我が家は、ハオルチアをぽつぽつと集めて育てています。多肉全般好きですが、特に軟葉系のハオルチアが好きで、唯々大輪のロゼットに育て美しさを堪能したいと思っています。窓のあるハオルチアは、陽の挿し加減で息をのむほど美しく輝く瞬間があるので、その時間を楽しむことがハオルチアを育てる醍醐味だと思っています。また、美しい瞬間を写真撮りたくなります。なかなか自分が見ている目の前の色彩と光を、そのまま写し取ることができないのですが…。そんな中、撮った写真の中から選んだ写真をブログにするのも楽しみの一つになりました。
自分がきれいだと思うハオルチアについて、ぽつぽつと更新しながら、掲載する品種や写真を増やしていきたいと思います。、とても自分語りな記事で申し訳ないのですが、もし気に留まれば、ちょっと覗いていっていただければ幸いです。
ナイルの一滴

長く伸びた葉の半分以上を占める大きな窓、そして激しく掠れたような模様が裏窓に幾筋も流れるように走っている。一枚の葉のかたちが、まさに一滴の雫を思わせる…。というのがナイルの一滴の特徴ですよね。我が家のはまだ小苗~中苗だからか、荒々しさがなくぷっくらしていて、こども体型です。ですが深ーい緑のボディにやや先の尖った大きめのツヤツヤ窓、裏窓にも掠れたような条理が見え、とても印象深くきれいな苗だと思います。今後の生長にとても期待しています。

ナイルの一滴とは、素敵な名前ですよね。そしてナイルと一滴と言えば…。小説家の志賀直哉の作品に「ナイルの水の一滴」という随筆があります。
人間というものが出来て、何千万年になるか知らないが、その間に数えきれない人間が生まれ、生き、死んでいった。私もその一人として生まれ、今生きているのだが、例えていえば、悠々流れるナイルの水の一滴のようなもので、その一滴は後にも前にもこの私だけで何万年さかのぼっても私はいず、何万年経っても再び生まれては来ないのだ。しかも尚、私は依然として大河の一滴に過ぎない。それで差支えないのだ。
志賀直哉 「ナイルの水の一滴」
このハオルチアを手に取って、まじまじと窓の奥深くまで眺めると、志賀直哉のこの随筆文を思い出します。人類の歴史の大きな流れの中で、自分はちっぽけな存在だけど後にも前にも唯一無二なものである。自分は大河の一滴として、人生をまっとうすればそれでよいのだ。大意はこのようなものだと思います。ちっぽけな一滴が集まってナイル川も出来ているわけで…。元気に自分らしく誇りをもって生きていこうと思えます。
とりとめのない独り言のようになってしまいましたが、志賀直哉と結びついたことで、このハオルチアへの愛着が強くなりました。収集という趣味は、そういう結びつきと記憶が増えていくのも楽しみの一つかもしれません。
ティアラ
カクタスニシさんのレース系交配種です。まさにティアラの名前のごとく気品のあるハオルチアです。裏窓が繊細で美しいので横から逆光で眺めるととってもきれいですね。


上から見てもつややかで、繊細な模様が乱反射するようにきらめきます。精巧に作られたガラスモザイクのよう。色も蛍光グリーンでさわやかです。


ブルーレンズ
オブツーサ×ベヌスタの交配種でオブスタと呼ばれますが、オブスタ=ブルーレンズなのか、オブスタの選抜種なのかといえば、おそらくオブスタの選抜種なのだろうなと思います。


条理が繊細で細く、細かい鋸歯(きょし)が生えています。光の加減で、窓の内側から青白く光り輝くように見え、ともかくとてもきれいなオブツーサです。表面はスリガラスのような艶消しで、シャーベットをイメージさせます。

ブルー水晶オブツーサ

大粒で先が尖り頂点に毛(ノギ)があります。作りが大きく条理も荒っぽく入っています。窓の透明度は高く、逆光で見ると透け感がすごい。窓は透明感のあるブルーです。

水晶オブツーサ、ブルーの他にグリーンやパープル、ブラックと色々ありますが、含んでいる色素の量のちょっとした違いで、フォルムはほぼ同じだと思います。おそらく誰もがひとつは持っていたいオブツーサではないでしょうか。
ちなみに白水晶や緑水晶は、違う品種ですね。白水晶は、『ピリフェラ錦』『ミルキークラウド』『アイススプライト』などと同じものだそうです。また、緑水晶は、『花水晶』『緑太線三角窓オブツーサ』などの異名を持っています。
白帝城

ウィミー系の交配種といわれています。ウィキペディアによると白帝城は中国の長江三峡にある地名で、一世紀前半頃、築城された城が白帝城と呼ばれたことが由来だそうです。ウィミー系にみられるぶつぶつした結節がきらきらしてとても美しい。こんなに美しいのに割とリーズナブルに入手できる大満足の一品ですね。


闇の森

まだほんとに小さな苗ですが、ものすごく期待している苗です。出自はわからないのですが、ぶつぶつとした結節と気泡が連続してできた窓が大変美しい品種で、頑張って育てたいと思っています。特徴がきれいに出る姿になるまであと数年かかりそうですね。

雫絵巻〔パープルレンズ〕

雫絵巻ともパープルレンズとも呼ばれている、オブツーサとベヌスタの交配種です。ボルドーに染まる肌に、光の加減で窓の内側から青く輝きとてもきれいです。おそらく誰もが大好きな名品です。太陽光〔紫外線〕に曝さず、室内で青く育てても緑が美しいですね。色味でいればビリジアン〔viridian〕でしょうか。子供の頃の絵の具セットの緑色ですね。来年の冬は、室内で管理してきれいな緑色の雫絵巻の写真を撮りたいと思います。
紫絵巻
雫絵巻の次は紫絵巻。ボルドーに染まる絵巻繋がりです。裏窓の条理が美しく影絵のようです。

紫絵巻は、レイトニーとベヌスタの交配種です。透明な窓にボルドーの条理がよく映えるので、いつも横から見てしまいます。きれいですね。
裏般若 〔B型コンプトニアーナ ミュータント〕

立ち上がるように生えた大きな葉は、一筆書いた後の毛筆のような躍動感に溢れ、裏窓には掠り筆で描かれたような条理が荒々しく入り、類い稀な存在感がありますね。深い葉色と窓の碧さのコントラストがとても美しいです。
下の写真は、一年前のもので、大粒の葉のせいか、改めて見てみると一年間でかなり生長したような気がします。

葉の表に入る条理は、蛍光グリーンなのも特徴の一つです。

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