スキミア〔ミヤマシキミ〕はここ数年クリスマスのシーズンになると園芸店でよく見かけるようになりました。
スキミアは、雌雄異株で、雄株は冬の間、赤や薄緑の丸いちいさなつぶつぶのつぼみで過ごし、春に白く小さな花を咲かせます。
雌株は、日本では『億両』と呼ばれる大変縁起のよいものです。スキミアの赤い実は、億両と呼ばれるだけあって千両や万両よりも実が大きく、クリスマスやお正月のどちらにもぴったりな感じです。
昨年、我が家で実を実らせてみたいと思い、スキミア・レッドドワーフ〔雄株〕とスキミア・ファイチー〔雌株〕を揃えました。どの品種でも結実するのかわかりませんが、スキミアの品種すべてがミヤマシキミの純血種らしいので、一緒に育ててみることにしました。そして丸一年、育ててわかったことや注意点などをまとめてみました。
スキミアとは
原種は日本のミヤマシキミ
ミヤマシキミの『ミヤマ』とは深山で、本州・四国・九州の低山地の山の中に分布する植物です。シキミに似ていることから名がついていますが、ミカン科の植物です。日本の山中・林で生育する品種なので、用土は酸性土壌、涼しく日陰を好みます。
スキミアはヨーロッパで人気が出て、品種改良されて多様な品種が生まれました。
園芸品種になってもその性質はそのままなので、植え付けは酸性土壌、夏の高温多湿の時期は、日陰の涼しい場所で夏越しする必要があります。
雌雄異株
雄株、雌株で名称が違います。また、品種も多いです。不思議ですね。
雄株
流通しているほとんどの株が雄株です。スキミア・リベラや、マジックマルロー〔斑入り葉〕など人気ですね。ドワーフは、コンパクトで花付きよく改良された矮小品種です。
写真は、スキミア・レッドドワーフ、赤の他にピンクとホワイトがあります。コンパクトサイズなので寄せ植えにもいいですね。
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雌株
雌株は、少ないですが流通はしています。花では雌雄の区別がつきませんが、秋から冬の時期に、スキミアの名が付き赤い実がついた品種は雌株です。雄株は秋から冬、つぼみが付いていますから、見分けるのは簡単ですね。
我が家が購入した雌株品種は、スキミア・ファイチーです。結実期は11月~2月です。他にリーベシアナや、テンプテーションも雌株品種のようです。
ファイチーやリーベシアナ、テンプテーションも通販で入手できます。ただ、流通量は少ないようなので探してみてください。
雄株と雌株どの組み合わせでも結実するのか?
これが疑問です。調べてもわからないし、我が家で寄せ植えにして試してみようと思いました。
毒性
葉や実が有毒です。誤食すると痙攣を伴う中毒を起こすということです。鹿などの野生動物もこの実は食べないそうです。
開花時期
秋から冬にかけてつぼみの期間が長く、色は赤やピンク、薄い緑などたいへん美しくシックです。3月~4月に開花し、小さな白い花を咲かせます。
スキミアの育て方
植え付け
水はけのよい酸性土壌を好むので、鹿沼土を中心とした用土に植え付けます。生長が遅く根を痛めるとダメージが長引くので、ポット苗を買った株を植え付けたり寄せ植えする場合も根を崩さず植え付けた方が無難です。寄せ植えの場合も酸性土壌に生育する植物と合わせるといいですね。冬に美しいカルーナと相性がいいのではないでしょうか。性質が似ている上に目立ちすぎず他の植物を引き立てる名脇役ですね。
我が家では、白いカルーナと一緒に三日月型プランターに寄せ植えし、クリスマス&お正月の玄関飾りにしました。いずれも根を崩さずそのまま置くように配置し、隙間を『山野草の土』で埋めました。お正月が終わったら、またそのまま鉢植えにしました。
〔クリスマス〕
〔お正月〕
この寄せ植えの作り方などはこちらに記事がありますのでよろしかったら見てください。
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育てる環境
スキミアは、直射日光が苦手です。また、強い風も苦手だそうです。もともと薄暗い木陰に自生しているので、通年で明るい日陰で風を避けて育てるのがよいようですね。高温多湿の日本の夏の市街地では枯れてしまうこともあるようです。気を付けるのは梅雨時から夏ですね。我が家は梅雨~夏時に日陰においたまま放置しており、コナカイガラムシやうどんこ病などの被害にあいました。葉の発育も悪く、奇形葉もでたので、夏はできるだけ風通しのよい明るい日陰で管理し、虫や病気にならない様、日ごろから観察しようと思いました。
水やり
年間を通じて、水やりは控えめです。12月~5月は、だいたい週一で水やりしました。夏場は、生長も止まっていたので、数える程度しか水やりしませんでした。ただ、生長しなかった要因の一つに水を控えすぎたことがあるかもしれません。秋になって空気が乾燥するようになってから、また、週一程度に水やりを開始しました。
肥料やり
もともと痩せた土地に自生するので、肥料はほとんど必要ないようです。春と秋に緩効性肥料を与える程度でよいようです。植え付けの時に緩効性肥料を混ぜたので、液肥などは与えていません。
生長の記録
〔2020.02.09〕
生長はみられませんが、元気に育っています。ちょっと横道に逸れますが、カルーナとスキミアの寄せ植えはかなり相性がいいと思います。ガーデンシクラメンとの寄せ植えのカルーナはかろうじて生きている状態ですが、この寄せ植えのカルーナはみずみずしく元気いっぱいです。違いはやっぱり土質かな。ガーデンシクラメンの寄せ植え方は『花の培養土』を使っているのに対し、スキミアとの寄せ植えは、『山野草の土』で、水はけもよくpHも酸性よりです。やはり、土の相性は重要ですね。
暖かくなってきたので、鉢に植え替えしました。土は、同じく山野草の土で、ほとんど根をいじらすそのまま寄せ植えしました。
楕円の鉢もなかなか使いやすいですね。しばらく植え替えしなくていいように余裕のある深めの鉢にしました。
〔2020.02.12〕
気温が上がり暖かい日、レッドドワーフが開花し始めました。ちょっとまって!雌株は、実がついたままで、花芽も出てません。
これでは、受粉のタイミングがあわないんじゃないの?
しげしげと雌株のファイチーを見ると、新芽を発見。
実を付けたまま、新芽が生長してつぼみつけるのでしょうか?いろいろ調べましたがわからないので、新芽の生長促す目的で、とりあえず実の部分を落とすことにしました。落とした実は、またとりあえずですが、土の上に落としたままにしてます。
これで、様子見ですね。
〔2020.02.15〕
ここ数日暖かくてどんどん開花していきます。雌花は間に合うのか…。
それにしてもスキミアは蕾を楽しむといいますが、花も愛らしくていいですね。
〔2020.03.01〕
レッドドワーフ(雄花)が満開になりました。
花粉も飛びそうな感じになっていますが、対するファイチー(雌株=億両)の方は、新芽のまま蕾すら付けておりません。
今年の億両はもはや無理でしょうね。ですが、できれば長く育てていきたいと思いますし、ときどき経過を更新したいと思います。
それにしても、レッドドワーフの花はものすごく可愛らしい。
〔2020.04.05〕
レッドドワーフ(雄株)の花が終わり、枯れて自然に取れていきました。その後新芽が出てきました。
ファイチー(雌株)は、剪定後、芽がいくつか出てきましたが、なかなか葉が開いてきません。すごーく遅い。
下のほうに一本だけ剪定し忘れた実付きの枝があるんですが、実はまだ色鮮やかについたままです。どうなっているんだろう。
〔2020.07.22〕
しばらく視界から外れてた所に放置していて、気が付いたらすでにレッドドワーフ(雄株)に蕾が付いていました。びっくりです💦。来年はちゃんと観察したいと思いますが、6月中には花芽が出てきたと推測されます。一年の3/4くらいを蕾で過ごすということですね…。ただ、花序の部分はこじんまりしてるし、葉の生長はすこぶる遅いし丈もほとんど伸びていません。
また、蕾の間に白いものが見えます。コナカイガラムシが付いたようです。これは厄介!
ファイチー(雌株)少し葉の数が増えていますが、ほとんど生長止まっている(?)芽もあります。いったいどうなる…💦。
コナカイガラムシの駆除
瞬く間にコナカイガラムシが増えてしまいました。細かな蕾の間や、葉の裏などに繁殖しています。駆除しきれないまま増えてしまい、ベニカXファインスプレーを数日おきにスプレーしました。一時よくなったと思ったらまたぶり返すなどして、なかなか駆除しきれません。コナカイガラムシとの格闘が数ヶ月続きました。
〔2020.08〕
ファイチーの葉にも病変が…。うどんこ病でしょうか。
ファイチーは、うどんこ病+コナカイガラムシで、奇形葉などもでてきました。あまり生長しないのは、病気やコナカイガラムシの影響があるからかもしれません。
また、8月入るまで元気に伸びてたカルーナですが、8月に立ち枯れさせてしまいました。
〔2020.11.24〕
コナカイガラムシの駆除は今も続いていますが、肌寒くなってきて、現在落ち着いてきています。
ファイチー(雌株)のほうも健康な新葉が出てきました。
一安心です。スキミアはやはり、少し肌寒いくらいのシーズンが調子いいようですね。
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