DIY 壁紙のペイント〔塗装〕/キッチンの壁・天井のリフォーム

壁紙ペイント キッチン 壁 天井

20年使ったキッチンの壁を一年前に白くペイントしました。使ったのは、壁紙の上から塗れる水性ペイントです。元の壁紙は、撥水性で油汚れも洗剤で容易に拭きとれるのでフィルムコートした壁紙のようですが、塗装することができました。一年経った今も剥がれたり変色することなく維持できています。塗装後も油汚れが洗剤で拭き取れます。

フィルムコートした壁紙に塗装する場合の注意や塗装のメリット・デメリットなど、経験を通してご紹介します。

尚、キッチンは、壁・天井の塗装だけでなく、床の貼り替えやキッチン扉や収納庫扉のリメイクをしました。写真の鯨のステッカーは、ダイノックシートを施工した吊戸棚から、塗装した梁の部分にまたがるように貼っています。猫もステッカーです。

壁紙ペイント キッチン 壁 天井
床・壁・天井・扉のリフォーム後

キッチン全体のリフォームについてはこちらに↓記事があります。よかったら見てください。

また、寝室の壁を多色の水性ペイントを使って仕上げたり、ステンシルを使って仕上げた記事がこちらに↓あります。

今の壁紙を剥してリフォームする?

今の壁紙を剥がして、塗装したり、壁紙を張替えたりするのは、ちょっとレベルが高い作業です。というのも壁紙を剥がすと、きれいに剥がれたところと剥がれず残ったところで凸凹が出きます。その凸凹は、上から壁紙を貼っても目立つので、下地を削ったりパテ埋めする作業が出てきます。これが結構めんどうくさいのです。我が家は、以前、業者さんに壁紙の張り替えをお願いしたことがありましたが、作業の様子を見ていて、壁紙を剥がしたあとの下地の調整が、かなり重要な作業工程だと思いました。

簡単、きれい、短時間という視点で見ると、壁紙を剥がさずにリフォームする方法がお手軽だと思いました。そんなこともあり、我が家は、壁紙の上から施工する方法を選びました。

塗装か、壁紙の上から貼るか

壁紙を塗装するか、上に壁紙を貼るかは、悩むところです。それぞれによい点がありますが、留意点もあります。日本で流通している壁紙のほとんどがビニール製です。一般的な壁紙の場合は、塗装でも、上から壁紙を貼るのもOKです。壁紙もビニールクロスの上に貼れる壁紙や、何回も貼って剥せる粘着シートなど、いろんなバリエーションがありますね。室内の壁の塗装は、ビニールクロスの上から塗れる水性ペイントが便利です。

壁紙等を上から貼る場合と比べて、塗装の良い点・留意点

塗装の良い点

  • 安価
    刷毛やローラーなど買い揃えても全体で考えれば壁紙より安価
  • 塗り直すことが後々も可能
    上から違う色が塗れる。汚れやシミがついても部分的に塗り直せる
  • 簡単で技術がいらない
    何回か塗り重ねれば、だれでも簡単にムラなく仕上げられる

塗装の留意点

  • 原状復帰ができない…水性ペイントは乾くまでは拭き取れますが、乾くと落ちなくなります。原状復帰が必要な場合は、貼って剥せる壁紙が便利です。
  • 塗装した面には、次回壁紙が貼れない…塗装面は、粘着剤や生糊などの接着が弱くなります。
  • 施工中、衣服や床など、まわりを汚しやすい
  • 大きな傷やへこみはカバーできない…壁の凹凸のある模様は、塗料を塗ってもそのまま出ます。なので、壁紙のつなぎ目や小さな傷は目立たないようにできますが、限界はあります。

機能性壁紙への施工

注意するのは、機能性壁紙への施工です。キッチンや水回りの防汚・撥水など機能性壁紙のお宅も多いかと思います。機能性壁紙もビニール製ですが、表面がフィルムコートされています。フィルムコートの上に新しい壁紙を貼ると、接着力が弱く剥がれる可能性が高いです。

ビニール製の壁紙の上から塗れる水性ペイントは水性なので、ペンキを水で薄めて使用することもできますが、我が家では水で薄めず数回塗り重ねることできれいに塗ることができました。

塗料を塗る前に下処理が必要なケースも

尚、直に塗料を塗って定着しなくても、下処理をすれば定着するケースもあります。例えば、壁紙の表面がつるっとしていると、乾燥後剥がれやすいので、サンドペーパーで表面を荒らしたり、シーラーを塗って密着を高めると塗れる場合もあります。また、油汚れやたばこのヤニなどが残っていたらうまく塗料がのらなかったり、その後の変色・シミの原因となるので、シーラーを塗っておくなどの下処理が必要な場合もあります。

フィルムコートの確認方法

  壁紙に霧吹きで水をかけて、水が玉になる場合や、洗剤などで油汚れをさっと落とせる場合は、フィルムコートされている可能性が高いです。

ビニール壁紙に塗れる水性ペイントとは

  • 取り扱いが簡単
    水に溶けるのが水性塗料です。なので水で薄めて使うことができます。しかし乾燥すればしっかり定着し、水でにじんだり落ちることはありません。また、作業中、誤って床をペンキで汚しても乾く前ならすぐに水でふき取ればきれいに取れますし、刷毛なども乾く前なら水洗いできます。いろいろ取り扱いが簡単なのが特徴です。
  • 安心
    油性ペンキのように揮発性の溶剤をほとんど含まないので引火性がなく安全です。また、シックハウス症候群や大気汚染の原因になる揮発性有機化合物が少ないので健康や環境にやさしい塗料です。
  • においが少ない
    水性ペンキは、においが少ないです。油性塗料のようにシンナーなどのにおいはありません。しかし、わずかに水性塗料自体のにおいはあります。塗って数時間はにおいが残りますが、気になるほどではありませんでした。24時間換気で翌朝には、まったくにおいは消えていました。

性能や色が期待通りか、サンプルで確認することが重要

必ずカラーサンプルを見て決めましょう。ホームセンターは実際に目で確認して購入できますが、取り扱うメーカーや種類・カラーが限られますよね。気に入った現物があればいいのですが。やはりネットの方が種類は豊富です。しかし画面では正確な色はわかりません。ネットで購入する場合は、気になった色のサンプルをまず取り寄せできるところで購入すると安心です。少量の塗料をパウチにしたサンプル(有料)などがあるショップもあります。塗料サンプルは色の確認だけでなく塗装面の素材とのマッチングや定着するかどうか、粘度など確かめることができます。

まずは、少量のサンプルを入手して、壁の目立たない部分で、試し塗りをしましょう。我が家が確認した点は次のような点です。

  • イメージに合った色やツヤ感かどうか
  • 塗りやすいかどうか
  • 乾燥後はがれないか
  • 塗面の汚れ落ちはどうか〔キッチン使用なので油汚れが落ちるかどうか〕

尚、塗料は液体のときと乾燥した後では、多少色が変わりますので必ず乾燥した後の色を確認してくださいね。

我が家が使った水性ペンキは、アトムハウスペイントのフリーコートです。ホームセンターで入手しました。数件のホームセンターをまわって気に入ったので購入しました。このペンキを選んだ理由は、カラーが豊富なことと、多用途でいろいろなものに塗装できること(木・鉄・コンクリート・クロスなど)、そして3分つやという点です。ちょうどいい落ち着いたつやで粘度もちょうどよく、水で薄めずそのままで塗りやすかったです。汚れも付きにくく、付いた汚れも取れやすいとのことです。

フリーコート 3分つや 標準色 1.6L(アトムハウスペイント/水性/多用途塗料)

価格:5170円
(2023/11/4 12:01時点)

思ったのと違う仕上がりになったら

面積が大きくなると色が淡く見える場合もありますので、小さなサンプルで確認しても、いざ壁に塗ってみると思ったのと違うと感じる可能性もあります。

塗装にしても、クロスの張り替えにしても一番こわいのがコレですね。我が家でも一番心配したのが、コレです。

水性ペンキの場合ムラなく塗るには何度か重ね塗りするといいです。1回塗って思ったよりも色が薄かったあるいは濃かったと感じた場合、いったんそこでやめて、完全に乾かし、変更したい色に塗り替えることができます。尚、薄い色から濃い色への塗り替えは比較的簡単ですが、濃い色から極端に薄い色への変更や、全く色相が違う色(緑色→赤色など)の塗り替えは、水性ペンキの場合、下の色が透けて出てくる可能性があります。途中で色を変更できるかどうかは塗料の性質や色によるので、一概には言えませんが、塗りなおす場合は同系色の濃淡の変更にとどめておくか、壁紙の切れ端などを使って試してからが無難だと思います。

塗装計画

お天気のいい日に施工しよう

カラッとしたお天気のよい日に風通しよくして実行しましょう。ペンキの乾きがはやいです。我が家はキッチンの壁と天井を3度塗りするのにかかった時間は、下準備から乾燥含めて半日でした。

下準備① 道具を揃える

  • 養生シート
    床に塗料が落ちるので、床や汚れてはいけない場所に、シートを貼ります。幅がない場所ならゴミ袋を切って使ってもOK
  • マスキングテープ
    シートをとめたり、汚れてはいけない部分をマスキングします。
  • 塗料
    通常の壁で2~3回、機能性壁紙は3~4回、塗り重ねます。必要量は、塗装する面積×塗り重ねる回数ですね。少し余裕を持って用意します。
  • 刷毛・筆
    幅広の刷毛と、細部の塗るための筆は、自分が使いやすい巾や大きさのものを用意します。我が家は、100均で事足りました。
  • 塗料をとる容器
    トマトのプラ容器を使いました。片手で持てる大きさのものが作業しやすいです。塗料をとるのに、もう使わない『お玉』を使いました。
  • ローラー・ローラーハンドル・ローラー用トレー
    広い面積の場合便利ですが、刷毛だけでも十分塗装できます。
施工時の準備品 これ以外に養生シート・マスキングテープが必要です。
  • 作業着
  • ビニール手袋
  • ぼろ布多数
  • 脚立

下準備② 塗装面の汚れを落とす

必要なら家具を移動させ、壁面の汚れを落とします。まず掃除機でほこりを取り除きます。油汚れなどは、中性洗剤を使ってきれいに落とします。次に水拭きをして洗剤や汚れが残らないようにします。最後にアルコールで拭きとります。アルコールは、油分を溶解したり雑菌の繁殖を抑えることができます。どうしても落ちない汚れは、塗装後しばらくたって、変色したりシミが浮きたつかもしれません。その場合は、ヤニ・シミ用の水性シーラーを下塗ります。

下準備③ 定着しやすいように表面を整える

サンプルで試し塗りをしてみて、問題なければこの工程は必要ないのですが、機能性壁紙で、つるっとして凸凹の模様がない壁は、塗装して乾いたのちに、ぺらっと剥がれる可能性があります。そういう場合は、サンドペーパーで壁の表面に荒らしたり、シーラーを塗って密着を高めたりする方法があります。我が家は必要ありませんでしたので、詳しくは書けませんが、ご参考までに。

下準備④ 破れや壁紙つなぎの隙間の修繕

大きなへこみや破れは、補修しきれませんが、小さな隙間などは、目立たなくすることができます。コーキング剤などで隙間を埋め、乾いてから塗装します。

どのくらいの修繕が可能か

壁紙の切れ目 
①塗装前
①コーキング剤で修繕して塗装後
②塗装前
②コーキング剤で修繕して塗装後

注視すれば筋があるのがわかりますが、日常的にはまったく目に留まらない程度には目立たなくなります。

下準備⑤ 養生シートやマスキングをする

汚れてはいけないものは、移動させたり、シートを被せます。柱など壁との際には、マスキングテープを貼っておきます。また、巾木やスイッチ盤など、剥がせるものは剥がしておくといいです。ただし、塗装面には、巾木を接着できないので、巾木の部分は塗装しないほうがいいです。ほんの僅か巾木の内側面まで塗る程度にしておきます。

塗装開始

ペンキはよくかき混ぜて、別の容器に移して作業します。壁紙には凹凸があり、一度では凹に塗料が入らないので、塗り重ねます。塗料の粘度は、好みに水で薄めて使えますが、機能性壁紙に塗装する場合は、できるだけ水で薄めず使います。薄めすぎると定着が悪くなり、二度めの塗り重ね時にモロモロと剥がれてしまいます。我が家では、水で薄めずにそのままの濃度で、しっかり何度も塗り重ねることで、きれいに塗ることができました。塗り重ねて、壁に一枚被膜をつくるようなイメージです。ほぼ刷毛大・小2本と丸筆一本で仕上げました。ローラーは案外力がいるのと、スポンジに塗料が吸い込まれるので、塗料が少しばかり無駄になる気がします。あまり広くない面積なら、ローラーは使わず刷毛を使ったほうがお手軽だと感じました。

途中でやめても翌日始められるので、そういう点も塗装のいいところですね。

使った塗料の情報

アトムハウスペイント フリーコート 1.6ℓ ホワイト

フリーコート 3分つや 標準色 1.6L(アトムハウスペイント/水性/多用途塗料)

価格:5170円
(2023/11/4 12:01時点)

塗り面積(2度塗りした場合は半分の塗り面積)

塗料の容量ごとの塗り面積は以下の通りです。

  • 200㎖
    2㎡(1㎡)…標準45色(調色対応なし)
  • 0.7ℓ
    5~7㎡(2.5~3.5㎡)…標準45色(調色対応267色)
  • 1.6ℓ
    10~15㎡(5~7.5㎡)…標準45色(調色対応267色)
  • その他
    • 3ℓ
      19~28㎡(9.5~14㎡)…標準10色(調色対応267色)
    • 7ℓ
      50~70㎡(25~35㎡)…標準5色(調色対応なし)
    • 14ℓ
      100~145㎡(25~35㎡)…標準5色(調色対応なし)

乾燥時間

塗料の乾燥時間の目安です。


  • 約1時間

  • 2~3時間

特徴

豊富なカラーバリエーション。屋内外の色々なところに、色々な素材に塗れる水性多用途塗料。落ち着いた3分つや。しかも汚れに強い。もちろん、低臭タイプでホルムアルデヒド規制対象外(F☆☆☆☆)の製品です。安心ですね。フリーコートは、薄めなくても、通常そのまま塗れます。ちょうどよい濃度で塗りやすかったです。

詳しくは、アトムハウスペイントさんのホームページをご覧ください。取扱店も載っています。

フリーコート 3分つや 標準色 1.6L(アトムハウスペイント/水性/多用途塗料)

価格:5170円
(2023/11/4 12:01時点)

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