多肉植物 グリーンネックレス〔みどりの鈴〕の育て方 腐らせない!元気に夏越し・冬越し

グリーンネックレス

グリーンネックレスは、とってもポピュラーな多肉植物ですが、水をやり過ぎて腐らせてしまったり、気が付けば元気がなくしわがよっていたりして、案外気難しく感じます。我が家も何回もだめにした経験があります。うまく育てる方法はといえば、非常にシンプルで、放置気味に育てることなのですが、大事に育てようと思うほど過保護にしてしまいますよね。水やり好きなら、土や植木鉢の素材で乾きやすい環境を作るなど、ちょっとしたコツでずいぶん育てやすくなるものです。

また、寄せ植えのアクセントとしても単品でも可愛らしくおしゃれなので、一鉢あれば、増やして色々楽しめます。

グリーンネックレスの特徴や花、増やし方などを含め我が家の育て方についてご紹介します。

グリーンネックレスの特徴

グリーンネックレスは、葉が球体で窓がある

グリーンネックレス

グリーンネックレスの葉には『窓』と呼ばれるスリガラスのようなスリットが入っています。『窓』といえばハオルチア・オブツーサの葉先の透明部分と同じですね。『窓』は、レンズの役割をして光を効率よく集めます。

グリーンネックレスの葉は、見事な球体ですね。球体は、同じ体積の立体のなかで表面積が最小になる形なんです。厳しい乾燥に耐えるためには、葉からの蒸散を最小限にしたいですよね。蒸散を最小限にするために葉の表面積が最小になるような形になったということでしょうかね。一方、光合成は表面積が大きい方が効率はいいはずです。それを補うためにスリット部分をつくり、光を効率よく集めるしくみを発達させたのでしょうか?今書いたことは私の勝手な想像なんですが、そんなことに思いを巡らすとやっぱり生物ってすごいなって感動してしまうのです。実際はどうなのかわかりませんが…。

匍匐性がある…垂れ下がって葉が小さくなると切り戻しを

グリーンネックレスは、匍匐性があり、這う様に伸びる茎から簡単に根を出して広がっていきます。我が家は、鉢植えでしか育てていないのですが、やはり鉢の縁からネックレスのように垂れ下がる姿が素敵ですよね。気根も出やすく、垂れ下がっていても気根が伸びていることがよくあります。ただし、垂れ下げて長く伸ばすと徐々に葉は小さくなります。匍匐しながら根付いて水分や栄養を吸収するのが本来の姿なのに、根付かないまま垂れ下がっている状態なので、水分も栄養も行き渡らなくなり葉は小さくなるのです。ですので、定期的に切り戻しするといいですね。切った茎は、また挿し木して増やすことができます。

グリーンネックレス 気根

グリーンネックレスを元気に育てるには

購入したらすぐに植え替える

購入は生長期の春秋がいいですね。緑が鮮やかで葉が大きくぴちぴちしたもの、葉間が詰まったものを選びます。生長期なので植え替えしても失敗しにくい時期です。ビニール製の柔らかいポットの苗のものは出来るだけ早く植え替えてあげましょう。ポット苗の土は、土が固かったり、根が回っているものも多いですよね。また、からからに乾いていたら土に水を含みにくく根から水を吸収できない状態だったりします。水はけのよい多肉用の土に植え替えたあとは水をたっぷり与えます。案外グリーンネックレスは水を好みます。いつも土がじめじめして蒸れるのが良くないだけです。

乾燥気味に放任主義がうまくいく

多肉植物の土は、なんといっても水はけのよい土が適しています。水を葉に蓄えているので、乾燥に強く水やりの頻度もぐっと少なくて大丈夫です。多少しわがよってから水を与えてもぜんぜん大丈夫なのが多肉植物ですよね。

それでも水やりが多くなりがちな方は、土や鉢素材、環境を工夫する

乾燥に強いとはいえ、ぱさぱさに乾いた土をみるとなんとなく水をあげたくなるものです。また、我が家もそうですが、草花もたくさん育てているとその延長で水やりしてしまいがちですよね。

ですが、多肉植物にカビや虫が付いたり、腐らせたりする原因は、おおむね水のやりすぎ、過湿によるものが多いと思います。ですので、なんとなく心配になって水をあげがちの方や、腐らせてしまいがちな方は、水をあげても乾きやすいように、土や鉢の素材、置き場所を工夫すれば、多肉植物を元気に育てることができます。

用土

土は、多肉植物用の土を使いますが、うちではあく抜きベラボンを3割ほど混ぜて使っています。ベラボンは、保水性・排水性・通気性を合わせもつすぐれた素材ですので、水分を含むと膨張し、乾燥すると縮んで土に隙間を作ってくれるので、いい感じに土の水分を調整してくれます。多肉植物用の土としては、ゼオライトが入っているものが、根腐れ防止効果があってお勧めです。

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鉢の形状・素材

例えば、浅い鉢で育てると土の層が浅くなるので通気性よく、乾燥気味に育てられます。また、鉢の素材もプラスチックや缶といった通気性のない素材よりも、素焼きやコンクリート鉢といった通気性のよいものを使うといいです。

置き場所

また、鉢をハンギングして、風通しよくするのもいいですね。ハンギングは、受け皿を置かず鉢の下の穴も解放されている状態にすると通気性がよりよくなります。このように水をあげても土が乾きやすい状態すると、育てやすくなりますし、雨ざらしも気にする必要なくなります。明るく風通しさえよくすれば、手間いらずでぐんぐん育ちます。

背の高い鉢は不向き?

我が家では、グリーンネックレスを垂らしてかっこよく見えるように背の高い鉢に植えています。

確かに浅い鉢の方が育てやすいのですが、背の高い鉢でも、通気性がいいように環境を整えれば大丈夫です。背の高い鉢で多肉を育てるには、軽石部分の比率を大きくし、土の層を浅くします。軽石だけでは、土が下の穴からこぼれてしまうので、軽石の層の上にあく抜きベラボン〔ヤシガラチップ〕を敷いてから、多肉用の土を入れるといいですよ。土が底から漏れにくくなるし、上にも書いたように、ベラボンは、保水性・排水性・通気性を合わせもつすぐれた素材で、いい感じに土の水分を調整してくれるので、うちでは土にも混ぜて使っています。

また、通気性のよい素材の鉢にし、底の穴が大きいものを選びましょう。置き場所も木のラックで、底穴が木の隙間に当たり、空気が通るようにしています。このような工夫で問題なく育っています。その他、スタンドなどで底上げしたり、植木鉢の底に空間をつくる工夫をするといいと思います。

クリーンネックレス ルビーネックレス

ちなみに写真右はルビーネックレスですが、同様に育てて、コンディションよく育っています。

水やり・肥料

水やりは葉に当てないように

グリーンネックレスの球形の葉をたわわに盛ると見た目がとてもよくなります。でも水やりは注意です。葉を濡らさず土に水やりしましょう。葉が重なっていると風通し悪く、蒸れやすいです。茎を持ち上げたりして土に直接水やりするといいですね。

水やりの頻度・目安

水やりの頻度は、4月~6月の生長期の春秋は、土の表面がしっかり乾いたら、たっぷり水が底穴から流れるまで与えます。

夏は、春秋型の多肉にとって最も過酷な季節です。日差しが強く感じる6月中頃から徐々に水やり頻度を減らしていきます。週に一回くらい、土の表面が乾いて更に3日くらいおいてから、気温の穏やかな夕方に水やりしましょう。

冬は、月に1回~2回くらいです。水やりは気温が上がってきた10時頃にしています。尚、冬でも陽の良く当たる場所で育てていたり、暖かなところでは、もう少し頻度が高くても大丈夫です。土の状態や様子を見て頻度を調節しますが、水やり少な目で多少しわっぽくなっても多肉植物は大丈夫です。我が家では冬の終わりに皺っぽくなる多肉がいくつかありますが、いずれも暖かくなってきた3月ごろから水やりを再開し、暖かくお天気のよい日にたっぷりと水やりを続ければ1週間くらいでぷっくりして復活していきます。土の量や気温にもよるので、土の状態や葉の様子を見て、試すようにあげてみてください。

肥料はごく少量で効果的

肥料は生長期の間だけ与えます。また、適量をさらに2倍の水で希釈した液肥を2週間に一度くらいの割合で与えます。我が家では、2000倍にしています。肥料は、ほとんど必要ないといわれますが、適量の肥料はやっぱり育ちが良くなります。最近は多肉用の肥料もでてるし、使いやすいですね。

植え替えの時の元肥には、肥料焼けの心配がないマグァンプKの中粒を使っています。3号鉢で1gが目安です。緩効性で、1年に一度で十分かなと思います。追肥にも使ってます。

休眠期の管理

グリーンネックレスは通年屋外で育てるのが望ましい

明るく穏やかな光と風通しがあれば、グリーンネックレスはぐんぐん生長します。

春秋型の多肉植物は、夏と冬に休眠します。しかし、春夏型の多肉植物にとって、一番ダメージの大きい季節は夏です。高温多湿の日本の夏は、直射日光に当てず、水やりを控え、風通しのよい明るい日陰がいいです。我が家はマンションでベランダで育てていますので、真夏の午後は、室内に取り込む場合もあります。夏は陽が高く、部屋に光が入らないので、よくはないのですが…。早朝にベランダに打ち水して、気温と風の流れを作り、午前中だけ明るい日陰に出すことも多いです。夏は、どうしても何とかやりす過ごすという感じです。

地域や管理場所により、外でも冬越し可能

耐寒温度2~3℃といいますが、関東以南では屋外の軒下などで冬越し可能です。霜に当たったり、冷たい雨や雪に長時間あたるとダメになってしまいますので、天候次第では軒下に移動させたり、冷え込む日には室内に取り込むほうが安心です。

屋外で管理する場合は、休眠期に入るので、水やりは極力控えてます。

室内で管理する場合は、日中は、陽ざしが入る暖かく明るい場所に置き、夜は温度の低下が少ない場所に置きます。また、冬でも晴天で暖かい日中は、出来るだけ外に出すようにしています。

上の写真のように、うちではルビーネックレスと同じ管理の仕方をしています。管理の仕方はほぼ同じで大丈夫ですが、ルビーはオトンナ属で冬に十分寒さに当たると見事な赤紫になります。

ルビーネックレス 紅葉

グリーンネックレスの紅葉

冬はどうしても光合成の働きが低下するので、外で冬越しすると緑が薄く黄ばんできたり、赤っぽくにごった色合いになります。きれいな赤や黄に染まると紅葉といいますね。

紅葉は季節で日照時間が少なくなり、葉緑素〔クロロフィル〕が分解されるため、もともと持っている黄色い色素のカルテノイドが目立つと黄葉し、光の害から身を守るためにアントシアニンを合成すると赤~紫に紅葉します。グリーンネックレスは、完全にクロロフィルが分解されず残るので、下の写真のような赤茶けたような濁った色になるんでしょうね。

紅葉してもあまりきれいではないというのが個人的感想で、室内の陽あたりのいい場所に置いてきれいなみどりを保つ方が冬場の見映えはいいですね。ただし、冬場の室内は、コナカイガラムシの温床になる可能性大です。ですので、我が家では、多少色が濁っても屋外の陽当たりよい軒下で冬越しせています。また、斑入りの場合は、葉緑素のない斑の部分はきれいなピンクに発色するので、屋外での冬越しさせるといいですね。

室内で冬越しする場合、コナカイガラムシに注意

室内管理で、葉につやがなく皺が入ってきたら、コナカイガラムシが付いている可能性大です。いつの間にか付いており、なかなか駆除しきれないので厄介です。暖かく陽ざしの入る室内でも、風通しの問題ですね。特に葉が重なっているような場合は、コナカイガラムシが、死角に蔓延しがちです。普段から葉を持ちあげていろんな角度から見て気を付けます。カイガラムシがついていたら、爪楊枝できれいに除去し潰しています。

グリーンネックレスの花

開花時期は秋~冬

多肉植物が花を咲かせるときは、生育状態がいい時ですね。秋から冬としたのは、15℃~20℃くらいの穏やかで暖かな陽射しの時につぼみをつけます。暖冬では12月の屋外でもつぼみがつきます。ただ、冬場は、急に気温が下がったり、だんだん寒さが厳しくなるので、室内の陽ざしの入る暖かな場所で管理すれば、冬でも開花します。

グリーンネックレスの花はキク科の特徴どおり

開花時期は、秋から冬にかけて。我が家では屋外で育てていて、12月の末につぼみができたのですが、寒さでなかなか開花しないので、1月から室内の窓辺の陽当たりのよいところに置くようにして、やっと開花しました。

グリーンネックレス 花

一見地味目の花ですが、少し拡大してみると…。とっても愛らしいですね。

グリーンネックレス 花

キク科の特徴である小花が集まってできています。この小花を筒状花といいます。筒状の花で先が5裂に分かれています。グリーンネックレスは筒状花の集合体なんですね。周りから中心に向かって開花していき、一つの花で一週間以上楽しめます。

グリーンネックレス 花

雄しべから花粉が出切った後に、雌しべの柱頭が出てきます。紫色のクリンとした形が美しいです。

グリーンネックレス 花

咲き終わった後は、綿毛のような冠毛が残ってます。冠毛はガクが変形したものです。

グリーンネックレス 花 終わり

ちなみにルビーネックレスの花は、見た目もキクらしい花が咲きます。外側の花びらのように見えるのが舌状花、中心は筒状花です。

ルビーネックレス 花

筒状花の部分を拡大してみると、一つ一つが、5裂に分かれた花だと置かりますね。外側の舌状花にも、それぞれ一つづつ舌のように一部が伸びていますが、一つづつの花に雄しべ・雌しべが見えます。

ルビーネックレス 花

グリーンネックレスは、筒状花だけでできているのが特徴です。正面から見るとくす玉みたいですね。

グリーンネックレス 花

グリーンネックレスの増やし方(水挿しの方法)

我が家では、水にひたひたにして、発根させてから、植え付けする方法をとっています。

発根するには水が結構必要なので、水に茎が浸るくらいの状態に数日置いておくと簡単に発根します。

グリーンネックレス 水挿し 増やす 発根

冬でも室内なら暖かいので3日~4日で発根します。

グリーンネックレス 水挿し 増やす 発根

尚、長く水に浸かっていると葉が腐ってぶよぶよし変色してきます。発根したら出来るだけ早く土に植え付けます。

グリーンネックレス 増やし方

茎を埋めて葉は土からだします。茎が浮いてきてしまうので案外難しいですが、先に発根させてあるので根が出ているところだけ土に埋まってたらOKです。挿したばかりの頃は、根が生長するまでしっかり水やりします。土がカラカラに乾燥すると根がそだちません。霧吹きなどで、土が乾いたらこまめに水やりします。

ルビーネックレスの発根はもっと簡単

ちなみにルビーネックレスも同じ方法で増やしていますが、ルビーネックレスの方が発根しやすく簡単です。植え付け後も根付きやすいです。写真は、11月頃のものです。室内で水に浸していました。グリーンネックレスは4日、ルビーは2日で発根しました。

グリーンネックレス ルビーネックレス 発根

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