ヒューケラの育て方:ハンギングバスケットを使った寄せ植え

〔2022.07.08更新〕春頃から、時々花が上がってきていたのですが、3種の花が揃ったの写真に収めました。7月に入って開花しているのは初めてです。今年は気候が例年と違ったのでその影響かもしれません。葉の色合いは初夏らしく暗めの落ち着いた雰囲気に変化しています。

ヒューケラ 寄せ植え
2022.07.07 
ヒューケラ 寄せ植え
ヒューケラの寄せ植え 2022.05.18

ヒューケラは、バラエティーに富んだ色彩が魅力です。ハンギングにしても鉢植えにしても寄せ植えするととても素敵ですよ。秋口にポット苗がショップに並ぶので秋のカラーリーフと思いがちですが、実は3月~4月頃が、葉色が鮮明になり最も美しい季節なのではないかと思います。ですが、2022年は5月になってもまだ肌寒く、我が家のヒューケラは、5月の今がひときわ鮮やかです。花期も早春~6月で、さかんに長い茎を伸ばし、控えめですが愛らしい花を咲かせます。

ヒューケラの基本情報

ヒューケラの基本情報は以下の通りです。

  • ユキノシタ科ツボサンゴ属の常緑多年草
  • 開花時期
    晩春~夏 開花には低温が必要です。夜間温度が5℃以下になれば花芽が分化するので、冬は屋外で管理します。
  • 耐寒性
    -15℃~-20℃(品種による)
  • 環境
    一般的には春・秋・冬は日向から半日陰、夏は直射日光を避け半日陰から日陰で育てる。ドルチェシリーズには、夏の暑さや直射日光にも強い品種があります。
  • 特徴
    バリエーション豊富なカラーリーフ。季節によって色味や彩度が変わったり、模様が浮き立つなど、年間を通して表情が変わります。

ヒューケラの品種について

ヒューケラは、『ハルディン』さんと、『PROVEN WINNER』さんの2社の苗がよく流通しています。どちらも世界の育種家が作った優秀な苗を取り扱っています。『ハルディン』さんはカラーバリエーション・株の大きさ・葉の形状など、品種がとても豊富です。

『PROVEN WINNER』さんの『ドルチェシリーズ』は、夏の暑さや直射日光にも強い品種があります。一般的なヒューケラは、夏の過湿や直射日光には弱いので、『ドルチェシリーズ』の一部の品種は、そこを克服したんですね。年中楽しめるヒューケラなので、特に地植えの場合は夏の日照環境も視野に入れて選ぶといいですね。

ハンギング仕立てのヒューケラの育て方

管理場所

夏場は、直射日光を避け、木陰や明るめの日陰で管理します。秋~冬~春などは、日当たりのよい場所にハンギングしています。通年、風通しのよいところが適しています。ただし、乾燥には弱いので、吹きっさらしのような所ではなく、心地よく風が通るような場所がいいですね。

水やり・肥料

ハンギングの場合は土が乾燥しやすいので、地植えや鉢植えよりも水やりの頻度が増えます。水切れに注意し、土の表面が乾いたら、下層・側面の株にも水が十分に行き渡るように、たっぷりと与えます。上からかけるだけでなく、ハンギングプランターを一度下ろし横にして、全体に水をたっぷりかけています。

肥料は、植え付け時に元肥入りのものを使い、春と秋の生長期に液肥を月に2~3度与えています。

植え付け・植え替え・仕立て直し

植え替え時期は、春か秋ですが、我が家では、年に一度9月下旬~10月上旬に、ハンギングバスケットから株を抜き、新しい土で植え直ししています。土は、市販の元肥入りの「花と野菜の土」を使っています。植え直し時に、株が増えているものは株分けしたり、新しい株を入れるなどして、仕立て直しします。

また、夏の間にコナカイガラムシが繁殖していたり、土の中にコガネムシの幼虫が潜んでいたりしていますので、このリセットのタイミングで、しっかり駆除します。

害虫対策

コナカイガラムシに注意

直射日光を避け、日陰で育てる夏場にコナカイガラムシが繁殖しがちです。葉の裏や茎と柄の間など、陰になり見えない所や普段見過ごしがちな所に繁殖し、気が付けば大惨事になっている危険性大です。コナカイガラムシは繁殖すると対処が難しくしつこい害虫です。とりついてないかよく観察して、軽症のうちに薬を散布するなどします。筆や歯ブラシ、つまようじで物理的に駆除した後、ベニカXファインスプレーを散布しています。また、オルトランなども定期的に散布します。それでもなかなか絶滅は難しいです。

上の写真は、いつの間にか被害が大きくなり、鉢をリセットすることにした時のものです。あまりに被害が大きく、葉をほとんど切り取り、水で洗いながら茎から葉柄を剥がし、根と茎と新芽だけの状態にまでにしました。根が多く、茎が太い株の場合は、下の写真くらい剥がしても復活します。ただし、元の状態に戻るには3か月以上かかります。か細い株は、復活は難しいですね。

コナカイガラムシ駆除の後、植え付けた株

コガネムシの幼虫に注意

見た感じ原因もなく植物が弱ってきたら根に原因があるので、掘り起こしてみるといいですね。根腐れしているか、害虫に根が食い荒らされているか…。掘り起こすと甲虫の幼虫がごろごろ出てくる場合があります。おそらくコガネムシの幼虫です。コガネムシの幼虫は根を食い荒らすんですよ。我が家のヒューケラの鉢には、結構育ったのが6匹いました。そんなに大きくない鉢なのに…。

スリットバスケットを使ったヒューケラの寄せ植えのコツ

ヒューケラ 寄せ植え

ヒューケラは、とても丈夫で扱いやすく、形よく株が広がるので、我が家のような初心者でも結構満足のいく寄せ植えが作れます。春と秋が美しく、早春から初夏には、ひょろっと茎をのばし小さな花も咲かせてくれます。季節によって色も変化する品種も多く、一年中楽しめるのもヒューケラのよいところですね。

ヒューケラ・パリの花
ヒューケラ・パリの花

我が家では、スリットバスケットを使ってヒューケラをメインにした植え込みをしています。自己流ですが、スリットバスケットに株をレイアウトするには、ちょっとコツが必要でした。寄せ植えを作る場合に感じたことや反省点、使った品種などご紹介したいと思います。

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陽の当たり方を考えてレイアウトする

180度全方向に陽の当たる環境で育てる場合は問題ないのですが、多くの場合、置く場所・方角によって、バスケット内に陽の当たり方に差が出ます。バスケットを置く方向や一日の陽の当たりをあらかじめ考えてレイアウトするといいですよ。また、バスケットの中央下部にレイアウトした株は、左右や上の葉がかぶさって埋もれがちになり弱る傾向があります。他の株よりも大きめの株や葉の数が多いものを植え込み、少々有利なスタートにするのもいいようです。

また、陰になる部分には植物を植えずに近くの株の大きさや広がりでカバーしたり、つる性のものを垂らしたり、陰に強い植物を配置するなどして、全体を整えるようにします。

株のボリュームや草丈が揃っていると寄せ植え全体のかたちを整えやすい

ヒューケラの品種の中には、葉の大きなものもあります。葉の大小が違っても、株全体のボリュームや草丈が揃っていると、全体に陽が当たるし、寄せ植え全体の形も整えやすいです。我が家は、昨年、好みの品種を入手するのに、直接園芸店で購入したり、ネットで購入したりと、入手方法がまちまちだったので、株のボリュームや草丈もまちまちになってしまいました。ネットでも直接でも、同じ店で揃えたほうが、株の大きさも揃いやすいと思います。

葉の大きさの違うものや、異なる種類の植物、垂れ下がる植物などを少量混ぜると変化がでる

ヒューケラは、色が豊富ですが、色だけでは少し物足りないかもしれません。葉の縁にフリンジがあるものや、葉の大きい品種もあるので、取り混ぜると変化がでます。また、まったく異なる種類の植物や、ヘデラなど蔓性の植物などを混ぜるといい味をだしてくれます。

色合いが似た品種がたくさんある

ヒューケラは、色合いが同じように見えて違う品種がたくさんあります。葉の大きさやフリンジの有無の違い、葉脈が目立つものや、葉の表と裏での色の違い、季節によって変化する色合いが違うなど、多種多様です。季節での色の変化も考慮して選ぶか、気にせずお楽しみにするかは、皆様のお好み次第です。また、春から夏にかけて咲く花も考慮して選ぶと楽しみが増えますね。

植え付け前に仮置きしてみる

株の大きさや隣り合う色合いも考えて、ポット苗の状態で植え付ける前に全体が円状にまとまるように置いてみます。どのスリットのどの辺の位置にいれるかも考えておきます。

ポット苗の土を程よく落として、スリットに差し込みやすいコンパクトな形にする

ヒューケラは、かなり丈夫ですので少し大胆めに土を落としても大丈夫です。根元がスリットに通りやすいように土を落とします。また、全体も細くして、鉢内に収まりやすくします。

詰め込み過ぎない

ヒューケラは、株が広がるので詰め込み過ぎないように注意します。左右上下のバランスを見て配置します。沢山植えこむと初めから見応えはあり、豪華ですが、時間経過によって株が生長し、株の間に勝ち負けが出てきます。小さい株は、育たず埋もれてしまい弱ってかけてしまいがちです。手入れが行き届けば、どの株も維持できると思いますが、メンテナンスを簡単にということなら詰め込みし過ぎないほうが、長期間維持しやすいと思います。我が家も昨年の寄せ植えは詰め込み過ぎと反省して、今年の寄せ植えは、どの株ものびのび育つように隙間を多く取りました。株の大きさや丈も揃え最小限でまとめてみました。

芽の部分が土に埋まらないようにスリットからだす

生長すると茎が立ち上がってくるので、新葉がスリットから出て生長するように芽をスリットの外に出します。葉をまとめて持って根元の部分をスリットに差し込みます。

寄せ植え例…①

下の寄せ植えは、2020年の10月に植え付けました。色味の異なる6種類のヒューケラと斑入りのヘデラを使っています。

ヒューケラ 寄せ植え
〔2020.11.07〕秋の様子
ヒューケラ 寄せ植え レイアウト
初期レイアウト
ヒューケラ 寄せ植え
〔2021.04.24〕春の様子

2021年の秋に、中央下ライトグリーンの葉の『ドルチェ・フローズンマスカット』が弱ったので、似た色合いの『ヒューケラ・トウキョウ』に入れ替えました。ヘデラも違う種類の斑入りのものにしています。また、向かって左下のパープルの葉のドルチェシルバーガムシロップがコナカイガラムシ駆除で柄を剥いて掃除したので、育ちが遅れ気味でした。2022年の春にはだいぶ盛り返してきましたけどね。多少伸び放題でまとまってはいませんが色はとってもきれいです。

ヒューケラ 寄せ植え
〔2022.05.18〕春の様子

暑くなってくると、暗めで落ち着いた葉色に変化していきます。花は初春~6月くらいまでなのですが、2022年は7月に入っても花が咲いています。特にキャラメルの花を見るのは今年が初めてです。

ヒューケラ 寄せ植え
2022.07.07 初夏の様子

西側の壁にハンギングしているので、葉も花も太陽の方に寄っていってますね。ホントは正面が南になるようにハンギングすればバランスよくなるのですが、この時期は、ビカクシダたちに場所を奪われてこの位置になってます?。

使った品種と花

花が咲いた種類は、花の写真も添えています。

ヒューケラ・パリ

ヒューケラ パリ フローズンマスカット リオ

右上のパリはシルバーリーフに緑の葉脈がきれい。花は綺麗なピンクです。

ヒューケラ・パリ 花
ヒューケラ・パリの花
ヒューケラ・パリの花
ヒューケラ・パリの花

早春~7月まで数回花が上がってきます。ヒューケラの花って小さくて地味な印象ですが、中にはこんなかわいい花を咲かす品種もあります。

ジョージプラムとヒューケラドルチェ・シルバーガムシロップ

下の写真、上部のジョージアプラムは、赤味のある紫で、下のヒューケラドルチェ・シルバーガムシロップは、紫系でもシルバーに輝く葉が特徴です。どちらも美しい…。

ヒューケラ ジョージアプラム ドルチェ シルバーガムシロップ
ヒューケラ・ジョージアプラムの花
ジョージアプラムの花

パリとシルバーガムシロップの花は、色味や形が、とてもよく似ています。

ヒューケラ・ドルチェ・シルバーガムシロップの花
ヒューケラ・ドルチェ・シルバーガムシロップの花

リオ

ヒューケラ リオ

琥珀色の葉は、春はオレンジ、秋は赤く紅葉して、一年中楽しめます。

ヒューケラ リオ 花
リオの花

我が家での開花時期…3月~7月に何回か花が上がります。赤い茎とほんのりピンクのふっくらした花がかわいいです。

ヒューケラ リオ 花
ヒューケラ・リオの花

キャラメル

ヒューケラ キャラメル
キャラメル

キャラメル色の葉色が美しいです。秋冬はやや褐色、春はオレンジ、夏はやや黄味がでて年中楽しめます。秋の今、葉裏が赤紫でコントラストがとても素敵です。

ヒューケラ・キャラメルの花
ヒューケラ・キャラメルの花
ヒューケラ・キャラメルの花
ヒューケラ・キャラメルの花

キャラメルの開花は、我が家では6月下旬~7月初旬でした。キャラメルは、育てて3年になるのですが、花が咲いたのは2022年が初めてです。つぼ型の小さくて白い花です。ちょっと地味な感じですね。

寄せ植え例…②

寄せ植え例①より以前のものです。きれいですが詰め込みすぎの悪い例です。この経験から、詰め込みせず満足できるレイアウトを考えるようになりました。

株の大きさが色々なので、左右対称ではありません。ポット苗の状態で植え付ける前にいちど隣り合う色を考えて全体がまとまるように配置してみました。配置してみたらハート形にも見えます♡?。赤~ピンクが映える寄せ植えにしました。とてもゴージャスですがすごく重くなりました。

ヒューケラ 寄せ植え スリット ハンギング バスケット 
2019.10 植え付け当時
ヒューケラ 寄せ植え レイアウト
ヒューケラ 寄せ植え 花 ハンギング バスケット
〔2019.03.15〕
ヒューケラ 寄せ植え 花 ハンギング
〔2020.05.11〕

2020年は、5月はもう暑かったですね。暖かくなってきて、葉の色はすこし落ち着いてきましたが、それでもかなり美しいです。そして、いくつかの種類の花が上がってきています。花は小さいですが、それぞれかわいらしい花を咲かせています。それもまた楽しめますね。寄せ植え作るとき、どんな花が咲くかも選定のポイントにするのもいいですね。

使った品種と花

花が咲いた種類は、花の写真も添えています。

ヒューケラ・ドルチェ・シルバーデューク

ヒューケラ ドルチェ シルバーデューク

シルバーグレーにブラックの葉脈のフリンジ葉です。裏がパープルでコントラストが美しいです。温度が高いときはシルバーグリーン、低いときはパープルが強くなります。

ヒューケラ ドルチェ シルバーデューク 花
ヒューケラ ドルチェ シルバーデューク 花

我が家での開花時期…6月初旬~。うつむき加減の花です。葉がパープル系の花は渋みのある色合いですねぇ。

シャンハイ

ヒューケラ シャンハイ

パープルシルバーの葉が美しい。冬は鮮やかなパープルになります。

ヒューケラ シャンハイ 花

我が家での開花時期…1月下旬に開花、4月~今年2度目の開花。繰り返し咲いています。ちょっと地味目の花です。

ヒューケラ・ドルチェ・フローズンマスカット

ヒューケラ ドルチェ フローズンマスカット

小ぶりのライムグリーンの葉。温度が下がると、アンバー、テコラッタへと色付きます。

ヒューケラ ドルチェ フローズンマスカット 花

我が家での開花時期…4月下旬~5月。花茎が細く、釣鐘のようなかわいいピンクの花が咲きます。

フリンジレモン

ヒューケラ フリンジレモン

フリンジ葉のライムカラーが爽やかで明るい印象です。

パプリカ

ヒューケラ パプリカ

オレンジ~ピンクの鮮やかな葉です。夏場は少し赤味を帯びます。

タペストリー

ヒューケラ タペストリー

雪の結晶のような形が美しく、切れ込みが深い葉です。

ヒューケラ タペストリー 花
ヒューケラ タペストリー 花

我が家の開花時期…4月~。ピンクと白のとても可愛らしい花です。おそらくピンクの花弁に見える部分は萼片〔がくへん〕だと思います。正直、シックな模様の葉っぱからこんな可憐な花がつくと思いませんでした。

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