが陽当たりは好むので、生長期の3月~開花の5月の期間の日差しが穏やかな日は、日なたに置くようにしています。
また、花は雨で倒れたりつぶれるなど弱いので、花に雨がかからないように気を付けてくださいね。
水やり
通年乾燥気味に育てるといいです。基本は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりですが、何しろ土が見えないくらい葉でおおわれるので、春と秋は朝に一度、夏は気温の低い早朝と夕方の二度、冬は3日に一度くらいにし、様子を見て加減すればいいです。
夏場の高温多湿が苦手ですので、気温が高い日中の水やりは厳禁です。
花のシーズンは、花に水がかかると倒れたりつぶれてしまうので、花に水がかからないように花の少ないところや、じょうろの先端のハスの実を外して、先を葉の中に突っ込んであげたりしています。
肥料
うちでは葉が茂りだす3月下旬~花後の6月まで、週に1度くらいの割合で花用の液肥を薄めてあげています。また花の時期の前後で固形肥料を与えています。固形肥料は粒が細かいものが使いやすいです。葉の隙間にまきます。
年間を通した育て方
開花中~花後

開花中は、花に水がかかると倒れたりつぶれてしまうので、花に水がかからないように花の少ないところや、じょうろの先端のハスの実を外して、先を葉の中に突っ込んであげます。気温によりますが、ほぼ毎朝たっぷりと水やりします。
風通しの良い明るい日陰に置きます。また、雨がかからないように軒下で育てると安心です。
適量濃度の液肥を週に一度のペースで施します。開花に栄養を使っているので、花後も株は疲れた状態です。6月終わりの時期まで続けましょう。
萎れた花はなるべく摘み取る
しおれた花がらを残しておくと蒸れやすくなり、カビや病気の原因となります。特に満開後一気にしおれた後は、花がらを根元近くから茎ごと取り去り、隙間を開けることで風通しがよくなります。花柄の摘み方については、こちらに詳しく書いておきました。
梅雨から夏
梅雨から夏はベルフラワーがもっとも苦手なシーズンです。直射日光を避けた明るい日陰、かつ、雨の当たらない軒下で、風通しのよい環境に置くようにすれば、夏を越すことができます。この期間は肥料は与えず、水やりだけで過ごします。水は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
過湿になると根腐れしますが、乾燥しすぎると当然枯れてしまいます。夏は毎日水やりが必要です。水はけのよい土に植えて、下から水が流れるくらいあげましょう。
秋
秋口も直射日光は強いので、直射日光を避けた明るい日陰に置きます。
寒くなるにつれて、水やりの頻度を落としていきます。土の表面の乾き具合をチェックして乾いていたらたっぷりあげましょう。肥料も特に必要ありません。
植え替え、株分けの適期
10月は植え替えや株分けの適期です。ベルフラワーは地下茎で増えるので、半分に株分けしても2年もあればで元の面積を覆うくらいに戻ります。丈夫なので、土や栄養を補充しながら何年も同じ植木鉢で育てることも可能ですし、株分けして増やすことも簡単です。こちらに、植え替えず土のメンテナンスをする方法と、株分けについて書いています。
冬
明るい日陰で風通しよく雨の当たらない軒下で管理です。
水やりは3日に一度くらいの頻度になります。水やりの時間は、少し暖かくなる10時くらいにあげています。冬は、どの植物も少し暖かくなってから水やりしています。夕方からは気温が下がるので、屋外の植物は冬場夕方以降水やりは避けましょう。

冬場もベランダに出したままなので寒い時期は葉が少し黄ばんだり、ごく一部が枯れることもありますが、春が近づくときちんと盛り返してきます。
春
2月~3月で日差しが暖かく感じる時間が長くなってきたら、ベルフラワーの目覚めの季節です。古い葉の間から、いつの間にか新しい葉がびっしりと生えてきます。
我が家では、「花咲く肥料」をこの時期に撒きます。小粒なので、上から撒いて少し揺すれば土に到達するので使いやすいです。液肥も薄めて週一で開始します。

日差しが柔らかいこの時期は日なたにおくといいです。強い日差しは苦手なので新葉が出始めてから開花時期くらいまでですね。
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最近の様子〔2019年05月15日〕
今年もたくさん花を咲かせてくれました。これからしばらく楽しめます。

花がらの摘み方
我が家でやっている花柄摘みの方法をご紹介します。
花が咲いている途中の花がら摘み

ベルフラワーの場合、花がカラカラに乾燥した状態でしおれます。季節の初め、徐々に咲き始めた花は、満開時には枯れていくことになります。見映えもよくないので、気が付いたら摘むようにしています。一本の茎に複数の花が付いているので枯れた花がついている部分の茎と花を摘み取ります。指でも簡単に摘めます。もちろんハサミでもOKです。
花が咲き終わった後の花がら摘み

花がついた茎を根元から切り取ります。根元近くを持って引き抜くようにすると簡単に摘むことができます。


ちょっと面倒ですが、枯れた花は全部とってしまいましょう。

隙間が出来て、土が見えるくらいになります。
経年メンテナンス
植え替えず、土をよみがえらせる
我が家では、植え替えせずに5年くらいそのままでも毎年変わりなく咲いてくれていました。ベルフラワーは地下茎で増え、毎年古いものは枯れて、新しい茎に入れ替わっていくし、なにしろすごく丈夫なので、植え替えしなくても何年かは維持できると思います。根詰まりして水の浸み込みが悪くなると植え替えが必要ですが、植物の生育に特に問題がなければ、1~2年に一度土の補給やリサイクルを施すくらいのメンテナンスで5年過ごしてきました。どんなメンテかといいますと古い土の改良や栄養分の補給です。3月や10月の植え替え時期にするといいですね。
鉢植えの土は、経年とともに徐々に圧縮され硬くなっていきます。土の中には適度に空気の層が必要です。根が十分に水や酸素、栄養分を吸い上げられるような土にする必要があります。
植え替えずに土をリフレッシュさせるには割りばしを使います。土に水や空気を行き渡らせるために割りばしを深く挿して数か所もあけます。挿すと根の張り具合もよくわかります。根が張り過ぎていると割りばしがスムーズに通りません。根は多少切れても大丈夫ですが、ぐさぐさと傷つけすぎるのも良くありません。様子を見ながら何か所か深くあけましょう。
適度に水や空気がしみこむ穴が出来たら、新しい「培養土」と「土のリサイクル材」を上からまきます。「土のリサイクル材」は、微生物の力による土壌改良剤です。古い土の再利用に使うものですが、そのまま土に蒔くだけでも効果があります。土に穴をあけておけば土の深いところに届くのも早いでしょう。水をたっぷり与えてたら後は微生物のお仕事♪です。


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ベルフラワーの株分け
6年目の10月、株は元気なのですが、土の状態をみたいので半分に株分けすることにしました。
何年も植え替えしていないので、すごいことになっています。茶色く立ち上がった茎は、地下茎なのでしょうか、茎が木質化したのでしょうか。茶色い茎部分が5~6cmあります。

横からでた株は、かわいそうですがサヨナラです。


株を取り出します。


小分けにして、新しい鉢、新しい土に植え替えます。
茶色い茎の部分が折れやすく、一本一本が崩れやすいので、あまり小さく分けると植えにくいと思います。

残りを新しい培養土で元のカゴに植え戻しました。ちょっと植え方にムラができちゃいましたね。増えたら目立たないだろうと思ってましたが、ムラがなくなるまで2年かかったので、やはり均等に植える方がいいと思いました。
2年経った今は完全復活です。

密度ぎっしりまでには、まだ余裕があるので、株分けせずにあと2~3年はこのままで大丈夫そうです。それまで古い土の改良や栄養分の補給でやり過ごそうと思います。

開花したらこんな感じです。
コメント
肝心なところが細部までわかりやすい!
ありがたやー!
ありがとうございます!
お役に立てたようでうれしいです。
ありがとうございます。
苗を入手しようか迷っていますが、育て方が良くわかり、とても参考になります。
そこでお尋ねします。
ハダニなどの防除あるいは駆除はどうなさっていますか?
ぜひお教えくだされば幸いです。
カナモリ様、
こんにちは。ブログを読んでいただきありがとうございます。
ハダニについてですね。
まず、我が家のベルフラワーですが、ハダニが発生して困った記憶がありません。
実は、我が家のベランダの主な害虫被害は、カイガラムシが主で、アブラムシとハダニはほとんどないのです。
害虫も常在するのに勢力争いがあるのでしょうかね。
ただ、ハダニに関しても全くないということもありませんので、ベルフラワーの日常管理に、害虫対策を加味してお話ししたいと思います。
まず、ハダニなど害虫を発生させないことが大事ですね。ハダニを予防するには、葉水が有効です。ベルフラワーは、花にじょうろで上から水をかけるとへしゃげてしまいますが、じょうろのハス口を取って、葉の中に先を突っ込んで水やりしたり、霧吹きで葉の両面に水をかけてやると予防になります。風通しよくすることも大切です。花の季節以外は、普通にじょうろで上から水をかけています。
ベルフラワーは、乾燥気味を好みます。水やりの頻度などは育てている環境によっても違ってきますので、水やりや葉水は、植物の様子を見ながら、丁度よい頻度や程度を探っていくといいですね。
また、肥料ですが、窒素過多になるとハダニが発生しやすいと言いますね。ベルフラワーは、あまり肥料は必要ないかと思います。花の時期前後くらいですね。肥料のあげすぎも注意ですね。
あと予防では、オルトランDX顆粒を土に散布しています。オルトランは、根から有効成分が吸収され、植物の汁を吸う害虫にも有効です。2~3か月効果が続きます。ただ、既に発生しているものを駆除するには、あまり有効性を感じたことはありません。毎年発生することが分かっている植物に、発生繁殖時期の前に散布します。
発生した後に使用するのは、我が家では、ベニカXファインスプレーです。スプレー式で被害のある部分に直接噴霧出来るので便利です。ただし、何回使うと害虫に耐性が出来て効かなくなる可能性があるので、我が家では、1年に2~3回の使用頻度にしています。よく効きますし、1,2回のスプレーで良くなっています。よくなったからと放置すれば、また繁殖しますので、オルトランとの併用や葉水を心掛けます。
農薬には何回までという使用制限がありますが、食用などの場合、植物に残留する危険性があり薬害を避けるためのものです。野菜など同じ土壌で作っていたりしていなければ、それほど神経質にならなくていいとは思いますが、観賞用の植物でも薬害があったり、環境への影響や、先ほど書いた耐性の問題から使用回数が少ないに越したことはありません。
オルトランDXとベニカXファインスプレーの併用について、オルトランDXの有効成分はアセフェート、クロチアニジンです。ベニカXファインスプレーは、クロチアニジン、フェンプロパトリン、メパニピリムです。
クロチアニジンは、年4回の使用とされていますので、併用する場合は、2回使用したことになります。
ただ、オルトランDXとベニカXファインスプレーもいろいろな菌・害虫に効果的ですが、なかなか収まらずお困りの場合は、ハダニ対策を目的にした農薬を試すのがいいのではないでしょうか?
それで収まらない場合は、有効成分の重ならない薬をローテーションしたりといった方法などもあります。
ベルフラワーは、風通しや水はけを良くしておけば、放置気味でも増えていきます。暑い季節には、遮光するか木漏れ日が当たるようなところで管理するといいですね。
参考になるかわかりませんが、殺虫殺菌剤についてまとめた記事がこちら(https://conophy.com/?eid=5116)にありますので、よろしければ見てください。
すごい!知識をとてもお持ちで感服しております。
我が家の庭は例年ハダニが発生していて、防ぐためにどこまでお教えを実践できるか分かりませんが、お迎えして育ててみます。
とてもたくさんのヒントをくださり、本当にありがとうございます。
このサイトは、ホーム画面にアイコンを置いていつでも見られるようにします。
重ねて御礼申し上げます。
カナモリ様、
お役に立てたようでうれしいです。
害虫は本当に悩ましいですよね。
ベルフラワーは、一輪でも可愛いですが、まとまって咲くととてもきれいです。うまくいきますようお祈りしています。