〔2019年5月24日〕
フィカス・ウンベラータの剪定と挿し木・取り木のコツについてはこちらの記事にまとめました。この記事の内容も含まれていますので見てください。
以前、ウンベラータの挿し木と取り木の記事を書きました。
取り木でなかなか根が出ない時の解決方法と植え付け方をお教えします。
取り木の仕方
取り木は、木の皮を剥ぐなどの方法で枝に傷をつけて、その部分から発根を促す方法で、傷つけた部分に水苔などを巻き付けて根が出てきてから切り取り植えます。詳細はこちらの記事を見てください。
根が出ない理由
古い枝は発根しにくく、若い枝の方が成功率が高くなります。観葉植物の場合、比較的若い枝を取り木することが多いと思います。フィカスウンベラータの場合、順調なら取り木の処置を施してから約1か月くらいで発根しています。根が出ない理由は幾つか考えられます。今までの経験から根が出ない理由は大体次の2つだと思います。
- 皮の剥ぎ方が不十分
- 水苔の巻き付けが不十分
です。
皮の剥ぎ方が不十分
前回、4月に取り木の記事を書いた後、取り木のビニールの内側になかなか根が見えませんでした。1カ月位待ってみて水苔を剥がしてみたのですが全く根が出てません(右の写真)。左の写真は4月に樹皮を剥がした時の写真です。皮の剥ぎ方が不十分だったようです。
皮を剥いだ所をもう一度確認してみると、完全に枝の芯まで剥けていなかったようです。上の左の写真の赤い楕円の部分は白い芯まで到達しています。全体をこのくらいまで剥げばよかったのです。
下の写真は枝の構造を知る為に、別の切り口を撮ったものです。
黒丸がウンベラータの樹皮です。赤い点線丸の所が枝の芯になります。色が変わっていますね。この芯の部分まで、しっかりと皮を剥く必要があります。うちの場合、剥ぎ残した部分が残っていた為、根が出てきませんでした。見た目としては、樹皮の下の白い芯が見えるところまで、しっかり剥くことが大切です。うちも再度枝の芯だけが残るようにしっかり皮を剥きました。また、念のため枝の上下に2、3ミリずつ皮を剥いだ部分を広げ、水苔をしっかり巻いて乾かないように水やりをして3週間程置きました。
そしたら今度はしっかりと根が出てきました。ビニールの上からも根が確認できますね。赤く見えるのが根です。ここまで根が出れば植え替えても大丈夫です。
水苔の巻き付けが不十分
皮がしっかりと剥けているのに根が出てこない時は水苔の巻き付けを確認して下さい。特に皮を剥いた所より枝先の葉が萎れたり、黄ばんで来たら枝先に水分が不足している証拠です。皮を剥いた所や枝先側の皮の部分に水苔がしっかり当たっておらず、根が出せない可能性が高いです。水苔にたっぷり水分を含ませたら、ぐるっと巻き付け、ビニールなどで包んでしっかりと紐で結んで密着させ根を生やし易くしてあげましょう。また、発根するまで水苔が十分水分を含んでいる状態を維持してください。ビニールを少し開け時々水を足してやります。
取り木する
水苔を巻いた所より枝の根元側を切り、取り木します。切り取った枝側からも、残った枝側からも白い樹液が出てきます。かぶれることがあるので触らない様に気を付けて下さい。
ビニールを外してみると根がしっかり出ているのがわかります。
切り取った枝は根が乾かない様に、また水苔を崩さないように水にそっと浸けておくと安心です。
この時、植付け後を考えて余分な葉を落とすと作業がし易いですよ。葉を切り落とすと、白い樹液が出てくるので気を付けて下さいね。
植え付ける
水苔は崩さずそのまま鉢に植付けます。
水苔の少し上までがしっかりと土をかぶるように植付けます。
最後にたっぷりと水やりをして落ち着かせます。後はしばらく日陰で育てます。
取り木、挿し木の後
取り木のあとは樹液が盛り上がってきます。1,2日で切り口が乾きます。そのあと脇から芽が出てきます。
以前挿し木を取った後は既に新しい芽がこんなに育っています。
今の季節、ウンベラータは生長が早いので、ぐんぐん伸びてくれそうです。
枝を切る際は、親木をどんな樹形にしたいか考えて切りましょう。我が家のフィカスウンベラータも思った通りの樹形になるか楽しみです。
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