鮮やかに色付いた多肉植物を籠に寄せ植えしてみました。多肉植物は、管理に手間がかからず、色々なアレンジが楽しめるので寄せ植えにもピッタリです。また増やすのも簡単なので、その過程でもきれいな寄せ植えが楽しめます。
昨年はいつまでも暖かかったせいか、今年に入ってから色が鮮やかになりました。春が近いせいか、彩りが一層美しく感じられ、心を浮き立たせてくれます。秋から冬にかけて紅葉した多肉植物も春を過ぎれば少しずつ色が褪せていくものも出てきます。
我が家の多肉植物の寄せ植えや増やし方などをご紹介します。
なお、多肉植物をきれいに紅葉させる方法の記事はこちらに、2020年の寄せ植えの記事はこちらにあります。よろしかったら見てください。
多肉植物の寄せ植えのコツ
性質の似たものを寄せ植えすると管理しやすいです。多肉植物は休眠期の時期によって3種類に分けられます。同じ属でも休眠期の違うものもあります。例えば、クラッスラ属は、春秋型を中心に夏型も冬型のものもあります。夏型と冬型を同じ鉢に寄せ植えすると管理の点でよくありません。
休眠期枯れたようになるものや脱皮するものなど、夏型・冬型のものの中には、成長期と休眠期の管理の仕方も見た目も大きく違ってくるものがあるので、そういったものは、単独や同じ属のもので育てるほうが好ましいです。
特に夏型は夏の直射日光を好むので、春秋型や冬型と管理が違います。一方、春秋型と冬型は管理の点で似ており丈夫な種類であれば混在させても大丈夫です。
下の寄せ植えは、春秋型がメインでルビーネックレスだけが冬型ですが、暑さ寒さに比較的丈夫な品種で構成されています。季節を通した一年の水やりや置く環境もほぼ同じなので、同じように扱えます。多肉の多くは似たような性質を持っているので気楽に寄せ植えを楽しんでいます。
奥から
- 火祭り
クラッスラ属〔春秋型〕 - 朧月〔おぼろづき〕
グラプトペダルム属〔春秋型〕 - ルビーネックレス
オトンナ属〔春秋型〕 - サンライズマム
セダム属〔春秋型〕 - 桜吹雪
アナカンプロセス属〔春秋型〕
多肉植物のタイプ…春秋型・夏型・冬型
多肉植物のタイプは季節によって分けられます。
春秋型
休眠期が夏と冬で、春秋が成長期です。寄せ植えによく使われているポピュラーな多肉植物はほぼ春秋タイプです。
セダム、エケベリア、グラプトペダルム、ガステリア、クラッスラなどです。
夏型
休眠期が冬で夏に強い種類です。成長期は春~夏~秋です。直射日光を好み成長期は陽当たりのよいところで育てます。
アデニウムやパキポディウムなどの塊根植物、アガぺや、ユーフォルビア、サボテン、カランコエ属などに多いです。
冬型
休眠期が夏で、成長期は秋~冬~春です。暑さに弱いので、夏は出来るだけ涼しいところで夏越しさせます。寒さに強いわけではないので、冬場陽当たりのよい室内管理が安心です。
コノフィツム、メセン、アエオリウムなどです。
グリーンネックレスとルビーネックレスは属が違う
見ためは丸い葉がネックレスのように連なる同じような形態ですが、グリーンネックレスはキク科セネキオ属の春秋型で、ルビーネックレスはキク科オトンナ属の春秋型です。
育て方のコツ
次のことを押さえておけば、ほぼ大丈夫です。
春秋型・冬型
- 休眠期は水を絶つか、ごく控えめにする。水が少なすぎると葉にしわがよるので、それをサインに土を湿らせる。
- 成長期には、土が乾けばたっぷりと水を与える。種類や気温に合わせて調節する。
- 風通しの良い環境で育てる
- 夏は直射日光を避けて明るい日陰で管理する。
- 秋~冬~春は、陽当たりの良い場所で管理する。
- 気温が氷点下になる時は、室内やビニール温室に取り込んだり、霜があたらないように断熱材〔プチプチなど〕で包むなどの防寒をする。
夏型
- 冬は完全に水を絶ち室内で休眠させる。室内が暖かく明るい場合は、水やりをごく控えめに続ける場合もある。
- 成長期には、土が乾けばたっぷりと水を与える。種類や気温に合わせて調節する。
- 風通しの良い環境で育てる
- 春~夏~秋は陽当たりのよいところで管理する
- 冬でも室内で水やりを続ける場合は、陽が入る明るい室内で管理する。
寄せ植えの仕立て直しに適した季節は春か秋
同じ属や単一で育て増やし、季節に応じて寄せ植えを作るのがもっとも多肉植物を楽しむことができると思います。多肉は生長すると姿が乱れてくることも多く、寄せ植えのままずっと美しく保つのは難しいので、春や秋の気候の穏やかな時期に、鉢を見直し、増やしたり、仕立て直したりしたり、その機会に新しく寄せ植えを作るといいですね。また、秋から冬にかけて紅葉する品種もたくさんあり、育てていて楽しいですよ。寄せ植えしても映えます。
我が家では、同じ属か単一で育て増やし、季節に応じて一時的な寄せ植えをするのが一番楽しめると思っています。
適した器
過湿に弱いものが多いので、通気性のよい素焼きで、底に穴が開いているものが適しています。プラ鉢や底に穴の開いていない容器を使う場合は、水やりに気を付けましょう。乾燥に強い多肉植物は、特に11月頃から3月までは、水やりはわずかな量でよく、霧吹きで湿らせればいい程度なので、様々な容器で楽しめます。成長期に当たる春や秋には、土が乾いたらたっぷり水をかけてやることも増えるので、穴あきの植木鉢がお勧めです。また、夏は過湿にならないよう通気性のよい素材がいいと思います。夏に水を絶つ品種も多いですが、葉にしわが寄ってきたら土の表面を湿らす程度に水をやることもあります。やはり夏季は植木鉢に通気性があった方が安心です。
写真は、スーパーでトマトなどが入っている丸いプラ容器に寄せ植えし、和紙や籠でアレンジしました。籠は、京都の有名な金平糖の老舗、緑寿庵清水の五月季節限定の「ぶるぅべりぃのこんぺい糖」が入っていた容器なんです。
きれいな入れ物などはとっておいて、こういう時に使ってます。
単品も容器や置く場所を考えてアレンジすると楽しい
株分けしたり増やした株を単一で育てるのがもっとも管理しやすいです。小さな株は、器も合わせてコンパクトに仕上がるので、器に凝ってみたり、インテリアのちょっとしたポイントにと楽しめます。
福だるま〔コチドレン属・春秋型〕です。福だるまの詳しい育て方・増やし方をこちらにまとめてあります。
多肉植物は個性的で色が美しいので、器や置く場所を考えるのも楽しいですね。
多肉植物を増やしながら寄せ植え
木箱の底に穴をあけ、軽石と多肉の土を敷いて、葉挿しや挿し芽をしています。メインにセダムを使っていますが、ほぼ失敗なく発根します。品種によって、葉挿しで簡単に増えるものや、葉挿しで増えず挿し芽に向くものなどあります。それぞれに合った増やし方をすれば簡単です。株から芽や葉をちぎって土の上の置いておくだけでOKです。茎が太いもの、切口が大きいものなどは、摘み取った後、切口を1~2日乾かして植えるといいです。
使っている品種
- 乙女心
セダム属、葉挿しは難しく挿し芽で増やすと簡単です。まとまった芽をつんで土の上に置いておくだけで増えます。
緑の葉の先だけが赤く紅葉してとてもかわいいですね。 - 恋心
セダム属、葉挿しは難しいとされますが、我が家のはちぎれた葉から勝手に根が出てくるくらいたくましいです。挿し芽で増やすと簡単です。乙女心とにた容姿ですが、乙女心より大きく、葉全体がふんわりと赤くなります。 - 虹の玉
セダム属、葉挿しが簡単て、すごく増えます。紅葉が見事です。 - 朧月〔おぼろづき〕
グラプトペダルム属で葉挿しで簡単に増えます。写真も葉挿しで増やしたものです。
紫ともピンクにも見える灰色の葉が美しいです。
メインの4種の隙間に小型のセダムの芽を挿しています。それらは次のセダムたちです。
小型で簡単に増えるセダムたち
〔2018年8月〕
〔2019年3月〕
左から、ヒスパニクム・プルブレア、フロムフランス、ピンキー、ゴールデンカーペット、ヒスパニクムの実生です。ヒスパニクムのプルプレアと実生は、大きさや育つ姿が若干違いますが、色合いなどはほぼ同じです。みな紅葉していますね。ピンキーは、緑から赤に変わります。ここ最近、休眠していた茎から緑色の芽が出てきました。
どれもよく増えます。ここから芽をとって、寄せ植えの隙間埋めに使っています。小型のセダムはいろんな種類を混ぜて寄せ植えしてもかわいいですね。
多肉植物をきれいに紅葉させる方法については、こちらに記事がありますのでよかったら見てください。
春は、どの植物にも生長の季節です。植物たちが生き生きと目覚めてくる様をみるのはとても楽しいですね。
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