ハオルチアの錦ってバランスよく斑が入っているものは単体でも非常に美しいですが、子吹きしやすい品種などでは群生させるとまた違った面白みがあります。例えば、単体では地味斑で少しつまらなく思うものも、子吹きをして群生になると、斑の入り方や斑の割合が異なる子株が付くこともあり、表情が豊かになります。
また、斑入りの親株から出る子株は、『青(斑のない緑一色の個体)』や、『おばけ(株全体に葉緑素がない全斑の個体で、単一では生存不可能な個体)』になることも割に多いです。ですので、『おばけ』の子株が出ても、単体では育ちませんが、葉緑素を持った個体と繋がっていることで生きながらえることができます。おばけって、見た目は非常に美しいですから、群生ならではの楽しみ方だと思います。
我が家にあるハオルチアの中で、群生するといい感じになったものを集めてみました。
タイガーピグ錦
タイガーピグは、ピグマエアと毛蟹という品種の交配種で、子吹きが活発なタイプです。窓に短い毛のような突起が見られ、ザラザラとして硬いです。
渋めのハオルチアですね。ごつごつした感じも個性的です。紅葉時は、緑の部分は紫、斑の部分はオレンジ寄りのピンクです。全斑部分は黄みがかっています。
全体に斑が入った総柄なら1株でも存在感ありますが、群生させるとやはり表情が豊かです。子株のうち『おばけ』に近いものは3株くらいありますがそれが入ることでアクセントになっています。
『おばけ』の株にも思い出したように緑の線がわずかに出ますが、単体にすると生長できないと思います。鉢がいっぱいになって株分けが必要になっても、葉緑素を持った個体と一緒に株分けします。
紅葉していない時も色がきれいです。
オブツーサ錦
オブツーサ錦とは、オブツーサの交雑種すべてを含む錦なので、いろんなタイプのものがありますね。このオブツーサは、親株(一番大きなロゼット)は総柄の派手斑なのですが、斑の入り方が細かく不鮮明であるのと、窓が小さめのせいか、単体ではどこかあか抜けないイメージでした。ですが、『おばけ』2つと親と同じような総柄1つ、計3つの子株が付いたことで、とても華やかになりました。今ではお気に入りの1鉢です。
オブツーサなどは、中途半端な位置から子吹きすると、株が乱れてまとまりがない感じがします。ですが、株の一番外側から子株が出ると、ロゼット一つ一つのまとまりがあるので、群生しても見栄えしますね。
旧氷砂糖
ツルギダの白斑入り種です。斑の入る割合の違う子株が親株の周囲にぐるっと付くと見ごたえがあります。特に全斑は真っ白になります。旧氷砂糖は白斑なので、光に当たっても真っ白です。斑の部分になんの色素もないからです。とてもきれいですね。
単体でも見栄えのよさそうなものもいくつかありますが、今しばらく群生の状態を楽しみたいと思っています。
尚、旧氷砂糖があるからには新氷砂糖(下の写真)もあります。こちらは、ピグマエアとウィミーの交配種です。新旧どちらも氷砂糖の違った側面をイメージさせ面白いですね。
我が家の新氷砂糖は、糊斑になってます。見た感じ、全斑になってきているように見えますが、全部の葉の裏に葉緑素が入っています。
粉砂糖をまぶした感じの氷砂糖ですね。白い時は氷砂糖をイメージさせますが、屋外で管理すると日光下でピンクになります。斑の部分に色が付くのは、カルチノイドやアントシアニンなどの色素が斑の部分にあるからですね。我が家の新氷砂糖はなかなか子吹きしないで単体で育っています。
ゴースト
ゴーストというと、オバケやユウレイと呼ばれる葉緑素を含まない全斑をイメージさせて紛らわしいのですが、オブツーサ・ゴーストは、クロロフィル等の形成に変異がある色素変異体です。我が家のオブツーサ・ゴーストは、デルシアーナの色素変異体です。ですので、錦ではないのですが、群生にすると綺麗なので掲載しました。
もともとクロロフィルが少ないのか薄く透明な感じですが、季節(紫外線量や気温etc…)によって、色合いがコロコロ変わります。
昨年春に2株、昨年暮れに1株、子株が出来ています。中心部が薄い色なので、群生されると結構面白いですね。くす玉のようできれいです。
ゴーストについてはこちらに詳しい記事がありますので、ご興味があればごらんください。
象牙の塔
こちらは、硬葉系のハオルチアです。’五重塔’の黄斑のものを’象牙の塔’といいます。ちなみに’五重塔’の白斑は’幻の塔’といいます。’幻の塔’も渋くて美しいのですが、やはり黄斑は華やかで、群生すると見ごたえがあります。わりとよく増えます。紅葉すると黄色が濃くオレンジがかってきます。
そろそろ鉢いっぱいなので、植え替えか株分けしようと思います。
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