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〔2019年7月27日〕挿し木〔水差し〕したつるから新芽が出てきましたのでこちらに追記しました。

ウツボカズラ ネペンデス・アラタ ネペンテス・レッドアラタ

2018年の6月にネペンテス・アラタ(左)とネペンテス・レッドアラタ(右)を購入しました。

どちらも、購入したままの状態で2週間ほど水やり続けていても、全く生長が見られず、新しい芽も育たず、レッドアラタについては捕虫袋が次々と枯れる状態になってしまいました。ですが、どちらもミズゴケ&あく抜きベラボンに植え替えたとたん元気な新葉が次々と出てきました。その後、アラタは捕虫袋の数を増やし、すくすく生長しています。レッドアラタは、なかなか捕虫袋を付けない状態が続きましたが、色々と試しているうちに捕虫袋を増やせるようになりました。

夏〜秋〜冬を通して育ててみて、いつも元気に捕虫袋を生長させるためにいろいろ工夫した点など、ウツボカズラ初心者ならではの視点で我が家の育て方を紹介したいと思います。

 

目次

 


スモールサイズなら比較的管理が楽

ウツボカズラは、温度と湿度を適度に保つことが出来れば、年中捕虫袋を付け生長します。高温多湿を好むウツボカズラは、夏場は屋外で育てることができますが、乾燥しやすい冬場は、室内で湿度を保てるよう工夫が必要となります。温室などの設備がなくてもスモールサイズなら、ちょっとした工夫で冬場も元気に育てることが可能です。

ここ数年の食虫植物ブームで、ホームセンターでも比較的リーズナブルに入手できます。記事の最初に貼ったネペンテス・アラタは2号鉢で¥500くらいでした。ネペンテス・レッドアラタは3号鉢で¥1,980でした。

スモールサイズでも徐々に大きくなり捕虫袋を付けていく様を観察するのは楽しいですよ。

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購入したままではなかなか育たない?

購入したポット苗を2週間ほど適度な水やりと葉水を心掛けてみたのですが、まったく育つ気配がありませんでした。初心者には水やりが難しいのでしょうか?苗が育てられたナーサリーでは、専門家によって一日中適切な環境で管理されていたでしょうし、一般の家で育てるとは違いますよね。温度や湿度が管理されない屋外で育てるにはやはり植え替えは必要なのだと思います。お手入れは簡単に越したことはないわけで。

いろいろ調べて、我が家ではミズゴケに植え替えることにしました。厳密にいうとミズゴケ&ベラボンです。植え替え方法については後ろの方に記載しています。

 


ウツボカズラに適した環境

ウツボカズラには、以下の環境が適しています。

  • 酸性で水はけがよい用土
  • 陽当たりがよい場所。夏場は直射日光に当てず明るい日陰
  • 育成温度は15℃〜30℃。屋外で夏場育て20℃を下回る時期は室内で育てる
  • 空中湿度は50%以上がよい。こまめに葉水して湿度を補うとよい

 

ミズゴケがウツボカズラの植え込みに最適な理由

ミズゴケは含んだ水を酸性にするので、酸性土壌を好むウツボカズラには合います。また、ミズゴケは、保湿性と通気性を兼ね備えているし、ほんの少し栄養分もあります。ウツボカズラはもともと栄養の乏しい土壌で捕虫袋に虫を捕らえて養分とするように進化した植物なので、養分が十分あると捕虫袋をつけなくなります。ミズゴケのごくわずかな栄養分はウツボカズラにとってちょうどいい塩梅なのですね。いろいろな土を配合してウツボカズラに合う用土を作るよりも、初心者にとってミズゴケはとてもシンプルでウツボカズラの生育に適した素材なのです。

 

ミズゴケにも欠点がある

しかし、ミズゴケを使うにも欠点はあります。ウツボカズラのような高温多湿を好む植物に使うとミズゴケ自身の劣化が早いということです。ミズゴケは劣化するとぼろほろになりますし、過湿になったり逆に吸水性が落ちたり、菌も繁殖しやすいため、植物の病気を招く結果にもなります。土に植えるよりも植え替え頻度が多くなります。ミズゴケを使う場合は質の良いミズゴケを使用するに越したことがないですが、それでも植物の生育が悪くなったら植え替えをする必要があります。

また、ミズゴケは植え替えの際に根に絡んで除去しにくいという点もあります。

 


ウツボカズラの植え替えのコツ

ミズゴケ&ベラボンを用土に使う

ミズゴケは確かに劣化しやすいです。しかし、苗がまだ小さくて根があまり張っていない場合はやはりミズゴケが扱いやすいと思います。そこで、根の周りにはあく抜きベラボンをまぜて植え替えすることにしました。

うちではあく抜きベラボンを用土に多用しています。あく抜きベラボンは、どのような植物にも使えますし、とても軽く、水持ちと排水性、通気性を兼ね備えています。水を含むと膨らんで、乾燥すると縮むことによって土の中に適度な隙間をつくって通気性よくしてくれるのです。それに腐りにくいという性質もあるのです。大概の植物は通気性がないと根詰まりしてしまいます。植物を育てていくのに植え替えが必要な理由は根詰まりの解消が大きいです。

ミズゴケ単独が性質的にはウツボカズラには最適だとは思うのですが、ミズゴケは通気性がいいといっても常に濡れていると通気性は悪くなってしまうだろうし、根の周りに腐りにくくて水の吸排水を収縮することによって調整してくれるベラボンがあることでミズゴケの劣化の弊害を受けにくいのではと思うのです。

要するに多少水をやり過ぎても根腐れしないようにベラボンを配合してみたということです。

ちなみにミズゴケのpHは4.5〜5.0、あく抜きベラボンは6.2くらいです。ベラボンもやや酸性よりなので気になりませんね。

 

スモールサイズは苔玉にすると管理が楽

苔玉はスモールサイズの植物に向きます。表面の状態や重さでミズゴケの湿度がわかりやすく、苔玉の表面が白く乾いたら水につけるか少しの間、腰水させればいいので、わりと管理が楽です。適度な保湿と水はけを好むウツボカズラにも向いています。苔玉がカラカラに完全に乾かないように注意しましょう。

スモールサイズの苔玉は、お好みのお皿に置いたり、ぐい呑みやそば猪口にいれても素敵です。うちでは最初ガラスのキャンドルホルダーに入れてみました。

ウツボカズラ ネペンテス

 


ミズゴケ&ベラボンの苔玉の作り方

我が家の作り方を紹介します。植え替えは基本的には真夏をさけて6月くらいがいいですね。しかし、どうしても必要がある場合は、暑い日でも気温の落ち着いた日や夕方を選んで行うといいと思います。

 

ミズゴケはできるだけ品質のよいもの、一本の長さが長いものを

品質がよい方が劣化は遅いです。また、苔玉を作るときに一本の長さが長いものを選んで使うと、仕上げるときにまとめやすく使いやすいです。

 

水で振り洗いして土を落とす

ウツボカズラの根は細く繊細なので出来るだけ傷めないように土を取り去ります。土を落とす際は、ボールに水を張りやさしく振り洗いして落とすとよいです。無理に土を全部落とそうとしないで落ちる分だけ落とす程度で切り上げましょう。

 

苔玉を作る

ミズゴケをぬるま湯で戻して軽くしぼり、手のひらに薄く広げたらベラボンを少量置きます。ウツボカズラの根の部分を下から包むようにするとベラボンが落ちにくいです。そしてミズゴケを巻いていくように足してまるくまとめます。あまり固く握らずふんわりまとめながら、苗がグラグラしないように苔玉と茎の接点部分にしっかりミズゴケ一本一本を足していきます。

苔玉は、多少大きめに作った方がいいです。うちでは作ってからの1か月でウツボカズラがかなり生長し、すぐに苔玉が小さくなってしまいました。最初に苔玉に植え替えてから2か月もしないうちに作り直して大きくしました。

ウツボカズラ ネペンテス 用土 ベラボン 水苔

 

細い針金を全方向に巻く

まとまったら針金をいろいろな方向に巻きながら形を整えます。針金のはじめを少し残して巻きます。針金の巻き加減は強すぎず弱すぎずです。針金のはじめと終わりは結ぶかねじって止めると完成です。完成後ミズゴケが乾くと縮むので、針金がたるんできた場合は、その部分だけ針金をねじってミズゴケの中に隠してしまえばいいです。

〔2018.7.13〕
ウツボカズラ ネペンテス

ウツボカズラ ネペンテス

 

約2か月後

葉が大きく育ち、バランスが悪くなったので、苔玉を1.5倍くらいに仕立て直しました。苔玉は大きさを簡単に調整できるのでいいですね。

〔2018.9.9〕
ウツボカズラ ネペンテス

 


捕虫袋が付かない時に試してみること

食虫植物 ウツボカズラ ネペンテス

こちらはネペンテス・レッドアラタ(以下『レッド』と呼びます)です。上のアラタ(以下『グリーン』と呼びます)に比べ捕虫袋のかたちが寸胴です。『レッド』も『グリーン』と性質や育て方は同じようなので、同様に育てています。

『レッド』もガーデニングショップで購入後、こちらも捕虫袋が枯れつつあるのに生長がないため、ミズゴケ&ベラボンで植え替えしました。

 

捕虫袋は、1か月から1か月半くらいで枯れます。枯れた捕虫袋をいつまでもつけていると新しい捕虫袋が育ちにくいようです。我が家でも植え替え後、新しい葉が何枚も出てきたのに捕虫袋がなかなか大きくならないので、明るい日陰に出し、枯れた捕虫袋を取りました。そうしたら捕虫袋が膨らみはじめました。

ウツボカズラ ネペンテス

 

しかし、『グリーン』ほど捕虫袋を付けませんでした。最初は個体差かと思っていたのですが、育てながら観察するとわかってきたことがあります。

捕虫袋を付けるための条件は、

  • 肥料を与えない
  • 明るい日陰で育てる
  • 枯れた捕虫袋は取り去る

です。それに加えて次のようなことを心掛けてみました。ウツボカズラを育ててまだ一年に満たないので、あくまでも仮説ですが、捕虫袋が育つには以下の条件が揃うとよいようです。

  • 葉先の捕虫袋になる部分に水滴が付くくらいたっぷりと葉水を与える。
  • 葉先が下に垂れる
  • 地面が近い〔捕虫袋の底の着地場所が近い〕または葉先の捕虫袋の底が何かに触れている

上記にも書きましたが『レッド』はなかなか捕虫袋を付けませんでした。ですが、鉢を乗せていた平皿を、プラスチックのボウルに変え、葉水をたっぷり与えるようにして育てていたところ、捕虫袋が増え始めました。よく観察してみると、以前と異なるのは葉先がわずかにボールに接触していたり、葉先まで水滴が付くくらいたっぷりと葉水を与えていることです。この状態で育てていると、今まで大きくならず生長が止まっていた葉先が膨らみだして捕虫袋を形成するようになりました。霧吹きの水が飛び散らないように深めのボウルに入れ葉先も中に入れ込んだのが良かったようです。

ウツボカズラ ネペンテス

ウツボカズラ ネペンテスウツボカズラ ネペンテス

 

考えてみれは、『レッド』は『グリーン』に比べて背丈も大きいし葉も横に張っているので、葉の先にまで十分水を与えていなかったかもしれません。葉先の捕虫袋になる部分が大きくなることなく、そのまま干からびていることも何回かありました。生長しなかったから枯れたのではなく、直接的に水分が足りなかったから生長できなかったのですね。空中湿度だけでは補えないので葉先を十分に潤すことが大事です。また水滴が葉先に溜まると、葉先がきれいに垂れた形になり、捕虫袋が生長しやすいようです。葉先が下に向かないとそのまま干からびてしまっていたので。

また、生長を始めた捕虫袋が大きくなるには、やはり安定して捕虫袋の重みを支えてくれる何かが葉中袋の底近くにあるといいようです。底を支えられると安定して捕虫袋を大きくすることができるのでしょう。ウツボカズラに目はないのですが、地面が近いと捕虫袋は生長しやすいように思います。また、上の写真のように捕虫袋の底がボウルの斜面に触れていますが、地面でなくても何かが触れているといいようです。

 


捕虫袋には本当に虫が入るのか?

ウツボカズラ ネペンテス 捕虫袋に虫

捕虫袋に虫が入っているの発見!が、2度ほどありました。しかし、必ずしも虫を捕まえなくてもウツボカズラは変わらず生長します。捕虫袋にわざわざ虫を入れたくなりますが、その必要はないようです。

 


季節を通した育て方(湿度の維持方法)

我が家の季節に合わせた育て方と、冬場の湿度の維持方法をご紹介します。

 

夏〜秋の管理

陽当たりのよい状態で育てると捕虫袋がよく育ちますが、真夏の直射日光は避け出来るだけ明るい日陰におきます。9月に入って陽が斜めになり日差しが穏やかになってきたら、朝の間は陽に当てるようにしています。

苔玉の乾燥には気を付け、こまめに葉水するとよいでしょう。苔玉の場合、追肥は不要です。

 

冬の管理

最低気温が15℃を切るあたりから、室内の陽当たりの良い窓辺管理に切り替え、お天気の良い日の日中数時間はベランダに出します。

関東の真冬は乾燥が激しく、加湿器なしでは湿度は30%を切る状態となります。我が家では室内の陽当たりの良い窓辺で管理していると日中の温度は24℃前後と安定していますが、大容量加湿器をフル稼働しても湿度は40%前後がやっとです。そこで、プラのドーム型のカバー(苗帽子)を使って湿度と温度を保つようにしました。下部に厚紙を付け足して高くした簡易温室です。このカバーはなかなか優れもので、65〜80%くらいの湿度を保てます。

〔2019.01.30〕
ウツボカズラ ネペンテス アラタ 冬

 

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脇芽がたくさん出てきた

2月に入ると、『レッド』の根元から脇芽が出ているのに気づきました。

〔2019.02.01〕
ウツボカズラ ネペンテス 脇に新しい株 誕生

ウツボカズラ ネペンテス 脇に新しい株 誕生

 

『レッド』の株の根元に脇芽を見つけてからしばらく観察していると、出てくる出てくる。。。4週間で5つ位の脇芽が育ち、それぞれ1〜2cmの小さい捕虫袋を生長させています。

〔2019.02.28〕
ウツボカズラ ネペンテス

 

4月になると『レッド』も『グリーン』も捕虫袋がたくさん付きました。順調に育っています。

〔2019.04.29〕
ウツボカズラ ネペンデス

 

『レッド』
ウツボカズラ ネペンテス レッドアラタ

 

『グリーン』
ウツボカズラ ネペンデス アラタ

 


剪定〔切り戻し〕

植え替え・切り戻し・挿し木は、6月〜8月がベストシーズンです。『レッド』も『グリーン』も捕虫袋が枯れ始め見苦しくなってきたので、新しい捕虫袋を生長させるために葉の整理をします。また『レッド』は、つるが伸びてバランスが悪くなったので切り戻しし、整えることにしました。下の写真は、『レッド』のつるです。新しいのが株が4つ生長していますが株分けせず、全体のバランスを整えました。

ウツボカズラ・ネペンテス・レッドアラタ 剪定前

 

捕虫袋と袋がついていた葉を切り取ります。

 

つるは2節ほど残して切りました。

 

古く枯れた葉も切ります。

ウツボカズラ・ネペンテス・レッドアラタ 剪定後

ウツボカズラ・ネペンテス・レッドアラタ 剪定後

すっきりしました。

 

『グリーン』も同様に整理。今年1月に生えてきた株2つも育ち、計3つで割にバランスよく育っています。

ウツボカズラ・ネペンテス・アラタ 剪定後

 


挿し木〔水挿し〕

切ったつるを2〜3節で切り分けます。

ウツボカズラ ネペンデス 挿し木 水挿し 出芽

矢印の葉の上の点から芽が出るので、その上でカットします。

葉からの蒸散を減らすため葉を半分に切ります。

 

 

適当な容器に活けて置いておきます。軽くラップをかけています。(写真はラップを外しています。)

 

この状態でしばらく育てます。発根するのが待ち遠しいなぁ。

 

約3週間後
ウツボカズラ ネペンデス 挿し木 水挿し

 

あまり気に留めずにいたら、約3週間後に新芽が出ているのを発見です。

ウツボカズラ ネペンデス 挿し木 水挿し

 

葉の上についている斑点の部分から芽が出ますね。

ウツボカズラ ネペンデス 挿し木 水挿し

 

4つに分けた時、先端部分だった新芽は開いて新しい芽が出ています。4本中3本は出芽しました。残りの1本はというと、水に完全に浸かっていたため出芽していませんでした。その1本も芽が出る部分を水面から出して、再び置いておきます。

 

発根にはまだ時間がかかりそうです。