ビカクシダは、ガーデニングショップでも見かけますが、やはりかなり種類が限定されるので、栽培したい種類を購入するには、通販が便利です。ビカクシダを通販で購入する際の注意点や、リドレイを着生(板付け)したときの初心者視点での注意点をまとめてみました。
スパーバムを半年育てているうちに、ビカクシダの魅力にすっかりはまってしまいました。そういう方が多いのもよ~くわかりました。ビカクシダにとっては生長期といえど真夏は暑すぎるので、もう少し季節が穏やかになってからと思ったのですが、ついついリドレイを購入。そして、ついついアルシコルネ・マダガスカルも通販で購入してしまいました。
リドレイは鉢植えからバージンコルクの板に自分で板付けし、アルシコルネは鉢植え姿が気に入っての購入だったのでそのまま鉢植えで来年の春まで育てようと思っています。(アルシコルネ・マダガスカルについてはこちらの記事を見てください。)
〔2019/05/26〕
リドレイを板付けしてから後の記事はこちらにあります。よろしかったら見てください。
通販でリドレイを購入するときの注意点
ビフルカツムやグランデなどは、ガーデニングショップに置いているのを割に見かけますが、リドレイなどを取り扱っている店はかなり限定されます。また、葉の伸び方など好みの株を見つけるとなるとやはり通販が便利です。なので、うちでは通販を使って購入しました。その際の気を付けた方が良い点は次の2点です。
現物の写真を見て購入、撮影日の確認も重要
貯水葉や胞子葉の形、葉の伸び方や大きさなど、購入後に後悔しないように、個々の現物の写真を載せて販売しているところをお勧めします。リドレイにも1株1株それぞれ個性があるので出来るだけ現物を確認して購入した方が良いです。また、販売サイトの写真は撮った時からすでに生長している場合もあるので、いつ撮影された写真かわからない場合は、販売元に問い合わせて最新の写真を送ってもらいましょう。そういう対応をしていただける販売元は信用できますよね。
板に着生させるように板付けするのは意外と簡単
リドレイを吊って飾りたい、という方は多いと思います。既に専門の方が板に着生させているものを購入すると完成形なので安心なのですが、たまたま鉢植えのもので姿が気に入ったものを見つけたとしたらそれを自分で板に着生させるのもいいですよ。うちでもやってみましたが、リドレイを板に着生させるのはそんなに難しい作業ではありませんでした。板付けのやり方については「バージンコルクへの板付け手順」を見てください。手順は難しくありません。ですので、鉢植えでも大きさや形が気に入ったのであれば、それを購入した方がよいです。
ただ、鉢植えを購入して好みの板に着生させる場合は、板や水苔など別に購入しなければならないので、総合的に金額面ではお得になるかどうかは微妙なところです。
板付けする素材を選ぶ
リドレイなどのビカクシダを着生させる素材には、ヘゴ板や焼き板やバージンコルクが一般的です。それぞれ以下のような特徴があります。
ヘゴ板
ヘゴ板は着生素材として通気性と吸水性では一番です。欠点は、ボロボロと崩れやすいのと、根がヘゴ板の中に伸びてしまうことがあり、ヘゴ板を交換する時に手がかかります。
焼き杉板
焼き杉板は一番安価で耐久性が高い着生素材です。加工しやすく防虫、防腐効果があり一番使われている素材だと思います。根が絡みにくいためビカクシダをしっかり縛り付ける必要があります。
バージンコルク
バージンコルクは軽くて腐りにくく、虫も付きにくいうえに皮の表面に凹凸が多いので根が回りやすいです。
うちでは、見た目のワイルドさからバージンコルクを着生素材として選びました。
着生素材にバージンコルクの選んだときの注意点
バージンコルクには、コルク特有の特徴がありますので、次の3つの点に注意してください。
柔らかい
麻ひもなどでリドレイを板付けする際、少しきつめに縛り付けましょう。バージンコルクは物にもよりますが湾曲しているものが多いです。板そのものがたわむため、少しきつめに縛り付けないと、たわみによって縛りが緩くなり板付けした位置がずれる可能性があります。板の湾曲具合などを確認して縛る強さを調整してください。
吸水性が悪い
コルクは防水性が高く、素材としては吸水性はほとんど期待できません。そのため腐りにくいというメリットがあるのですが、板そのものから水分を根に補給できません。コルクの皮の溝に沿って根の周囲に水分を補給することになります。ですので、皮の溝から水分を補給しやすいように水苔を詰め、根周りに水分が届くようにします。また、心配であれば裏からドリルなどで何か所かに穴をあけて、水を通しやすくするのがよいです。
自然な形でカットする
リドレイの大きさにぴったり合ったサイズのバージンコルクが入手できない場合でも、大きめのものを購入して自分でカットすることができます。バージンコルクそのものは柔らかい素材なので、カッターでも比較的簡単に切ることができます。ですが、直線的に切ってしまうと自然のワイルドさがでません。そんな時は皮の凹みに合わせてドリルで2,3㎝おきに穴をあけ、マイナスドライバーなどを使いながら切れ目を入れて折るようにすると自然な感じでカットできます。
うちではこの方法で、リドレイの株の大きさに合わせてバージンコルクのサイズを調整しました。具体的なやり方は、「バージンコルクの自然な切り方」を見てください。
板付け時の注意点
リドレイ(ビカクシダ)を板付けするときには次の2つの点に注意してください。
過湿に要注意
うちは鉢植えに使われていた用土(ベラボン)を出来るだけ再利用する形で板付けしました。その際、ベラボンが崩れて落ちないように、貯水葉とベラボンの隙間によくしぼった水苔を入れました。ですが、翌日には貯水葉の一部が黒ずみだしてしまいました。黒ずみの原因は、貯水葉に少し傷を付けてしまったことと、過湿になり過ぎたためにそこから腐ってしまったようです。すぐに隙間に入れた水苔の大部分を取り除きました。取り除いたことで黒ずみの進行は食い止めることが出来ました。リドレイに傷を付けないように丁寧に作業することと、やはり過湿には気を付けないとだめですね。
株の上下に注意。芽が上部にくるように配置する
鉢植えのリドレイを板付けするときは株の上下に注意しましょう。
鉢植えで株を購入した場合、胞子葉が上を向いているので、板付けするときに株の上下がわかりにくいです。見極めのポイントは、葉の出てくる芽(生長点)の位置が胞子葉の根元より上になるように配置することです。自生しているビカクシダは生長点の下から胞子葉が出ています。文章だけでわかりにくい場合は「新しい葉の芽生え」を見てください。いずれにせよ、なんとなく上下を決めないできちんと上下を合わせることが大切です。
うちでも貯水葉の形から勝手に上下を判断して一度板付けしました。ですが2,3日してから胞子葉の向きが少し不自然な気がして色々と調べてみたところ、上下逆になっていることに気づき、板付けしなおしました。
バージンコルクの自然な切り方
うちでは、バージンコルクが近くのガーデニングショップになかったため、通販で探して購入しました。
バージンコルク フラット1個 大(サイズ・形のバラつきあります) 価格:3801円 |
良いサイズがないので大きめのバージンコルクを購入
通販サイトで見ると、どんな大きさ(正方形?長方形?)のものが届くのかよくわからなかったのと、表面が着生しやすそうなものかわからなかっため、少し大きめのものを購入し、リドレイのサイズに合わせてカットすればよいと思いました。幸いバージンコルクは柔らかいので、大きめのものは自分でサイズの調整が可能です。
バージンコルクをカットして適当なサイズに
購入したバージンコルクはリドレイに比べて大分幅が広いので、端の丸まっている方をカットします。ですが、カッターで直線的に切ってしまうと、せっかくのワイルドさが減ってしまいます。コルクの端の切断部分を見てみると表皮の凹みに合わせて何か所かドリルで穴をあけ、割るように切り離しているのがわかりました。
単に割るだけなら力任せでも良いかもしれませんが、予想外のところで割れるのは避けたいところです。そこで、同じように電動ドリルを使い、2.5㎜のドリルを使って表皮の凹みに合わせて2,3㎝間隔で穴をあけます。
なかなか切り離せないところは、キリや細いマイナスドライバーを使って穴をあけながら作業すると簡単です。
あまり力をかけずに折るように切り離します。そうすると、ワイルドさが残った自然な形で切り離せます。
通気用に穴開け
コルクは水や空気を通さないため、着生させた後に板の裏側からも水や空気が通るように、5か所ほど直径5㎜の穴をあけました。根の周りが過湿になったときは湿気抜きとして、また、板ごと水に浸けて水やりするときの水の補給口&水切りとしてうまく働いてくれると思います。
バージンコルクへの板付け手順
うちでリドレイを板付けした手順もご紹介しておきます。
用意するもの
用意するものは以下の通りです。
- リドレイ
- バージンコルク板
- 水に浸けた水苔
- 麻ひも
リドレイの鉢にはベラボンが用土として使われていたので、それも使います。
凹みの深いところに丁寧に水苔を詰める
バージンコルクの表皮は大分凸凹しています。表皮の溝から水分が補給しやすいように水苔を凹みの深いところに丁寧に押し込みます。
リドレイの株の大きさに合わせて、もう少し水苔を敷き詰めます。
鉢植えに使われていたベラボンも使う
貯水葉に囲まれたリドレイの根元には鉢植えのベラボンがしっかりと詰まっていたので、株の大きさに合わせて崩しすぎない程度に取り除き、水苔の上にも薄く敷き詰めます。貯水葉の中の盛り上げはお好みのかさ高で調節します。
そこにリドレイを置き、位置を調整します。
麻ひもで留める
位置が決まったら麻ひもでリドレイを固定します。バージンコルク板が少したわむので、それを考慮して少しだけきつめに麻ひもをかけて固定しました。麻ひもはヨリのしっかりしたものを選ぶと耐久性が高いですよ。
板付けした時点では麻ひもで固定しましたが、1か月後にワイヤーで留め直しました。理由は麻ひもがコルク板の縁から見えるのが気になったからです。リドレイの貯水葉の周りにコルク板に穴をあけ、ワイヤーで固定しました。その様子はブログの最後に書いてありますので、そちらもご覧ください。
ベラボンがこぼれないように水苔でガード
バージンコルクを吊った時、貯水葉とバージンコルクのすきまからベラボンがこぼれてこないように水苔をベラボンの周りに押し込みました。
元肥:マグァンプK(中粒)を入れる
作業している今(8月)は生長期なので、ベラボンとバージンコルクの凹みに入れた水苔の間に、念のため元肥としてマグァンプKを少し入れ込みました。水やりしたときに少しづつ溶けるように、上側に少しだけ入れてみました。
仕上がり
仕上がりはこんな感じです。
その後の管理(夏)
その後は、明るい日陰においています。午前中の日差しが強くない時間帯(10時くらいまでかな)は、様子を見て陽に当てています。特に今は8月なので直射日光が当たって葉が焼けないように注意しています。
また、貯水葉とコルク板の間が空いているので、貯水葉全周の水苔の湿り具合や水苔を少しめくって内部の湿り具合をチェックしています。水苔は乾き過ぎると水の吸収が悪くなるので、乾燥しすぎないように、かと言って過湿にならないように水やりを気を付けています。水やりの時間帯は朝夕です。昼間の暑い時間帯は厳禁です。水苔の乾き具合を見て、じょうろのシャワーで芽付近と貯水葉の中に水がいきわたるようにかけています。
吊り下げ用の仕掛け
バージンコルクに穴をあけることも考えたのですが、ひとまずバージンコルクにタッピングネジを挿し、細いワイヤーでフックにかけられるようにしてみました。
こうしておけば将来的に壁に掛けることもできますし、天井から吊るすこともできます。
曇りの日にベランダの格子にかけてみました。(逆光ですが)
新しい葉の芽生え
板付け作業から20日で新しい貯水葉が出てきました。
麻ひもからワイヤーで留め直し
新しい貯水葉は大きく生長し、1ヶ月でちょうど盛った部分を覆い隠す大きさになりました。、しかし、コルク板ごとぐるぐる巻きにした麻ひもは隠れずけっこう見苦しいかも…。というわけで、コルク板に穴をあけワイヤー4本でリドレイを固定することにしました。せっかく生長した貯水葉出来るだけ傷つけたくはなかったのですが、やっぱり少々破れたり傷が出来てしまいました。しかし、貯水葉はまたいずれ出てくるものだし今のうちに多少手間でもやってしまえ!ということで次の写真のようになりました。
100均で購入したワイヤーですが、細くてビニールで被膜してあるので、水にも強いし作業はしやすかったです。新しい貯水葉は写真の右側の葉ですが、少しめくったりして裏にワイヤーを通したので、葉の縁が多少傷つきました。見えませんが右の貯水葉の下にも同様にワイヤーが通っています。割にきちっと固定され、麻ひもでコルク板ぐるぐる巻きよりもたわみもないです。あとはワイヤーの劣化が着生するまでもってくれればいいんですけどね。
左側にまた新しい貯水葉が出てきています。
リドレイに胞子ができた
9月頃からリドレイの胞子葉の丸い葉の部分が茶色くなってきて、胞子が出来ました。茶色くなってから胞子が落ちるまで、1ヶ月強かかりました。胞子は塊でごそっと落ちます。
上の写真、胞子が少し落ちた状態です。胞子はふんわりモフモフしてます。不思議な手触りでした。
気温が15℃下回ると室内で育てる
10月の中旬から長雨が続いたり、台風到来など、気温も低いのに荒れた天候が続きます。
最近は、リドレイを含め熱帯植物たちは、室内に取り込んでいる日が続いています。それでも晴れて気温が20℃くらい上昇する日は、屋外に出し陽に当てています。水やりは、温かく晴れた日の朝のみで、雨で気温の低い日は控えています。
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