〔2022.06.11更新〕今年もキングスターが花盛りです。チェリープリンセスも入手し開花したので写真をアップしました。

タキタス・キングスターが満開になりました。タキタス・キングスターは、大きくて鮮やかな深紅の花が咲きます。花の径は4.5㎝あり、その美しさは多肉植物でも屈指ではないかと思います。もともとはタキタス属のベルスという一属一種の品種があります。ベルスは、メキシコの山岳地で発見されたということなので、ベルスの園芸種がキングスターということなのでしょうか。しかしながら、タキタス・ベルスとキングスターは、同じものとして流通しているようです。また、今ではタキタス属はなくなり、グラプトペタルム属に入っています。
購入していろいろ調べていたら、ベルスがベルムになっていたり、スーパースターやチェリープリンセスなど、別名なのに同じ品種なのでは?と思うものが出てきてややこしいので、自分なりにまとめてみました。

タキタス・ベルスとグラプトペタルム・ベルムは同じ
タキタス属には、ベルスの一属一種しかなく、タキタス・ベルス〔Tacitus bellus〕という名称でした。1972年にメキシコの山岳地で発見された原種です。後にグラプトペタルム属に入れられてからは、グラプトペタルム・ベルム〔Graptopetalum bellum〕という名称になりました。ですので、ネットではどちらの名も混在していますが、同じものと考えればいいんですね。もちろんタキタス・ベルムもグラプトペタルム・ベルスも同じものです。
タキタス・ベルスとキングスターは違う?
園芸品種として、タキタス・ベルスとタキタス・キングスターは、同じものを指すようです。タキタス・ベルス・キングスターやベルム・キングスターなど、色々な呼び方が存在しています。まあ、タキタス・キングスターもその中の一つなんですけどね。原種がどのようにブラッシュアップされ、キングスターになったかは定かではないです。

花弁の数は、ベルスと同じく基本は5枚ですが、キングスターは何らかの交配の影響なのか不安定で4枚になることもあるようです。

また、ネットなどをみてもタキタス・ベルスの名のもので、花弁が雌蕊よりも薄いものがあります。ということは、タキタス・ベルスとキングスターは、やはり遺伝的にはちょっと違うものなんでしょうね。
キングスターとスーパースターの違い
スーパースターは海外で作られた園芸種だそうです。日本ではキングスターという名で普及しているとか。どちらも、雌蕊と花弁が同一の濃い赤ですので、DNAのレベルではわかりませんが、キングスターとスーパースターは、ほぼ同じものと考えてよさそうです。
キングスターとチェリー・プリンセスの違い
とてもよく似た品種にチェリー・プリンセスがあります。こちらは、タキタス・ベルスとエケベリア・ラウイの交配種といわれています。

チェリー・プリンセスの花は、キングスターよりは薄めのピンクですが、鮮やかなピンク色です。写真は少し色が薄めに撮れていますが、実物はもう少し濃い印象です。また、キングスターの花弁の形はシャープですが、チェリープリンセスの花弁は丸みがあります。

チェリー・プリンセスの名前どおり、とても可愛らしい花ですね。チェリー・プリンセスの記事はこちらにあります。よろしかったら見てください。
花の色が微妙に違うタキタス・ベルスの交配種たち
タキタス・ベルスはもとは原種で、交配や選抜によって、園芸種としてのタキタス・ベルスやキングススター、チェリー・プリンセスなどがあるということですが、タキタス・ベルスの名でもわずかに花の色が違う場合もあるようです。原種のベルスと異種の交配や、実生の選抜によって、少しづつ違ってきているのかもしれませんね。
タキベリア属はタキタスとエケベリアの交配品種
余談ですが、前述したチェリー・プリンセスのように、タキタスとエケベリアの交配品種が、タキベリア属です。
例えば…
- タキベリア・チェリー・プリンセス
タキタス・ベルス × エケベリア・ラウイ - タキベリア・セブンスター
キングスター〔orスーパースター〕 × エケベリア・七福神 - タキベリア・ブルースカイ
タキタス × 七福神らしい?けど、不明
尚、チェリー・プリンセスは、グラプトペタルム属やグラプトベリア属の扱いになっているケースが多いです。タキタス属がなくなった時点で、タキベリア属は、グラプトベリア属になるべきなのでは?と思いますが、この辺は、我が家のような素人にはわかりません。しかしながら、もやっとします。
グラプトペタルム属との異種交配
今ではキングスターは、グラプトペタルム属になっています。グラプトペタルム属の良さといえば、強くて育てやすいところです。グラプトペタルム属は、エケベリアやセダムと近く、それらとの異種交配によって、互いの良さを持った優れた園芸種が生み出されています。
ついでに、簡単ですが書き出してみました。
グラプトベリア属
グラプトベリア属は、グラプトペタルム属×エケベリア属の交配種で、強さと美しさを兼ね備えています。白牡丹やデビーなどがポピュラーですね。
グラプトセダム属
グラプトセダム属は、グラプトペタルム属×セダム属の交配種で、グラプトペタルム属の強さと、セダムの繁殖力・生長スピードを持っています。例えば、シュウレイ、ブロンズ姫などがそうです。でも2種ともグラプトペタルム属に分類されていますよね。このへんもやはりもやっとするところです。
多肉植物は、ルーツを特定するのが難しい
いろいろ調べてみましたが、多肉植物は交雑種が多く、ルーツがよくわからないものが多いので、無理に分けてしまわず、そのまま受けとめておくことにしています。交配によって優れた園芸種も生み出されているわけですから。それでもやはり、時々???となってしまうので、もう少し整理されて統一していればわかりやすいのにな、とも思います。
キングスターは丈夫で育てやすい品種
1つの花の開いている期間が長く、10日前後開いていました。長く楽しめるのもいいですね。
グラプトペタルム属は、夏の高温多湿には要注意ですが、丈夫で育てやすい品種だと思います。日本ではちょうど梅雨時期に開花します。夏の水やりにだけ注意して、風通しのよいところで休眠させればいいのかなと思います。
花はとても美しいけれど、体は地味で、花期以外存在感がうすそうなキングスターですが、来年も美しい花を咲かせるために、一年間維持したいと思います。
開花の様子
〔2021年〕
つぼみが付いた状態で購入してからまだ日が浅いですが、記しておきます。

購入して、好みの鉢に植え替えたばかりです。土は『多肉・サボテン用の土』にマガァンプKを混ぜて使っています。鉢の大きさは4号鉢(径12㎝)です。

開花を予感する大きく膨らんで色づいたつぼみ。つぼみも造形的にとても美しいと思います。

花が開き始めました。

満開になりました。まだ、開いていないつぼみは8個あり、新しい花茎も一本出てきています。長く楽しめます。
〔2022年〕
今年も楽しめそうです。チェリープリンセスもかわいいですね。キングスターもチェリープリンセスも葉と花の色がよくマッチしてますね。

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