LED育成ライトを使ったハオルチアの室内管理

ハオルチアは、耐陰性があるので、通年室内で育てることが可能な多肉植物です。我が家では、春秋の気候が穏やかな時期は屋外で育て、夏・冬の気温がハオルチアの生育に適さないシーズンのみ室内で管理しています。この夏は早くから猛暑だったことから7月初旬から、室内でハオルチアを管理していました。そろそろ2か月になります。

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト

とはいっても、照明なしの室内管理では日照不足による徒長や株が弱らないか心配ですよね。特に夏期など日光が室内に差し込まない時期や、日当たりの悪い部屋では、植物育成ライトを使うと安心です。年々植物育成ライトもリーズナブルかつ性能の良いものが出ています。この夏、室内の窓際で下の写真の植物育成ライトで2か月程度室内管理しましたが、照度や照射範囲など、比較的良好でしたのでレビューします。

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト

冬に関しては、こちらに記事がございますので、ご興味がございましたらご覧ください。

屋外での夏越しは難しい?

最高気温が35℃の日を猛暑日と言いますね。年々激化する夏の暑さ。最高気温が36℃を超えることも珍しくなくなりました。地域によっては40℃前後が記録されていますよね。そうなってくると多肉植物にとっても命にかかわる危ない気温になってきます。

それに直射日光が当たる場所では土の中はもっと上がっています。ですので、土の中の温度上昇率を上げないためにも、ハオルチアは直射日光に当てず、遮光ネットなど使った明るい日陰などで管理する必要があります。水を控え、風通しのいい場所であれば、屋外での夏越しは可能ですが、状況により直射日光に当たらずとも葉が萎縮したり下葉が枯れやすくなります。

また、ゲリラ豪雨などの突発的な暴風雨が頻繁に起きるなど天気が急変すると、屋外では対応が大変です。激しい雨に曝させると気温の高い季節では簡単に根ぐされを起こします。ですので、雨ざらしにならないよう、雨除けなどの対応が必要です。

我が家では、屋外管理の多肉植物は、65%遮光ネット下で風通しよく管理していますが、突然の雨に備えて、ビニールシートで棚を覆い対応しています。ただ、鉢数が多くなり棚のキャパを超えてきたのと、ゲリラ豪雨にいつも対応するのは不可なため、ハオルチアの多くを室内管理に切り替えました。とはいっても、ロゼアやレイトニーといった強い品種は、外で頑張ってもらっています。もちろん雨がかかりにくい場所です。

この夏もその状態で無事夏越ししました。もちろんツヤツヤプルプルといった状態ではありませんが…。

室内夏越しに照明は必要か?

夏って室内も暑いですよね。我が家では冷房で室温27~28℃設定にしています。実際、室内温度計も27.5℃前後を保っています。夜23時から朝の冷房を切っていますが、朝も28℃くらいです。ハオルチアの生育に適した温度は、15~25℃くらい。30℃を超えると生育が鈍ってきます。ですので、冷房をかけた夏の室内は、生育はするけどそれほど活発に育たない気温です。

また、夏は太陽高度が高いため、室内は光が入らず、窓際でも思った以上に暗いです(天窓などの例外は除きます)。前述したように気温も高めで生育も活発でないため、照明が無くても水をそこそこ切って置いておけば、1ヵ月くらいは徒長せずにやり過ごすことができます。過去そうして夏越ししたことがありますが大丈夫でした。

ですが、年々猛暑の期間が長くなっています。また、9~10月も台風が多い時期ですので、2~3か月くらいは室内で管理したい。となると、やはり照明が必要かなと思います。また、つるピカのプリプリ状態を維持しようと思ったら、やはり照明があると安心です。

室内で育てるメリット

やはり、夏や冬などの生育適正温度以外の時期であっても、コンディションの良い状態を保つことができるというのが大きいですね。それに急な天候変化も関係ありません。

また、屋外では、どうしても紫外線の影響などで、葉の色が濁ってきますので、鮮やかな葉色を保つのが難しいです。うまく遮光しないと窓の透明度も今一つだったりもします。

そういうこともあって、美しい葉色と透明度という点では、室内のLED植物育成ライト下で育てたほうが、温度や照度などコントロールしやすく美しく育つ場合も多いのではないでしょうか。

例えば、レツーサ系交配種の’ミルキーウェイ’ですが、我が家は、屋外で管理するよりも、LED植物育成ライトで室内管理したほうが、葉焼けもせず、色も濁らず、ふっくらと美しい状態を維持できています。’ミルキーウェイ’は白色の糊斑〔琥珀斑〕です。育てやすいですが、照度が足りないと斑の部分もみどりっぽくなり、陽射しが強いと葉緑素のある部分が茶色いくなったりして、屋外では丁度よい遮光が難しく夏期にダメージを受けがちです。ハオルチアは育ちの遅い植物ですよね。葉焼けや葉の萎縮などは、回復することはないので、しばらく見た目に残ることになります。また、夏は水やりを控えるので葉が痩せます。

‘ミルキーウェイ’ 屋外管理でダメージを受けた場合

それに比べて、室内管理は、簡単に美しさを保てますね。

‘ミルキーウェイ’ LED植物育成ライト 約10,000 lux 下

尚、葉の萎縮は、生長点で葉が出るときに生長が阻害されることで起こるんだと思います。激しい直射日光や高温だけが原因ではありません。ハダニ・カイガラムシなど、いろいろな原因が考えられると思います。

室内で育てるデメリット

やはり、鉢数が多ければ、すべての鉢の適切な光量を与えようとすると、LED照明の数も多くなるし、設備や電気代などコストがかかります。我が家は素人の趣味レベルですので、やはりコストは最低限にしたいですね。光量が足りない部分は、徒長する可能性もあるので、理想的に設備を整える設備投資を考えると、通年室内管理するのは、我が家では難しいなと思います。また、LED照明は、日光フルスペクトルに近づくように作られていますが、日光ではありません。屋外では、有害な波長や害虫・菌などの刺激への抵抗力が付きますが、通年通して室内で育てると、株が弱くなる可能性があります。ですので、夏冬の外で育てるのにリスクがある数か月だけ、照明を使った室内管理に切り替え、春秋の外気温が適切な生育温度の時期は屋外で育てることにしています。なんたって日光はタダですから♫

植物育成ライトを使った室内管理

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト

植物育成ライトは、通常の室内灯と異なり、日光スペクトルに近くなっています。ですので、やはり、植物育成用のライトを入手するのがいいと思います。

上の画像で、4本のライトを使っていますが、棚の手前下の紫っぽい色のライトは、旧モデルです。残りの3本は、新モデルで、今年新たに購入したものです。旧モデルは青色光とUV(紫外線)のLEDも付いていました。

我が家での照度の目安ですが、ざっくりと大部分のハオルチアへの照度の目安を5,000~11,000 lux程度にしています。窓が大きいものや広いもの、レース系のように葉が細くノギや鋸歯が多くついて長いものは、この範囲の低めの方に寄せています。

ハオルチアの照度について、詳しい記事がございますので、ご興味があれば、こちらの記事をご覧ください。ハオルチアの育て方/照度計を使って管理する

この照度の範囲を叶えるライトを選べばいいということですね。鉢の数が多い場合は、LEDの数が多く面状にLEDが配置されている照射範囲が広いものがいいと思います。

製品レビュー

我が家が使っているライトは、Amazonで購入した「JCBritw 100W 植物育成ライト スタンド付き LED 白いフルスペクトルLED植物ライト」です。50W・100W・200Wがあります。LEDが付いている板の形状・大きさや照度で選びますが、100Wのものが、形状・大きさ・必要な照度の点で一番、我が家の使い方に合っているので選びました。100Wですが、消費電力は30W±2Wです

JCBritw 100W 植物育成ライト スタンド付き LED 白いフルスペクトルLED植物ライト 室内栽培 苗木栽培 顕花植物栽培向け水耕栽培ランプ 植物栽培工場 温室/園芸に適用

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スタンドハンギング用のフック付きワイヤー4本とが付属していますので、置いても吊り下げても使えます。スタンドは照明の高さを変えられるので、照度の調整に便利です。

ただ、商品スペックについて、実際のものと異なることはよくありますし、個体差もあるかと思います。

照明部位は、長さ660㎜×幅100㎜で高さが10~20インチに可変できると商品説明に記載があります。しかしながら、実物を計測したら、長さと幅はスペック通りですが、高さの可変範囲は240㎜~410㎜でした高さは商品説明と結構違いますのでご注意ください。照度と照射範囲は、高さを可変させることで調節します。照射距離を縮めると照度はあがりますが、照射範囲も狭くなります。

スイッチは、電源のON/OFF機能のみの至ってシンプルな作りです。前モデルや他商品ではタイマー付きのものや明るさ調節が出来るようになっているものもあります。

この手の安価商品は、タイマーが狂うことも多いですし、実際使用すると、明るさの調節などほとんどせずフルで使うと思います。タイマーを使いたい場合は、信頼できる専用のタイマーを別に購入するのがおすすめです。

【製品と組み立て】

LED植物育成ライト
箱を開けたところ
LED植物育成ライト 説明書
説明書付いていますが、Amazonの商品ページの方が詳しいです。
LED植物育成ライト
上部の袋2つがハンギング用ワイヤー
LED植物育成ライト 組み立て
スタンドの組み立て完成

中央の金属板で左右のLED板部を白いネジ4本で固定しますが、金属板とLED板部の穴を重ねても、穴の位置が微妙に合いません。何度も組み立てをする場合、ネジ山がつぶれてしまいそうなので、金ヤスリで穴を削りました。新しい製品3本購入して、全部合わず、穴を削りました。

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト
使用時の姿

LED板部分は端の方が重みで下がります。見た目バシッと水平を保ってほしいところですが、簡単な作りのため仕方ありません。

【LED】

照明は、長さ660㎜×幅100㎜ですが、中央部分はLED板を接続する金属板ですので、LEDが付いている部分は、左右の長さ300㎜×幅100㎜です。

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト
LED部分

白色光が120(片側60)ピース、赤色光が28(片側14)ピース、IR(赤外線)が2(片側1)ピースついています。ちなみに両側の中央部分にライトが一つ抜けているように見える部分がIR(赤外線)です。

商品説明によるとライトの照射角度(光の広がり)は各々60°です。ですので照射距離が長くなるほど照度は低くなりますが均一になり、照射範囲は広くなります。

【スタンド脚部】

LED植物生育ライト 脚部

スタンドの脚部分は、フラットの板状なので、近くまで鉢を置くことができます。

実測照度

商品の照度などは、説明とは違ってくるケースが多いので、我が家が使っている状態で実測してみました。鉢は、プレステラ90(80㎜×80㎜角)を使っています。

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ハオルチアの生育に必要な照度を得られるLEDとの距離や鉢数を探って、レイアウトしてみました。

尚、わずかな上下や前後左右で照度計の数値が変わるので、測定値はおおよそのざっくりしたものと考えてくださいね。±1,000 lux くらいは誤差があると考えてください。だいたい、各々の鉢の中心あたりで計測しています。

また、照度(lux)は、下記画像の照度計の数値×10です。

下の実測でもわかるように、照明範囲の照度は均一ではなく、左右のLED位置の中央当たりが一番照度が高く、端に行くほど照度が低くなります。

8,000~10,000 luxの照度が必要な場合のレイアウト

片側2行×4列のレイアウト:16鉢

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト

このレイアウトは、LED板の範囲に鉢がほぼ入るようにレイアウトしています。LEDとハオルチアの距離は13~14㎝です。照度実測すると次の通り。8,000~10,000 luxの照度が得られます。もう少し高め、低めなど照度の調節は、LED板の高さを上下させることで好みの照度に簡単に合わせられます。

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
805×10=8,050 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
953×10=9,530 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
1,022×10=10,220 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
828×10=8,280 lux

このレイアウトなら、オブツーサなどを年中室内で管理することも可能だと思います。

5,000~12,000 luxの照度で、出来るだけ鉢を置くレイアウト

実際には、こちらのレイアウトで置いています。

片側3行×4列と、中央に2鉢置くレイアウト:26鉢

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度

このレイアウトは、LED板の範囲に鉢が前後左右ともにはみ出しています。LEDの照射角度が60°なので鉢は照射範囲には入っています。LEDとハオルチアの距離は13~14㎝です。

LED板の真下中央の3鉢は10,000~12,000 luxでやや強めの位置です。端の方の鉢は、6,000~8,000 luxくらいで、少し暗めですが、ほぼどんなハオルチアを置いても徒長することもない状態です。4隅も5,000 lux台と、若干暗めですが、暗めを好むものを置くのにちょうどいい感じです。

【中央】中央3鉢は10,000~12,000 lux

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
10,780 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
11,840 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
11,200 lux

【端位置】6,000~8,000 luxぐらい。下記画像は7,000 lux代になっていますが、何回か測って、ちょっとズレると6,000 lux代の数値も出てました。

ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
7,850 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
7,490 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
7,750 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
7,840 lux
ハオルチア 室内管理 LED植物育成ライト 照度
7,970 lux

【角】隅っこ位置は、5,000 lux代…トロピカルナイトなどツヤピカの広い窓のもの

ハオルチア 室内管理  照度
5,830 lux

照射時間は、am7:00~PM4:00の9時間照射しています。水やりは一週間~10日に一度くらいのペースで、春秋の水やりペースとほぼかわりません。ただ、我が家では、生長期は鉢ごと水に浸ける方法で水やりすることが多いですが、夏期は、ディスペンサーで土に満遍なく水をかけ、鉢底から水が出てくるまで水やりしています。

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LEDの熱については、ハオルチアの先端からLED板まで13㎝~14㎝で使っていますが、LED板の真下あたりは、若干熱を感じますが、温度計でみれば1℃も変わらないため、今のところ問題はないと思っています。

LED板の中央以外は、やや照度低めかもしれませんが、ほぼどのハオルチアにも問題なく管理できています。葉焼けももちろんなく、窓にツヤがありコンディションはいいようです。徒長は起こっていません。屋外でも晴天ばかりでなく、曇天や雨天などありますし、照度が気になるようでしたら、中央と端の鉢を時々入れ替えたり、鉢を回したりすれば、十分使える照明だと思いました。

夏の間で室内でも気温高めですが、生長もしているようです。この夏の間にも子株も出てきたりしています。もともと生長がゆっくりな植物なので感想程度にお考えください。

気が付いたことと言えば、真上から照射しているので、葉が横に広がらず、若干立った草姿になるような気がします。

また、赤斑のものもほんのりと発色しています。我が家では、冬場は陽射しが室内に良く入るのでライトは使わず室内管理しています。窓で紫外線がカットされているので、斑の部分が色づくことはありませんが、このLEDライトでは、斑の部分がほんのり色づきます。


以上、いかがでしたでしょうか。我が家の方法についてのご紹介でしたが、安価ながら、照度の点では、背の低めの耐陰性のある観葉植物には適したライドだと思いました。またシンプルで使い勝手は良いように思います。

今週も台風がやってきそうです。もうしばらく、室内で育てるようかと思っています。

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