JUGEMテーマ:植物
〔2018.11.25撮影〕
〔2018.07.22撮影〕
鉢植えで育ててきたビカクシダ(コウモリラン)のアルシコルネ・マダガスカルをバージンコルクに板付けしました。
鉢植えでのフォルムが素敵で気に入っていたのですが、株が大きく成長したため、鉢が小さくなりました。屋外に置いておいても風で転んでしまうので、植え替えすることに。最近我が家ではハンギングブームもあり、省スペース化も狙って板付けにすることにしました。
ビカクシダの貯水葉は、着生したところのかたちに沿って生長します。今回小さな植木鉢を覆いちょっと癖のある形に貯水葉が育っていたため大きくカットして板付けしました。そのあたりの様子などもご紹介します。
目次
鉢植えから板付けに
まるで噴水か花火のようなフォルムだったアルシコルネ。胞子葉が大きく育ち、存在感抜群になったのですが、鉢とのバランスが悪くなってきました。日中、ベランダの明るい日陰に出しているのですが、風が吹くとすぐに転んでしまいます。そこで、思い切って板付けすることにしました。
板付けの準備
アルシコルネを板付けするために用意し物は以下の通りです。
- バージンコルク板
- ミズゴケ
- ベラボン
- ワイヤー
- ドリル
- 木ネジ
うちでは、ビカクシダやエアプランツの着生に、バージンコルクをよく使います。表面に凸凹があり、根が張りやすいのが大きなメリットですね。エアプランツの寄せ植えを作る記事にも詳しく書いてあるのでよろしかったら見てください。
ミズゴケとベラボンは、アルシコルネの株をバージンコルクに着生させるのに使います。
ワイヤーは、バージンコルクにアルシコルネを固定するために使います。以前、リドレイを板付けした記事では最初に麻ひもを使いました。ですが、最終的にはワイヤーに変えたので、今回は最初からワイヤーを使います。使用するワイヤーは、花や枝を誘引する園芸ワイヤーを使います。
ドリルは、バージンコルクに給排水用の穴を空けたり、ワイヤーを通す穴を空けるのに使います。
木ネジは、板付けが終わった後、ハンギングするためのワイヤーを固定するために使います。
バージンコルクですが、ガーデニングセンターでなかなか良いものが見つけられないので、うちでは通販で購入しています。
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鉢植えから板付けに植え替える手順
我が家で鉢植えから板付に植え替えた手順は以下の通りです。
鉢から株を取り出す
鉢からアルシコルネを取り出します。ですが、うちのアルシコルネは、貯水葉が鉢にぐるっと巻き付いていて、根も植木鉢の中にこびりついているようで鉢から株を抜き出すことができませんでした。ビカクシダは案外丈夫で、株の芽がでる中心部さえ傷つけなければ大丈夫なのですが、あまり時間をかけず、株の傷みも最小限で作業するに越したことはないですよね。
そこで、少しもったいないですが、鉢を割って株を取り出します。鉢をビニール袋などに入れて、ハンマーで割ると、鉢のかけらが飛び散りません。
根や鉢に巻き付いている貯水葉を傷つけないように、鉢の周囲をハンマーで叩き、割れ目を入れます。
うちのアルシコルネは、鉢底の穴から根が出ていたのですが、こちらも注意深く割れ目を入れるときれいに取れます。
鉢のかけらを手で取り除くと、完了です。
ビカクシダにとって根は着生するためのものといいますがこんなに根が張るんですね。
根をほぐす
鉢の形にしっかりと根が回っていて、このままでは思った形や高さに板付けできません。ですので、思い切ってはさみを入れます。
はさみは、下の写真のように十字にいれます。うちのアルシコルネは、ミズゴケを用土に使っていたので、割と簡単にはさみが使えました。ベラボンが入っていたら少しやりにくかったかもしれません。
切れ目の深さは、板付けした際にちょうど良い高さになるように調整します。ちょうどよい高さで切りそろえてもいいと思いますが、切り取ってしまう必要もないので根を残し、十字に切り込みを入れて切った部分を外に広げた状態で植え付けました。
位置を決める
着生させる位置を決めたら、バージンコルクの表面の凹みに水を絞ったミズゴケとベラボンを混ぜて敷き詰めていきます。
形を整える
その上にアルシコルネを置き、周りにミズゴケを盛り付けて形を整えます。ミズゴケは水に浸けた後、硬く絞って使います。
うちのアルシコルネは、鉢の直径よりも大きく育った貯水葉があって、葉の一部が丸まってしまっていました。植木鉢の時は、この貯水葉の端が丸まったフォルムが好きだったのですが、板付すると不自然です。どうにも形が整えられないので、思い切って貯水葉をカットしました。貯水葉がここまで育つ前に、もう少し早く板付けすればよかったと後悔したところです。しかし、もう片方の貯水葉が育ってきているので、今年の植え替えのタイミングは今しかないと思い決行です。
形を整えるために、結構大きく切り取りました。丸まった先をズボッと切り取り、全周切り取ってしまいました。雑菌が入って腐るかもしいう心配はありますが、完成後数日は水をきることで、切り口を乾燥させるつもりです。
下の写真は貯水葉の断面です。結構分厚い葉で、少し硬いスポンジのような弾力がありました。
バージンコルクに固定する
形がある程度整ったら、一度ビニールひもで仮止めします。
ミズゴケごとアルシコルネを固定するために、バージンコルクに穴を空けてワイヤーを通します。バージンコルクの穴は千枚通しでも空けられますが、何か所も穴をあけるならドリルを使うのが簡単です。Φ2.5mmの刃を使いました。ワイヤーは花や木の枝を止める園芸ワイヤーを使いました。
丸まっていたためカットした貯水葉のところは、形が良くないので、形を整えながら念入りに止めます。
新しく出てきた貯水葉を傷つけないように、ワイヤーを通して裏で留めます。貯水葉がもっと生長すると、ワイヤーはすっかり隠してくれますので、とにかくしっかり留めましょう。
中心の根が出るところは避けて株全体がしっかりと固定されれば完成です。5本の針金(穴は10個)で留まっています。あとはハンギング用に木ネジを裏面から2本差し、フックをかけるためのワイヤーを通して出来上がりです。
その後の管理と生長
板付け後は、明るい日陰でしばらく養生した後、季節がらベランダでハンギングしています。板付け時にカットした貯水葉も、しっかりと水を切ったせいか、雑菌が入った様子もなく自然と枯れた状態になっています。アルシコルネの貯水葉は枯れるとき中心から茶色くなっていってます。今回縁を切った貯水葉も切った縁からではなく中心から広がった枯れなので心配なしと判断しました。
水やりは毎日朝夕の涼しい時間帯に2回、じょうろでバシャバシャと水をかけています。
〔2018年7月撮影〕
板付け時はまだ小さかった新しい貯水葉もだんだん大きくなってきています。ミズゴケをすっぽりと覆ってくれるまで、もう少しという感じです。
新しい胞子葉も芽を出してきました。赤ちゃん猫の手のようでかわいいですよね。
〔2018.11.25更新〕
冷えるようになり、日没前から朝10時までは室内に取り込むようになりました。鉢植えからコルク板付けに変えて胞子葉の生え方が変わり、乱れうち花火のような展開です。胞子葉も一段と長く枝分かれして造形的に美しくなりました。
かなり前に飛び出しているのですごくボリュームがあり迫力あります。胞子葉の表はトリコームが薄くて光沢があるので、スポットライトなど当てると引き立ちますね。
胞子葉はコンスタントに出てくるのですが、貯水葉は、春から初夏にかけて左右に一枚づつ立て続けに出て停止してます。年に2枚と決めているのか、水やり頻繁にしているので貯水の必要ないのか…。貯水葉も割合早く茶色くなってしまいます。それはそれで渋くていい色合いです。
秋になって空気が乾燥しているせいかミズゴケの乾きやすくなっています。向かって右半分はほとんど貯水葉残っていないので、ミズゴケを触って水やりの頻度を決めています。貯水葉にすっぽり包まれているより水やりしやすいですけどね。やっぱり貯水葉生えるの待ち遠しいです。来年の春ごろになるのかな…。
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