
ビカクシダは生長点がひとつの場合が多いですが、2つ以上ある場合もあります。我が家のコロナリウム フィリピネス ドワーフ〔coronarium Philippiness Dwarf〕やウィリンキ―・ジェイドガール胞子培養株〔P.willinckii ‘Jade Girl’ sporeling〕は、成長点が2つ以上あり、貯水葉が同時に展開しました。
我が家は、数年前から現在8種のビカクシダを育てています。素人栽培ですが、分頭の様子や対処後の生長などをご紹介します。
分頭か、個体〔子株〕が近接しているのか?
分頭と子株の違い
ビカクシダの作りは、他のシダ類と同じく、這う様に伸びる茎(根茎)から直接貯水葉と胞子葉が出ます。根も茎から出ています。生長点が動くと言いますが、茎少し伸びて次の葉が出るので生長点が動くように見えます。
茎は一本の場合は、成長点は一つですが、枝分かれすると複数の生長点ができます。根の先端に子株(POP)ができるのと異なり、枝分かれで複数になるのを分頭と呼んでいると思います。要するに脇芽ですね。コロナリウムやウィリンキ―は、わりと分頭するビカクシダのようですね。枝分かれなので成長点が近接してます。当然ながら遺伝子は、分頭も子株も同一です。
分頭した場合どうする?
片方潰してしまうか、このまま育てるかですね。生長期でない時期の株分けは両方の株を弱らせる可能性があります。また近接しすぎている場合は、切り分けるのも難しいですよね。どちらかが小さく片方の貯水葉に飲み込まれそうな場合は、育ちが悪い方を潰してしまう方法があります。
分頭している場合、片方を潰してしまったほうが、もう片方の生長にはいいと思います。どんな植物でも、脇芽が多いとその分エネルギーも分散されので、頂芽一本に集中させたほうが効率がいいですから。
我が家では、両芽の貯水葉がぶつかるケースでは、全体の形が整う方を優先させましたが、潰さず残しています。今後どうなるか見てみたいと思います。
下に分頭したときの様子を紹介します。
コロナリウム フィリピネス ドワーフ 〔Platycerium coronarium Philippiness Dwarf〕 の場合



我が家のは、2つとも貯水葉が背中合わせになってせめぎ合っている状態でしたが、今は、上の株の貯水葉が下の貯水葉を包み込んだ状態で、更にもう1枚貯水葉が出てきました。これからどうするのか様子をみます。そのうちそれぞれ茎が伸び、成長点か離れていって、それぞれの根もしっかり出たら分けたいなと思っています。

その後、下の芽から新しい貯水葉が出てきて、下の芽の方が形も整っていることから、下の株を優先させることにしました。それで上の株の羽交い絞めを解いてやりました。
2022年5月
解き放たれた下の株は、それから何枚か左右に貯水葉が展開し、下の写真のように見た目整いつつあります。

上の芽はどうなったかというと…

その後も同じ方向に2枚貯水葉を展開し勢力挽回しようと頑張ったのですが、押しやられしまいました。でも胞子葉だしてます。虎視眈々と機会を狙っているようですね。
まあ、このまま上の芽は枯れてしまうか、どこかで思わぬ展開があるのか、もうしばらく観察したいと思います。
ウィリンキー・ジェイドガールの胞子培養株〔P.willinckii ‘Jade Girl’ sporeling〕

しばらくして頂芽〔先端の成長点の大きい芽〕の他、脇芽が2つ出てきました。下の写真の○が最も大きい生長点、矢印が脇芽です。しばらく様子をみることにしました。


その後、株の向かって右側の脇芽は、貯水葉が出る前に頂芽の貯水葉が展開したので、そのまま脇芽に覆いかぶさりました。
向かって右側の貯水葉が展開すると次は左側ですね。頂芽の貯水葉が左側に展開する頃には、脇芽の貯水葉も育ってしまい、頂芽と脇芽の貯水葉がぶつかって拮抗状態になりました。

かたちが崩れてしまうので、脇芽の貯水葉を切り取って、頂芽の生長を優先させました。

頂芽の貯水葉はこのまま展開して、脇芽に覆いかぶさりました。脇芽は摘芯はしていないので、そのうち思わぬところから出てくるか、このまま衰えるかですね。
春先から貯水葉のターンで、現在向かって左側に4枚目の貯水葉展開中です。前回はミズゴケに引っかかり丸まってきれいに展開しなかったのでミズゴケを盛り直しました。

脇芽は、貯水葉がかぶさり見えなくなっています。このまま脇芽は枯れていくのか、今後思わぬ展開むを見せるのか、しばらく様子見です。
我が家では、8種類のビカクシダを育てています。育て方などの記事も書いているのでよかったら見てください。
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