ポトス・ステータスの育て方:斑入りの特性にあった管理方法で美しさを維持する

〔2022.09.17〕増やした株でハンギングスタイルの苔玉を昨年作りました。いい感じに育ってきました。ハンギング苔玉の作り方についてご興味がある方は、こちらをご覧ください。

ポトス ステータス 斑入り ハンギング
2022.09.17
ポトス ステータス 斑入り ハンギング
2022.06.09
ポトス ステータス 斑入り
2019.09.09

ポトスはここ数年の間にかなり種類が豊富になりました。中でもポトス・ステータスは、とてもエレガントなポトスです。ステータスの魅力は、従来のポトスに比べて丸くてウェーブのある大きめの葉に、変化に富んだ斑です。とても美しく印象的なので一鉢あるだけで部屋が華やかになりますよ。

ポトス ステータス 斑入り

ポトスの特性と、斑入り植物の特性を併せ持つので、両方の特性に合った管理をすると、美しく育てることができます。

ポトスは丈夫で育てやすく、耐陰性にすぐれた性質ですが、ステータスは斑入り植物なので、我が家では明るめの環境で育ててます。ポトスの性質と斑入り植物にあった管理方法について、我が家の育て方をご紹介します。

ポトス・ステータスの特性

ポトス ステータス 斑入り

仕立て方で、つる先端の葉の大きさが変わる

ポトスはつる植物で登はん性〔上に向かってつるを伸ばす〕があります。支柱を立てて着生させながら上に伸ばすと葉が大きくなり、逆に下に垂らすと葉が小さくなる性質があります。上に伸びると、より光を浴びて光合成するために葉が大きくなるそうです。また、下に垂らすと、着生できるものを探すために敏捷性が必要となるので葉を小さくするそうです。ステータスも同様の特徴があります。

立派に大きく育てるにはヘゴ支柱仕立てがいいですが、コンパクトに育てるなら、鉢の縁から葉を垂らしたり、ハンギング仕立てにすると、印象的でおしゃれです。垂れ下がった葉がだんだん小さくなっていくのも自然ですし、見映えが悪くなって切り戻しすれば、簡単に節から芽をだします。

美しい斑の葉を育てる環境

ポトスは耐陰性に優れていますが、ステータスのように斑入りのものは、直射日光を避けた明るい日陰で管理するといいです。我が家も、夏場は屋外の明るい日陰でずっと管理しており、美しい斑入りの葉が安定して出てます。そして、斑の白い部分は光合成ができないため、暗い所で育てると、少しでも光合成をするために新しい葉には緑の部分を増やそうとします。暗い所に置いておくと斑が不鮮明になったり、斑が入らなくなったりするのはこのためです。逆に陽当たりのよい場所で管理すると、斑と緑の部分がはっきりとし鮮明な模様となります。

ポトス ステータス 斑入り

しかし、明るい場所がよいとはいえ、斑の部分は葉焼けしやすいので、直射日光は避けます。夏だけでなく通年強い陽射しで葉焼けするので、屋外では置き場所に注意します。葉焼けすると下の写真のように茶色くなってしまいます。せっかくのきれいな斑が台無しですよね。

夏場は屋外の明るい日陰、冬場は暖かい室内の陽の入る明るい場所で管理すれば、年中良いコンディションで育てることができます。

暑さに強いが、寒さには弱い

ポトスは熱帯の植物なので、暑さには強いですが、寒さに弱いです。肌寒くなり、10℃を切るようになると室内で管理します。生育の最低気温は5℃といいますが、やはり冬場でも10℃以上の環境が好ましいです。

斑入り植物は育ちがゆっくり

従来のポトスは、生育旺盛でよく伸びますが、ステータスは、従来のポトスよりも育ちがゆっくりしていると実感してます。従来のポトスだと夏期の間に30~40cmくらい簡単に伸びるのに、ステータスは、ほぼ同じ環境に置いて8cmくらいしか伸びていません。

節から節の間隔も狭いです。これはおそらく斑入り植物で葉や茎の白い部分がかなり多いからでしょう。斑入りの植物は、光合成能力が低く生長が遅くなります。ステータスも生長が非常にゆっくりです。逆にいうと、従来のポトスは生長が早く、伸びすぎてすぐに株が乱れ形が崩れてしまうのに対し、ステータスは、株のフォルムが崩れにくく、美しいまま長く保たれるのでお手入れが楽です。また、節の間が狭く、変化に富んだ斑入り葉がぎっしり付くので、それが水彩画のような美しさを醸し出すのです。ぎっしりとつく葉が全部緑の葉なら、多少暑苦しい感がありますが、多様な斑入りなので抜け感があるんですよね。

ポトス ステータス 斑入り

葉の斑の入り方がバリエーションに富んでいる

もともとポトス・エンジョイという種の枝変わり品種だそうです。枝変わりとは、一部の枝だけがその個体と異なる遺伝形質を持つことです。エンジョイは葉がちょっとこぶりですが、さすがによく似ています。うちのステータスの斑は、エンジョイとマーブルクイーンのような葉とが、いろんな比率で混ざって出現するような感じです。3株一緒に植えてありますが、はっきり斑が分かれている葉の株やマーブル模様がよく出ている葉の株など、株によって傾向があるようです。購入するときは、好みの斑入りのものを選ぶといいですね。

ポトス ステータス 斑入り
ポトス ステータス 斑入り
ポトス ステータス 斑入り

下に枝を垂らすのでしたら、背の高い鉢もいいですよ。

緑一色の葉が出てきたら

育てていると、先祖返りして、緑一色の葉が出てくることがあります。植物にとっては、もともと斑のない葉の方が正常なので、一度緑一色の葉が出た茎から、斑入りの葉に戻ることはありません。緑の葉がでたら、その部分は摘みとります。

育て方

植え付け・植え替え

用土は観葉植物の土で特に問題ありません。植え替え時期は、5月~7月が適期です。株が大きくなって根が鉢の底の穴からはみ出てきたり、水の吸い込みが悪いなどの状況になったら根づまりしているので植え替えましょう。ひと回り大きな鉢に植え替えるか、根を切って整理して同じ鉢に植え付けもできます。また、株分けも簡単です。

ポトス・ステータスは、植え付けてから、株が落ち着いて生長し始めるまで、比較的時間がかかります。もともと生長ゆっくりですし。植え付けてから、葉が変色したり萎びたりしないで、そのまま保ってるようなら問題ないので、そのまま引き続き様子をみます。きっと忘れたころに新芽が出てきますよ。葉が出てきたら、根も正常に機能しているので、そのまま生き生きと生長していきます。

水やり、肥料

水やりは、土が乾いたらたっぷりと底から水が出るまであげます。水やりによって、水分補給だけでなく、土の隙間に新鮮な空気を送っています。ですので、水やりするときにはしっかり底から流れ出るまで水をあげましょう。夏は、気温の上がる日中は避けて、気温の穏やかな早朝や夕方の時間帯にし、冬は週に1~2回くらいになるかと思います。頻度は必ず土の状態を見て調節します。肥料は、緩効性の観葉植物用の肥料を適量2か月に一度くらいの割で与えます。11月頃~2月頃までは、肥料は与えていません。

増やし方

ポトス ステータス 気根

節の下からでる気根で着生します。気根は、空気中の水分を吸収し、着生したら根を広げます。湿度の高い夏期は気根が良く伸びます。増やすときは、つるを切り取り、この気根の出る部分を水に浸しておけば簡単に根が伸びるので、適度に伸びたら土に植え付けます。

ポトス ステータス 斑入り

増やした苗も同じ鉢に植え付けました。少し乱れた感じはしますが、落ち着くまでこのまま置きます。

育てる環境

ポトス・ステータスの特徴でも書きましたが、生長期の夏は屋外の明るい日陰、冬は、暖かく日差しの入る明るい場所で管理します。あともう一つ、育てる環境を急激に変えないということが重要です。これは植物全般に言えることですが、かなり大事だと思います。例えば、夏、涼しい室内から陽当たりのいい高温な場所に置くなど、植物にはかなりのストレスになり、適応しきれず葉焼けしたり、弱ってしまう場合もあります。管理場所を移動するなら、陽当たりや温度など徐々に慣れさせます。室内外の管理の移動は、春や秋の気温が穏やかで、室内外の温度差がない時期がぴったりです。

ポトス・ステータスはとっても丈夫

ステータスは従来のポトスと変わらず、丈夫で生育旺盛です。管理も簡単なので、気負わず育てられます。育てると大満足すること間違いなしですよ。

苔玉に仕立て・ハンギングしても素敵

昨年、剪定した茎を発根させてからハンギングスタイルの苔玉にしてみました。育ちはゆっくりですが、いい感じに育ってきています。写真は、室内の窓辺にハンギングしていますが、さわやかな雰囲気が素敵です。

ポトス ステータス 斑入り ハンギング
2022.06.09

約3か月後、いい感じに伸びています。夏の間は、屋外の明るめの日陰で育てました。

ポトス ステータス 斑入り ハンギング
2022.09.17

下から見上げても雰囲気ありますね。

ポトス ステータス 斑入り ハンギング
2022.09.17

ハンギング苔玉の作り方はこちらをご覧ください。

コメント

  1. IKEDA より:

    とても分かりやすくて参考になりました。
    ステータス、ウェーブが綺麗で気に入っています。
    ふが多いので葉焼けしやすく悩みます。
    カーテンごしに置いていますが日光が足りないのか、ふの部分が白ではなく、クリーム色になります。
    その為、育成ライトも使いましたが変化なし。
    あの陶器のような白いふが見たいです。
    どうしたらいいのでしょうか…

    • こんにちは。ブログ読んでいただいてありがとうございます。

      コメントを拝見して、思い当たる点が2点あります。我が家も素人なので、これでうまくいくかどうかはわからないのですが…。

      ひとつは、おっしゃる通り、日光が足りない場合です。夏は太陽高度が高く、室内に光が差し込まないため、窓際でも思った以上に暗いです。植物用のLED照明も、性能的にはいろいろあるので、照度が不十分なのかもしれません。室内に比べると屋外はやはり明るいので、もし、日照不足が原因だとすれば、一度屋外の明るめの日陰に出してみるといいかもしれません。いきなり明るいところに出すと葉焼けしてしまうので、日陰から徐々に慣らしていくといいと思います。とはいっても直射日光は避けます。

      もう一つは、斑入り品種は、斑が安定していません。斑自体が植物にとっては不健康な状態ですので、葉緑素がある健康な状態に戻ろうとするようです。真っ白は、色素が全くない状態ですが、茎が長くなってくると斑にも色素が入るようになることがあります。我が家でも、長く伸びた先端の葉の斑の部分が、クリーム色だったり、掠れたように黄緑になっていたりします。この場合は戻らないので、切り戻しが一番いい方法だと思います。元の白い斑のところまで切り戻すと甦る可能性があります。我が家も何回か切り戻ししています。

      IKEDA様の問い合わせにちゃんと答えられてなかったらごめんなさい。

    • 匿名 より:

      ポトスステータスを育てていますが、みずやりに困っています。少し水をあげても葉が茶色になってしまいます。底から溢れる程あげたら枯れてしまいそうです。アドバイスをお願い致します。

      • こんにちは。ブログ読んでいただいてありがとうございます。

        水やりで葉が茶色くなるということですね。どんなふうに茶色くなっているのかわからないので、思い当たる点を以下に並べてみます。

        ①ポトスは、肥料はあまり必要ない植物です。肥料が多すぎると茶色くなる可能性があります。

        ②カビ・菌・虫などの病気は、斑点になったり茶色く変色します。広がると枯れてしまうので、早目に茶色くなった葉を切り取ってしまい、殺菌剤で殺菌します。

        ③上記の原因が思い当たらず茶色くなる場合は、根腐れを疑います。日照不足で室内で育てていると株が弱りがちです。
        室内で育てていて土が乾いていないうちに水やりを繰り返していると根腐れしやすいです。すでに進行していると水をやっても、根から水を吸えないので、枯れていってしまいます。

        一度株を引き上げて確かめてみてはいかがでしょうか?

        もし株が根腐れして弱っていても、ポトスの成長点部分が元気なら、何節か切り取って、挿し木して残すことができます。葉の出でいる節の部分は、すでに気根のようなものが出ていると思うので、水に浸しておけば発根します。

        ④あとは水やりとは関係なく葉焼けです。一部分だけ陽が強く当たったりしていると変色します。

        なにか思い当たることがあればよいのですが…。
        参考になれば幸いです。回復するといいですね。

  2. 匿名 より:

    アドバイスありがとうございました。説明が下手ですみません、葉の一部が茶色になり、私は浮腫かなぁと思っていました。今日植え替えてみましたが根にトラブルはなく、かびや虫もいません。水は土が乾いたらたくさんあげても良いのでしょうか

    • ちょっと外出してまして、お返事遅くなり申し訳ありません。

      根に異常がないのでしたら、土が乾いたら普通に水やりしていいのではないかと思います。

      浮腫かもいうことですが、葉が膨らんだ感じなのでしょうか。我が家では今まで浮腫病の経験がないのでどうしたらいいのかわからないです。なんらかの病気ならば、茶色くなった葉を切り取り、消毒するくらいしか思いつかないです。
      あまり役に立たなくて申し訳ありません。

タイトルとURLをコピーしました